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2025年9月18日

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有効求人倍率1.28倍に低下、令和7年7月 山梨県内企業が直面する採用市場の現状とは

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山梨県の労働市場の動き(令和7年7月分)(山梨労働局)


この記事の概要

山梨労働局が公表した最新の労働市場データによると、令和7年7月時点における県内の有効求人倍率(季節調整値)は1.28倍となり、前月から0.02ポイントの低下が確認されました。一方で新規求人倍率は2.10倍に上昇しており、求人と求職のバランスに微妙な変化が見られます。企業の採用活動や業種別の求人動向について、詳細に解説します。


令和7年8月29日、山梨労働局は「山梨県の労働市場の動き(令和7年7月分)」として、県内の労働需給に関する統計データを発表しました。発表によると、7月時点での有効求人倍率(季節調整値)は1.28倍で、これは前月に比べて0.02ポイントのわずかな減少となりました。全国の平均が同月1.22倍であることを踏まえると、山梨県は引き続き全国平均を上回る求人数を維持しているものの、その勢いにはやや陰りが見え始めている状況です。

有効求人倍率は、求職者1人に対して何件の求人があるかを示す指標であり、この数値が高いほど企業の人材確保が難しい状況を表しています。今回の1.28倍という数字は、100人の求職者に対して128件の求人があることを意味しており、依然として売り手市場が続いていることを示しています。ただし、前月からの微減という事実は、企業の採用意欲に若干の変化が生じている可能性も示唆しており、注意深く観察すべき傾向です。

一方で、新規求人倍率(季節調整値)は2.10倍と、前月より0.04ポイントの上昇が確認されました。これは、新たに発生した求人に対する新規求職者の比率を示すもので、求人活動が依然として活発であることを表しています。つまり、既存の求人数はやや鈍化しているものの、新たな人材需要は引き続き高い水準を保っている状況です。この点から、企業側が必要とする人材の入れ替えや増員を検討している動きが推察されます。

正社員有効求人倍率は1.03倍で、前年同月に比べて0.02ポイント上昇しています。これは、正社員としての雇用機会がわずかに増加していることを示すものであり、安定した雇用を求める求職者にとっては好ましい動きと言えるでしょう。非正規雇用に依存しがちな地方労働市場において、正社員求人の堅調さは雇用の質の向上にもつながります。

具体的な数値として、有効求人(季節調整値)は16,313人で、前月に比べて196人(1.2%)減少しました。一方、有効求職者数は12,745人で、前月と比べてわずか2人の増加にとどまりました。つまり、求人数の減少に比べて求職者数はほぼ横ばいであったことから、求人倍率のわずかな低下につながったと分析できます。

また、新規求人(原数値)は5,521人となり、前年同月と比較して438人(7.4%)の減少が見られました。業種別に見ると、建設業が31人(7.2%)、情報通信業が2人(3.2%)、運輸業・郵便業が30人(14.6%)、生活関連サービス業および娯楽業が86人(33.2%)増加するなど、一定の分野では求人が伸びています。特に生活関連サービスや運輸業のような人手不足が深刻な業界での求人増は、今後も注目すべき動向です。

一方で、製造業では10人(1.1%)の減少、卸売・小売業では66人(9.6%)、学術研究・専門技術サービス業では7人(6.1%)、宿泊業・飲食サービス業では92人(18.9%)、教育・学習支援業では82人(46.1%)、医療・福祉では170人(13.2%)、サービス業全体では83人(8.1%)の減少が報告されています。特に教育や医療分野での求人減は、慢性的な人材不足が続いているこれらの分野にとって非常に深刻な課題となり得ます。

新規求職者(原数値)は2,471人で、前年同月に比べて188人(7.1%)の減少が見られました。そのうち、パートタイムを希望する求職者は987人で、前年比で70人(6.6%)減少しています。また、離職者のうち、事業主都合による離職者は277人で61人(18.0%)の減少、自己都合による離職者は1,054人で29人(2.7%)の減少が確認されています。これらのデータから、企業側の解雇や雇い止めなどが減少傾向にある一方で、転職や再就職を希望する個人の動きにも一定の落ち着きが出てきていることがうかがえます。

これらの状況を総合的に考察すると、山梨県内の労働市場は、求人側と求職側の双方でバランスの取れた動きが見られるものの、一部業種における人材需要の二極化が進んでいる可能性があると言えます。特定の業界では引き続き人手不足が続いており、それに対応するためには、企業側の柔軟な労働条件の提示や、長期的な人材育成施策が求められます。

また、今回の調査では、オンライン上での求職登録やインターネットを活用した直接応募の件数も含まれており、求職者の行動様式にも変化が見られます。これに伴い、企業の採用担当者も、従来の来所型の採用活動に加えて、デジタルを活用した採用戦略の構築が急務となっています。SNSや求人サイトを活用した情報発信、オンライン面接の導入、また動画コンテンツを用いた会社紹介など、幅広い手段を活用することで、求職者との接点をより多く持つことが可能になります。

地域経済の活性化を目指す上で、安定した雇用の創出は欠かせない課題です。特に山梨県のような地方圏においては、人口減少や若年層の県外流出といった構造的な問題を抱えており、これらに対する中長期的な視点に立った対応が求められています。今回の求人・求職データは、そうした取り組みの方向性を示唆する貴重な情報となっており、企業、行政、そして地域社会全体が一体となって課題解決に取り組む必要があります。

この記事の要点

  • 山梨県の有効求人倍率は1.28倍で前月比0.02ポイント低下
  • 新規求人倍率は2.10倍で前月より0.04ポイント上昇
  • 正社員有効求人倍率は1.03倍で前年同月比0.02ポイント上昇
  • 新規求人は5,521人で前年同月比438人減少
  • 医療や教育分野を中心に求人減が目立つ
  • 新規求職者は2,471人で前年同月比188人減少
  • 事業主都合による離職者は前年比18.0%減
  • 企業はデジタル採用の強化が急務となっている

⇒ 詳しくは山梨労働局のWEBサイトへ

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