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2025年9月21日

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全国178,201棟の防災拠点施設、96.8%が耐震化完了の最新調査結果

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防災拠点となる公共施設等の耐震化推進状況調査結果(総務省)


この記事の概要

消防庁は、防災拠点として機能する公共施設の耐震化状況について、令和6年4月1日時点の調査結果を公表しました。全国178,201棟を対象とした調査で、耐震性を満たす施設は96.8%に達しており、災害対策本部庁舎も着実に耐震化が進んでいます。ただし、一部の施設は依然として耐震化が未完了であり、業務継続性の観点から早急な対策が求められています。


消防庁が発表した最新の調査によると、全国の地方公共団体が所有または管理する防災拠点の公共施設において、現行の耐震基準を満たしている施設の割合が96.8%にまで上昇しました。これは前年度から0.6ポイントの増加となっており、地震などの災害発生時における安全性の確保に向けた取り組みが着実に進んでいることが示されています。

今回の調査は、都道府県および市町村が所有または管理する178,201棟の施設を対象に実施されました。調査対象には庁舎や消防署、学校、社会福祉施設、病院、公民館など、災害時に拠点として機能するさまざまな施設が含まれています。中でも、文教施設の耐震化率は99.7%、診療施設では96.0%、消防署所については96.2%と、高水準の耐震化が達成されています。

一方で、災害対策本部が設置される庁舎の耐震化率については都道府県で97.0%、市町村では92.0%となっており、依然として一部の施設が耐震性を欠いていることが判明しました。特に市町村庁舎では、140団体が耐震化を完了していないものの、うち139団体については代替庁舎が耐震化されているため、災害時の対応に一定の備えがある状況です。とはいえ、災害時の業務継続性を確保するには、本庁舎自体の耐震化が不可欠であり、今後の課題といえます。

調査対象の建物のうち、昭和56年5月31日以前に建築された建物は全体の約43.5%にのぼりますが、このうち97.4%が耐震診断を実施済みです。さらに、その診断に基づいて耐震性が確認された施設または改修が完了した施設の割合は95.0%に達しています。診断を経ても改修に至っていない施設も一部存在しており、特に警察署などは耐震措置率が70.6%にとどまっています。

都道府県別で見ると、東京都や静岡県、愛知県などでは耐震化率がほぼ100%に達しており、非常に高い水準を維持しています。一方で、山口県や長崎県などでは耐震率が90%台前半にとどまり、地域によって取り組み状況に差があるのが現状です。市町村単位でも、長崎県では耐震化率が81.8%にとどまっており、代替庁舎の活用は進んでいるものの、全体としての耐震性向上にはさらなる努力が必要です。

消防庁は、こうした状況を踏まえ、地方公共団体に対して防災拠点となる公共施設の耐震化を一層推進するよう通知を出しています。特に消防署や災害対策本部庁舎については、業務継続性の観点からも早急に対策を講じる必要があるとしています。また、耐震化にかかる費用には「緊急防災・減災事業債」の活用が可能であることもあわせて周知されており、これらを活用した計画的な整備が求められています。

今回の調査結果は、防災拠点の現状を可視化するだけでなく、今後の災害に備えた体制整備の重要性を改めて浮き彫りにするものとなりました。災害時に人命を守り、行政機能を継続させるためにも、全国の自治体が連携して耐震化への取り組みを一層強化することが求められています。

この記事の要点

  • 防災拠点施設の耐震化率は96.8%に上昇
  • 災害対策本部庁舎の耐震化率は都道府県で97.0%、市町村で92.0%
  • 市町村のうち140団体が本庁舎未耐震だが、139団体は代替庁舎が耐震済み
  • 昭和56年以前の建物のうち97.4%が耐震診断を実施済み
  • 耐震診断に基づく耐震措置率は全体で95.0%
  • 警察署の耐震措置率は70.6%と他に比べて低水準
  • 緊急防災・減災事業債の活用が耐震化推進の鍵

⇒ 詳しくは総務省のWEBサイトへ

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