2025年9月19日
労務・人事ニュース
令和8年3月高卒予定 高卒求人倍率2.66倍、長野県で読み解く採用市場の最新動向(令和7年7月末現在)
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令和8年3月新規高等学校卒業者の求人・求職状況(令和7年7月末現在)(長野労働局)
この記事の概要
長野労働局が令和7年7月末時点でまとめた、令和8年3月に卒業予定の高等学校生徒を対象とした求人・求職状況によれば、県内の高卒求人倍率は2.66倍となり、前年同時期に比べ0.07ポイント低下しました。求人数は7,495人と3.9%の増加、求職者数も2,816人で6.3%増加しており、高卒採用市場に活発な動きが見られます。業種別の求人傾向や地域ごとの特徴も含めて、詳細を解説します。
長野労働局は令和7年8月29日に、県内の高等学校卒業予定者に対する求人・求職状況を公表しました。対象となるのは、令和8年3月に卒業を予定している高校生のうち、学校またはハローワークを通じて職業紹介を希望する生徒です。この統計は令和7年7月末時点のものであり、就職活動の初期段階における企業の採用動向と生徒の就職希望の傾向を把握する貴重な資料です。
発表によれば、県内での求人数は7,495人となり、前年同時期の7,216人に比べて279人、率にして3.9%の増加となりました。これは、企業側の高卒人材に対する採用意欲が依然として高いことを示しており、若年層の人材確保が各企業にとって喫緊の課題であることがうかがえます。一方で、就職を希望する高校生の数も2,816人となり、前年の2,648人から168人、6.3%の増加となっています。このように、求人数と求職者数の双方が増加するという状況は、高卒採用市場における活発な動きを反映しています。
しかしながら、求人倍率は2.66倍と、前年同月の2.73倍から0.07ポイントの低下が見られました。求人倍率は、1人の求職者に対してどれだけの求人があるかを示す指標であり、今回の数値は1人に対して約2.7件の求人がある計算です。依然として高水準ではあるものの、微減している点からは、求職者数の増加が求人数の増加をやや上回っていることが推察されます。
地域別に見ると、北信地域では求人数が2,793人、求職者数が691人で求人倍率は4.04倍と、非常に高い水準を維持しています。これは、同地域における企業の採用ニーズが特に強いことを示しており、求人倍率は前年より0.55ポイント上昇しました。逆に、東信地域では求人倍率が2.19倍で前年より0.49ポイントの低下、中信では2.13倍で0.15ポイントの低下、南信では2.28倍で0.13ポイントの低下と、他地域ではやや下落傾向が見られます。
業種別に見ると、製造業の求人が引き続き多く、全体の中でも特に存在感があります。特に、電気機械器具製造業では前年より62人増加し、387人から449人へと16.0%以上の伸びを示しました。生産用機械器具製造業でも30.0%の増加が見られ、地域の産業構造を反映した動きと言えます。一方で、電子部品・デバイス・電子回路製造業では48人の減少(12.4%減)が見られ、同一業種内でも明暗が分かれています。
卸売業は118人増の336人と54.1%の大幅な伸びを示しましたが、小売業は438人から432人へと微減しています。運輸業や郵便業では40人の増加(13.1%増)があり、物流や配送需要の増加を背景にした求人が継続していることが分かります。逆に、宿泊業や飲食サービス業では合計で39人減となり、特に宿泊業ではコロナ禍からの回復に伴う雇用回復が鈍化している様子もうかがえます。
また、生活関連サービス業や娯楽業では18.1%の減少、医療・福祉分野では若干の増加(2.8%増)が見られました。この分野では慢性的な人手不足が続いており、求人が大幅に増加しない現状には課題が残ります。教育や学習支援業では横ばいとなっており、引き続き安定した雇用ニーズがあるとみられます。
就職内定者数は前年より増加傾向にあり、早期からのマッチングが進んでいることが示唆されます。令和8年3月卒業予定者の就職活動は、9月5日から学校推薦が始まり、企業の選考・内定は9月16日から開始されます。この時期は極めて重要であり、企業が優秀な人材を確保するためには、早い段階での求人提出と学校・生徒との積極的な関係構築が求められます。
長野労働局は、新卒応援ハローワークや地域のハローワークと連携し、就職希望者全員が卒業までに就職できるように支援体制を整備しています。職業相談や求人の確保、求人情報の提供など、きめ細やかな対応が求められており、企業側もこの支援を活用することで、より効果的な採用活動が可能になります。
高卒採用市場は、短期間での情報戦とも言われるほど、タイミングと精度の高いアプローチが必要です。今回のデータからも明らかなように、求人・求職の動向は地域や業種によって大きく異なり、採用成功にはそれぞれに応じた戦略が欠かせません。採用担当者にとっては、最新の市場動向を常に把握し、柔軟かつ迅速な対応が求められる局面にあります。
この記事の要点
- 長野県の高卒求人倍率は2.66倍で前年より0.07ポイント低下
- 求人数は7,495人で前年より3.9%増加
- 求職者数は2,816人で前年比6.3%増加
- 北信地域では求人倍率4.04倍と特に高水準
- 製造業や卸売業で求人増が顕著に見られる
- 宿泊業や生活関連サービス業では求人減が目立つ
- 就職活動の選考開始は9月16日からスタート
- 新卒応援ハローワークなどによる支援体制が強化されている
⇒ 詳しくは長野労働局のWEBサイトへ


