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2025年9月25日

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パート時給が1,382円に上昇、前年比3.2%増で賃金改善が進展(令和7年7月速報分)

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毎月勤労統計調査 令和7年7月分結果速報 時系列第7表 時間当たり給与(パートタイム労働者)(厚労省)


この記事の概要

厚生労働省が発表した令和7年7月の毎月勤労統計調査速報によれば、パートタイム労働者の時間当たり給与は1,382円となり、前年同月と比較して3.2%の増加となりました。直近数年で着実に上昇傾向を示しており、物価上昇や人材確保を背景に賃金改善が進められている様子がうかがえます。


令和7年7月に厚生労働省が公表した毎月勤労統計調査によると、全国の事業所規模5人以上を対象としたパートタイム労働者の時間当たり給与は1,382円となり、前年同月の1,339円から43円増加し、3.2%の伸びを記録しました。これはパートタイム労働者の賃金が引き続き上昇傾向にあることを明確に示しており、人材確保や物価上昇への対応、さらには最低賃金の改定など複合的な要因によって賃金水準が押し上げられている現状が読み取れます。

時間当たり給与は、労働者に対して支払われる所定内給与を、所定内労働時間で除することで算出される指標であり、短時間労働者の実質的な賃金水準を把握するうえで極めて重要な役割を果たします。とくに近年は、柔軟な働き方を志向する人々の増加に伴い、パートタイム労働者の就業割合が拡大しています。そうしたなかでの時給上昇は、労働市場における需給バランスの変化や企業の人材確保に対する姿勢の変化を反映しています。

直近数年間の推移を見てみると、令和3年の時間当たり給与は1,223円であり、前年よりも0.8%の増加となっていました。その後、令和4年には1,242円へと上昇し、前年比1.6%の伸びを記録。令和5年には1,279円となり、前年比3.0%の上昇、そして令和6年には1,343円へと更に上昇し、前年比では4.3%の高い伸び率となっています。特に令和6年に入ってからは、月別に見ても上昇傾向が継続しており、6月時点では1,335円、7月には1,339円、8月には1,362円と続き、12月には1,379円に達しました。こうした月別データからも、年間を通して賃金上昇が途切れることなく進行していたことがわかります。

令和7年に入ってからも、時間当たり給与の上昇は継続しています。1月には1,395円と高い水準を記録し、2月は1,385円、3月には1,378円と一時的に微減したものの、全体として高止まりの傾向が維持されています。4月には再び1,369円、5月には1,384円、6月には1,385円と推移し、最新の7月速報値である1,382円に至っています。前年比の伸び率を見ると、年明け以降はおおむね3.7%から4.6%の範囲で安定的な上昇が続いており、7月速報でも3.2%の増加が確認されました。

このような賃金の推移は、企業が人材の定着を図るうえで賃金水準の見直しを強化している背景を物語っています。特に、深刻な人手不足が続く業界や地域では、賃金競争力を高めることが採用活動において不可欠となっており、結果として時間当たり給与の上昇が加速する傾向にあります。また、最低賃金の段階的な引き上げが全国的に実施されていることも、全体の賃金水準に対して下支えとして機能していると考えられます。

採用担当者にとって、このような時給のデータは極めて重要な判断材料です。自社の提示する時給が市場相場と比べて競争力を持っているかを評価するためには、こうした公的な統計を基にした比較分析が不可欠となります。特に、地域間や業種間での時給差が大きい中にあっては、自社の採用エリアでの平均時給をしっかりと把握し、それに見合った給与設定を行うことが、採用成功の鍵を握ると言っても過言ではありません。

さらに、時間当たり給与の上昇は、働く側にとっても大きなメリットをもたらします。生活費の上昇や物価の上昇に対抗する手段として、時給の増加は可処分所得の向上に直結します。これにより、家計の安定化や購買力の維持につながり、消費活動を支える基盤となります。そのため、時間当たり給与の動向は、労働政策や経済政策の効果を測る上でも重要な指標としての役割を担っているといえます。

今後、企業においては単に賃金水準を引き上げるだけでなく、労働条件の総合的な改善が求められる局面が増えていくことが予想されます。パートタイム労働者にとっても、働きやすさや柔軟なシフト制度、福利厚生の充実といった非金銭的な要素が重要視される傾向が強まっており、企業ブランドの強化や人材確保戦略の一環として、給与水準だけでなく総合的な職場環境の整備が求められる時代に移行しています。

この記事の要点

  • 令和7年7月のパートタイム労働者の時間当たり給与は1,382円
  • 前年同月からの増加率は3.2%で安定した上昇傾向を維持
  • 令和6年年間では各月ともに賃金は右肩上がりで推移
  • 令和7年上半期も1,395円を最高に高水準で推移
  • 最低賃金引き上げや人手不足が時給上昇の背景に
  • 時間当たり給与の動向は採用競争力や従業員定着率に直結
  • 地域別・業種別の相場を把握した賃金設計が今後ますます重要に
  • 物価上昇を背景とした賃金改善が家計・消費を下支えしている

⇒ 詳しくは厚生労働省のWEBサイトへ

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