2025年9月21日
労務・人事ニュース
鹿児島労働局の総合労働相談が5年連続1万2千件超、令和6年度は12,484件に
- 「夜勤なし」/正看護師/デイサービス/オンコールなし
最終更新: 2025年9月20日 23:02
- 「駅チカ」/正看護師/内科/放射線科/循環器内科/クリニック
最終更新: 2025年9月20日 23:02
- 「駅チカ」/准看護師/内科/消化器内科/クリニック/夜勤なし
最終更新: 2025年9月20日 23:02
- 「時短勤務可」/准看護師・正看護師/介護施設
最終更新: 2025年9月20日 23:02
令和6年度 個別労働紛争解決制度及び雇用均等関係法令にかかる施行状況について公表します(鹿児島労働局)
この記事の概要
鹿児島労働局が令和6年度の個別労働紛争解決制度および雇用均等関係法令の施行状況を取りまとめた結果、総合労働相談件数が5年連続で1万2千件を超えたことが明らかになりました。相談内容ではパワーハラスメントや育児・介護休業に関する相談が多く、働き方や職場環境への不安が依然として根強いことがうかがえます。
鹿児島労働局によると、令和6年度に受け付けた総合労働相談件数は12,484件にのぼり、前年度と比較すると4.8%の減少とはなったものの、依然として高水準を維持しています。この数値は5年連続で1万2千件を超えており、働く人々が日常的にさまざまな課題や不安を抱えていることを示しています。相談の内訳を見ると、「法令制度の内容に関する問い合わせ」が8,566件で最も多く、次いで「労働基準法等に関する法令違反の疑い」が2,722件、「個別労働紛争等に関する相談」が3,801件と続いています。
特に注目すべきは、民事上の個別労働紛争に関する相談件数で、前年比2.5%増となる3,801件が寄せられました。その中でも「自己都合退職」に関する相談が最も多く、825件を数えています。また、「いじめ・嫌がらせ」に関する相談は682件で、12.8%の減少となったものの、依然として高い水準で推移しており、労働者のメンタルヘルスや人間関係に起因する問題が深刻であることが浮き彫りとなっています。
雇用均等関係法令に関する相談件数も増加傾向にあり、前年比7.0%増の2,227件となりました。特に、労働施策総合推進法に関連する相談が968件、育児・介護休業法に関する相談が839件と、この2つの法令で全体の81.1%を占めており、職場における両立支援やハラスメント対策への関心の高まりがうかがえます。
ハラスメントに関する相談だけでも1,395件に上り、その中で「パワーハラスメント」が968件と最も多く、ハラスメント全体の約7割を占めました。職場での人間関係や上司とのトラブルに対する労働者の敏感な反応が、こうした相談件数の増加につながっていると見られます。
さらに、雇用均等関係法令に基づく是正指導は計1,267件実施されており、内訳を見ると「パートタイム・有期雇用労働法」に関する指導が700件と過半数を占め、次いで「育児・介護休業法」が296件、「男女雇用機会均等法」が167件、「労働施策総合推進法」が104件となっています。とくに「パートタイム・有期雇用」に関する指導は前年度比で48.6%増加しており、非正規雇用の処遇改善が喫緊の課題として浮上しています。
また、パワーハラスメントやセクシュアルハラスメントなどに関する是正指導も363件行われており、前年から11.7%の増加となっています。この中で「パワハラ」に関する是正指導が104件と最も多く、続いて「育児・介護休業に関するハラスメントおよび不利益取扱い」が100件と、労働者の両立支援制度利用に対する企業側の理解不足が課題として残っています。
育児休業関連の是正指導についても151件が実施され、その中でも「休業等に関するハラスメント防止措置」が50件、「所定労働時間の短縮措置に準ずる措置」が29件と、実務的な制度運用における配慮不足が指摘されています。
このような現状を受けて、鹿児島労働局では引き続き、労働環境の改善や働きやすい職場づくりのために、相談体制の強化や法令に基づく是正指導、調停などの支援措置を継続していくとしています。企業においては、これらの事例や数値をもとに、職場内のトラブルを未然に防ぐ体制づくりや、働く人にとって公平で安心できる環境整備が求められています。
この記事の要点
- 総合労働相談件数は5年連続で1万2千件を超え、12,484件を記録
- 個別労働紛争相談は3,801件で前年比2.5%増、「自己都合退職」が最多
- ハラスメント関連相談は1,395件で、そのうちパワハラが968件
- 雇用均等法関連の相談件数は2,227件で前年より7.0%増加
- 是正指導件数はパートタイム関連で700件、前年比48.6%増
- 育児・介護休業法関連の是正指導は296件、現場対応の課題が浮上
- パワハラに関する是正指導が104件で全体の28.7%を占める
- 育児関連の是正指導151件中、「ハラスメント防止措置」が最多の50件
⇒ 詳しくは鹿児島労働局のWEBサイトへ