2025年9月22日
労務・人事ニュース
2024年に女性労働力人口が3,157万人に増加、女性活躍推進法に基づく企業の行動計画義務化と「えるぼし」認定
- 福岡早良区エリア/未就学の医療ケア児の保育のお仕事/正看護師/週2~時短相談可/車通勤可/即日勤務可
最終更新: 2025年9月22日 00:34
- 充実の年間休日120日訪問看護師求人/車通勤可/即日勤務可/シフト
最終更新: 2025年9月22日 00:34
- 常勤・介護・福祉業界の看護師/即日勤務可/シフト
最終更新: 2025年9月22日 00:34
- 精神科特化の訪問看護/即日勤務可/シフト
最終更新: 2025年9月22日 00:34
令和7年版厚生労働白書 第2部 第2章 女性、若者、高齢者等の多様な働き手の参画(厚労省)
この記事の概要
本記事では、2024年から2025年にかけての日本における女性、若者、高齢者、障害者、外国人労働者など多様な働き手の参画促進に関する最新の政策動向と実態を詳述します。労働力人口の減少や高齢化が進む中で、多様な人材の活用は企業競争力強化の鍵となっており、各種法令改正や支援制度の充実、就労環境整備の取り組み状況を具体的な数字とともに解説します。特に女性の雇用拡大、若年層の就職支援、障害者雇用の推進、外国人労働者の受入れ体制強化について重点的に紹介し、企業の採用担当者が理解すべきポイントを網羅しています。
日本の労働市場は急速な人口減少と高齢化の影響を受け、多様な働き手の積極的な参画が不可欠となっています。まず女性の雇用状況を見ると、2024年の女性労働力人口は3,157万人で前年比33万人増加し、労働力人口比率は55.6%へと上昇しました。生産年齢人口(15~64歳)に限定すると76.1%と高い水準を維持しており、女性の雇用者数も2,830万人に達し、全雇用者に占める割合は46.2%です。
こうした背景には男女雇用機会均等法に基づく差別禁止やハラスメント対策の強化があり、2023年度にはセクシュアルハラスメント関連の相談が7,414件、妊娠・出産に関する不利益取扱いの相談が5,075件寄せられるなど、依然として課題は残りますが、都道府県労働局による迅速かつ厳正な指導や情報提供が行われています。また、母性健康管理の推進にも注力し、「働く女性の心とからだの応援サイト」の運営や「母性健康管理指導事項連絡カード」の普及促進を通じて、女性が安心して働ける環境整備を図っています。
女性の活躍推進に向けた企業支援も重要な柱であり、常用労働者101人以上の事業主には一般事業主行動計画の策定が義務付けられ、301人以上の事業主には男女賃金差異の情報公表も求められています。これにより「えるぼし」認定制度が広まり、2025年時点で多くの企業が認定取得を目指しているほか、100人以下の小規模事業主に対しても努力義務として周知啓発が進められています。
無意識の思い込みを解消するためのセミナー動画作成など、企業内の意識改革も促進されています。さらに、子育てと仕事の両立支援として全国206か所のマザーズハローワーク・マザーズコーナーが設置され、こども連れ来所可能な環境や担当者制によるきめ細かな支援が提供されています。育児休業や介護休業の制度も充実しており、男性の育児休業取得促進プロジェクト「イクメンプロジェクト」も展開されています。
高齢者の雇用確保措置も着実に進んでおり、21人以上の企業の99.9%が65歳までの定年引上げや継続雇用制度を導入しています。高年齢者の有期契約労働者の無期転換や就労支援も助成金を活用して推進されており、シルバー人材センターの会員数は約67万人に達しています。若年者の雇用情勢は改善傾向にあり、15~24歳の完全失業率は4.0%、25~34歳は3.4%と低下しています。
2024年3月卒業の大学卒業者の就職率は98.1%と過去最高水準であり、高校卒業者も98.0%と高い安定を示しています。若者の採用・育成に優れた中小企業を認定する「ユースエール認定企業」は1,413社にのぼり、若者と企業のマッチング強化に貢献しています。新卒応援ハローワークは56か所で年間約28.3万人が利用し、そのうち約8.1万人が就職決定しています。
フリーターやニートの正社員就職支援も重要視されており、2024年のフリーター数は136万人で前年より2万人増加、ニートは61万人で同じく2万人増加しています。厚生労働省は「わかものハローワーク」などで個別支援や就職後の定着支援を行い、2023年度には約9.8万人が正社員就職を果たしました。
ニート等の若年無業者に対しては地域若者サポートステーション(サポステ)が15歳から49歳までを対象に専門的な相談やプログラムを提供し、包括的な支援を継続的に実施しています。就職氷河期世代への支援も政府の重点施策であり、2023年12月には「就職氷河期世代支援に関する行動計画2024」が策定され、中高年層への支援も含めて切れ目ない支援体制が構築されています。
障害者雇用は民間企業で21年連続過去最高を更新し、2024年6月1日時点で67.7万人の障害者が雇用されています。身体障害者36.9万人、知的障害者15.8万人、精神障害者は増加傾向にあります。法定雇用率は段階的に引き上げられており、2023年度からは一般事業主で2.7%、公務部門で3.0%に設定されています。障害者雇用ゼロ企業は依然として存在し、法定雇用率未達成企業の57.6%を占めています。
国や地方公共団体でも障害者雇用が進展し、合理的配慮の提供や差別禁止の徹底が図られています。ハローワークでは障害者の職場定着支援やジョブコーチ養成、企業OBによる雇用管理サポーター派遣など多角的な支援を展開しています。障害者のテレワーク推進や職業能力開発訓練も充実し、工賃倍増計画や障害者優先調達推進法に基づく物品調達の拡大も進んでいます。
外国人労働者の受入れも重要な課題であり、2025年時点で在留資格別に最も多いのは「専門的・技術的分野」で約72万人、次いで「身分に基づく在留資格」63万人、「技能実習」47万人となっています。高度外国人材の活用促進のため、外国人雇用サービスセンターや外国人在留支援センターが全国に設置され、企業向けの支援や相談体制が整備されています。
外国人労働者の雇用管理改善に向けては、ハローワークによる訪問指導やセミナー開催、外国人雇用管理アドバイザーの配置が行われています。技能実習制度は2017年の法改正以降監理体制が強化され、2024年には育成就労制度への移行が予定されており、キャリアアップの道筋が明確化されます。外国人留学生の国内就職促進も官学連携で進められており、2033年までに留学生40万人受入れと卒業後の国内就職率6割を目標としています。
求職者支援制度では、雇用保険非適用者に対する職業訓練の受講給付金支給要件の緩和や訓練対象者の拡大が図られ、2023年度には約4.5万人が訓練を受講し、60%超の就職率を達成しています。雇用保険法の改正により週所定労働時間10時間以上の被保険者適用拡大や教育訓練支援の充実が進められ、出生後休業支援給付や育児時短就業給付も創設されました。
雇用調整助成金は2024年4月から教育訓練重視型に改正され、産業雇用安定助成金も新設されるなど、景気変動に対応した雇用維持策が強化されています。これらの施策は多様な働き方を支え、労働市場の安定化と人材の質的向上に資するものです。
この記事の要点
- 女性の労働力人口は3,157万人、労働力人口比率は55.6%に上昇し、女性活躍推進法に基づく企業の取組みが進展している
- 若年層の完全失業率は低下傾向にあり、新卒者の就職率は98%超と高水準を維持している
- 障害者雇用は67.7万人で過去最高を更新、法定雇用率は段階的に引き上げられているが、雇用ゼロ企業も依然存在する
- 外国人労働者は約180万人超が在留し、高度外国人材の活用や技能実習制度の見直しが進められている
- 育児・介護休業制度の充実や男性の育児参加促進、雇用保険法改正による被保険者範囲拡大など多様な働き方支援が強化されている
- 雇用調整助成金や産業雇用安定助成金の改正により、教育訓練を重視した雇用維持策が推進されている
⇒ 詳しくは厚生労働省のWEBサイトへ