2025年9月18日
労務・人事ニュース
令和8年3月卒予定石川県の高卒求人倍率が3.84倍、6,083人の求人で過去2番目の高水準(令和7年7月末現在)
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最終更新: 2025年9月17日 23:01
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令和8年3月新規高等学校卒業予定者の求人・求職状況等(令和7年7月末現在)(石川労働局)
この記事の概要
石川労働局が公表した令和8年3月新規高等学校卒業予定者に関する求人・求職状況によると、令和7年7月末時点で求人倍率は3.84倍となり、過去2番目に高い水準となりました。就職希望者数は1,585人、求人数は6,083人で、いずれも前年を上回っていますが、倍率はわずかに低下しています。
石川県内の雇用情勢が大きく注目を集める中、石川労働局は令和8年3月に卒業を予定する新規高等学校卒業者を対象とした求人・求職状況の統計を発表しました。これは令和7年7月末時点での集計結果であり、企業の採用活動や高校生の進路選択に大きな影響を与える重要なデータとなっています。
この調査によると、県内全体の就職希望者数は1,585人で、前年同月比で2.1%の増加となりました。これは前年の1,552人から33人増えた計算となり、将来の安定的な雇用を望む高校生が引き続き地元での就職を目指している傾向を反映しています。そのうち、県内就職を希望する生徒は1,517人であり、県外を希望する生徒は68人でした。県外希望者の増加率は7.9%となり、県外志向のわずかな広がりも見られました。
一方で、石川県内企業からの求人数は6,083人となり、前年同月比で0.4%の増加を記録しました。前年度の求人数は6,057人であり、わずか26人の増加ではあるものの、企業側の採用意欲は引き続き高い水準で推移していることがわかります。このような背景から、全体の求人倍率は3.84倍となりました。前年同月の3.90倍から0.06ポイントの減少となったものの、依然として高い倍率を維持しており、これは平成元年以降では過去2番目に高い水準です。
産業別に見た求人の内訳を詳しく確認すると、機械関連の求人が非常に活発で、前年同月比13.6%の増加となる1,221件が報告されています。また、運輸業・郵便業においても5.2%の増加が見られ、製造業や建設業、医療・福祉分野でも堅調な求人が続いています。中でも注目すべきは、建設業が前年同月比で19.2%の増加となる871件の求人を確保している点です。これはインフラ整備や災害対応などに関連した需要が高まっていることを反映していると見られます。
逆に、求人が減少している分野も存在します。たとえば、繊維工業の求人は前年同月比で9.2%の減少、卸売業・小売業では11.5%の減少、サービス業においても11.5%の減少が確認されています。これらの業種に共通しているのは、国内消費の変動や人件費の高騰、さらにはデジタル化の進展など、複合的な要因によって採用が慎重になっていることです。特に人手不足が慢性的となっている宿泊業や飲食サービス業では、求人は増加しているものの、人材の定着に課題を抱えている企業も多く、今後の雇用の質の向上が強く求められています。
企業規模別に求人状況を見ると、500人以上の大企業における求人は安定しているものの、特に30人未満の小規模企業における求人が活発化している傾向も見られました。これは大企業と比較して人材確保が難しい中小企業が積極的な採用活動を展開していることを意味しており、求人倍率が高まる中での競争激化を示唆しています。
また、職業別では、技能工や製造関連職種の求人が依然として多く、技術や経験を必要とする業種での人材確保が強く意識されていることがわかります。とりわけ建築、製造、採掘などの現場系の職種では、高校卒業後すぐに働ける若年層の確保が喫緊の課題とされており、企業側も待遇や職場環境の改善に力を入れている傾向があります。
さらに、今後の採用スケジュールについても明確に示されています。9月5日から高校から企業への推薦が開始され、9月16日からは採用選考および採用内定が正式にスタートします。この期間は企業と学生にとって極めて重要な時期となり、スムーズなマッチングが図られるよう、各校とハローワークが連携して支援を強化しています。
なお、本調査は石川県内の全日制・定時制・通信制・専攻科を含むすべての高等学校および特別支援学校高等部を対象とし、学校および公共職業安定所の紹介を希望する生徒についてのデータに限定されています。公務員志望や縁故就職などの希望者は統計に含まれていません。こうした点を踏まえると、今回の統計は企業と生徒の実際の求人・求職活動を反映した重要な実態データであり、今後の採用戦略立案にあたって非常に有用な資料となります。
企業の採用担当者にとって、これらのデータは単なる数値ではなく、具体的な行動指針となるべき情報です。求人倍率が非常に高いということは、裏を返せば競争が激しいことを意味し、優秀な人材をいかに早期に確保し、長期的に定着させるかが課題となります。待遇の見直しはもちろんのこと、教育研修体制やキャリアパスの提示、さらには企業文化の発信といったブランディング要素も、これからの採用活動においては重要な要素となるでしょう。
この記事の要点
- 求人倍率は3.84倍で平成以降で過去2番目の高さ
- 就職希望者数は1,585人で前年より2.1%増加
- 求人数は6,083人で前年から0.4%の微増
- 県内就職希望者は1,517人、県外希望者は68人
- 建設業の求人が19.2%増、機械関連は13.6%増と顕著な伸び
- サービス業や繊維工業では求人が減少傾向
- 9月5日から学校推薦開始、16日から選考・内定スタート
- 30人未満の小規模企業における求人が活発化
- 技能工や製造職種の求人が依然として中心
- 高卒新卒採用では早期のアプローチと企業の魅力発信が鍵
⇒ 詳しくは石川労働局のWEBサイトへ