2025年9月23日
労務・人事ニュース
令和7年7月末の米集荷量は243万トン、前年から14万トン減少
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最終更新: 2025年9月22日 22:36
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令和7年7月末現在の米穀流通の動向(集荷、販売、民間在庫)(農水省)
この記事の概要
農林水産省が発表した令和7年7月末時点の米穀流通に関する調査結果では、令和6年産米の集荷・販売数量が前年同月に比べて減少している一方、民間在庫は政府備蓄米の売渡しにより3か月連続で前年を上回る結果となりました。販売価格は前年同月より大幅に上昇し、市場構造の変化が顕著に表れています。
日本の食文化の根幹を成す「米」の流通状況は、国民の食生活はもちろん、農業経済全体に大きな影響を及ぼす重要な指標です。農林水産省が令和7年8月29日に公表した「令和7年7月末現在の米穀流通の動向」によれば、令和6年産米の集荷・販売は前年と比較して減少傾向にある一方、民間在庫は増加傾向を示し、需給のバランスに大きな変化が生じていることが明らかになりました。今回の調査は、米の出荷・販売業者および関係団体からの報告を基にまとめられ、我が国の米市場における動向を的確に捉える資料となっています。
まず、令和6年産米の集荷および販売の状況について見てみると、令和7年7月末時点における全国の集荷数量は243.2万玄米トンとなり、前年同月と比べて14.1万トン減少しました。販売数量は194.0万玄米トンで、こちらも前年同月比で14.2万トンの減少となっています。この数値には政府備蓄米の売渡し分も含まれており、その数量は集荷が14.0万玄米トン、販売が13.9万玄米トンです。これらを除外した実質的な数字としては、集荷数量は229.2万玄米トン、販売数量は180.1万玄米トンとなり、前年同月比でいずれも28.1万トンの大幅な減少となっています。これほど大きな減少幅は、国内の米需要の変化や生産調整の影響、市場価格の動向など複数の要因が重なっていることを示唆しています。
一方で、民間在庫に関しては明確な増加傾向が確認されています。令和7年7月末現在の全国の民間在庫量は、出荷・販売段階を合わせて91万玄米トンに達しており、前年同月比で9万トンの増加となりました。特に販売段階における在庫量は32万玄米トンと、前年から8万トン増えており、消費の動向に対する販売事業者側の警戒感が反映されている可能性があります。出荷段階の在庫も59万玄米トンで、前年同月比で1万トンの増加が見られました。なお、政府から売渡された備蓄米5.3万玄米トンを除外すると、民間在庫の実質量は86万玄米トンで、こちらも4万トンの増加となっています。このように、令和7年5月から3か月連続で在庫量が前年を上回っており、米市場における供給の余裕がうかがえます。
さらに注目すべきは、販売価格の上昇です。農林水産省の調査によれば、令和7年7月末における米穀販売事業者の販売数量は前年同月比で93.6%と減少していますが、販売価格は大きく上昇しており、小売事業者向けでは158.8%、中食・外食事業者等向けでは175.7%となっています。これは、販売数量の減少による単価の引き上げや、仕入価格の上昇、物流コストの増加などが影響していると考えられます。特に外食産業における仕入価格の高騰は、メニュー価格の見直しや仕入戦略の再検討を迫る要因となっており、事業者にとっては経営判断に直結する情報です。
このような価格と流通の動向は、米に関わるすべての関係者にとって重要な指標となります。農家にとっては、来季の作付面積や栽培方針の決定に影響を与えると同時に、販売価格の上昇は収益向上の好機ともなり得ます。しかしながら、販売数量の減少は市場全体の需要縮小の兆候とも読み取れるため、楽観は禁物です。また、小売業者や中食・外食産業にとっては、価格転嫁の是非や在庫管理の見直しが求められます。
特に企業の総務部門や人事・福利厚生の担当者にとっては、社員食堂や福利厚生での米利用コストの増加が今後の予算計画に影響を与える可能性があり、仕入れルートや使用量の調整が必要になる局面も想定されます。また、備蓄制度や契約栽培の活用など、長期的視点に立った安定供給の確保が今後ますます重要となっていくでしょう。
農林水産省は今後も、定期的な流通動向の把握と情報提供を通じて、安定した米の供給体制を支援していく方針です。米という日本の主食に関するデータは、消費者にとっては価格と品質の両面で生活に直結する情報であり、生産者や流通業者にとっては経営戦略を練るための根拠となるものです。今後もこうした統計データの適時適切な活用が、安定した食料供給体制の維持に不可欠となるでしょう。
この記事の要点
- 令和7年7月末現在の令和6年産米の集荷数量は243.2万玄米トンで前年より14.1万トン減
- 政府備蓄米を除くと実質集荷数量は229.2万玄米トン、前年同月比で28.1万トン減
- 販売数量は194.0万玄米トン、政府備蓄米を除くと180.1万玄米トンで同じく28.1万トン減
- 民間在庫は91万玄米トンと3か月連続で前年を上回る
- 販売価格は小売向けで158.8%、外食等向けで175.7%と大幅上昇
- 販売数量は前年同月比93.6%にとどまり、供給過剰感と価格上昇が同時進行
⇒ 詳しくは農林水産省のWEBサイトへ