2025年9月25日
労務・人事ニュース
全国で一人暮らしの死者40,913人、65歳以上は77.1%に相当(令和7年上半期)
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最終更新: 2025年9月24日 22:36
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令和7年上半期(1~6月分)(暫定値)における死体取扱状況(警察取扱死体のうち、自宅において死亡した一人暮らしの者)について(警察庁)
この記事の概要
令和7年上半期(1月から6月)において、警察が取り扱った死体のうち、自宅で死亡していた一人暮らしの方は全国で40,913体にのぼりました。これは全体の36.8%にあたる数字であり、社会的孤立や高齢化の深刻な現実を浮き彫りにしています。今後の地域社会や企業の対応が問われる重要な統計です。
警察庁が令和7年8月に発表した暫定値によれば、同年上半期に全国の警察が取り扱った死体の総数は111,036体にのぼり、そのうち自宅で亡くなっていた一人暮らしの方は40,913体と報告されています。この数字は全体の36.8%に相当し、3人に1人以上が誰にも看取られず、自宅で最期を迎えていたことを意味します。これは日本社会における高齢化、単身世帯の増加、そして孤立の深刻さを如実に示すものであり、今後の社会政策においても極めて重要な視点となる統計です。
特に注目すべきは、こうした一人暮らしの死者のうち、65歳以上の高齢者が占める割合が非常に高い点です。40,913体のうち、65歳以上の方は31,525体であり、実に約77.1%を占めています。このことから、高齢者が地域や家族とのつながりを失い、孤独のなかで命を落としている現実が見えてきます。社会全体で高齢化が進行する中で、一人暮らしの高齢者に対する見守りや地域連携の体制づくりが急務であることは明白です。
年齢階層別の内訳を見ると、85歳以上が最も多く8,315体となっており、次いで80~84歳が6,200体、75~79歳が6,906体と続いています。70歳以上の高齢者だけで全体の過半数を大きく上回っており、平均寿命の延伸とともに、独居高齢者の孤独死がより顕在化している現状が浮かび上がります。これに加えて、40代から60代といった現役世代の単身者も一定数含まれており、40~64歳の層で合計8,376体となっています。これらの層は定職に就いていても社会的なつながりが希薄である場合が多く、精神的・社会的孤立に陥っているケースが少なくありません。
また、死亡から発見までにかかる時間も深刻な問題として挙げられます。40,913体のうち、死亡後1日以内に発見されたのは15,351体にとどまり、残りの多くは数日から数か月経過してから発見されているという事実があります。具体的には、死亡から4日~7日が5,532体、15日~30日が3,707体、1か月以上~3か月未満が3,136体、さらには1年以上が164体という結果も示されています。こうした遅れは、近隣住民や親族との接点がほとんどない、または社会的支援が十分でないことが要因と考えられます。
都道府県別に見ると、東京都を含む警視庁管内が最も多く13,389体、そのうち自宅で死亡した一人暮らしの方は5,624体に達しました。これは全国最多であり、人口密度の高い都市部における社会的孤立の深刻さを反映しています。続いて大阪府が9,243体(うち自宅死亡者2,987体)、神奈川県が8,065体(同2,564体)と続き、都市部を中心に一人暮らしの死者が多く確認されています。地方部でも、人口が分散しているがゆえに孤立が見過ごされやすい実態があり、全国的な問題として捉える必要があります。
注目すべきなのは死後経過日数と年齢の関係です。65歳未満で死後4日以上経過してから発見されたケースも多く、孤立は高齢者に限った問題ではないことが明白です。若年層においても、仕事をしていない、あるいは非正規雇用で孤独を抱える人々が多く存在し、精神的な問題や経済的困窮が背景にある可能性が高いと見られます。
このような実態を受けて、地域社会では「孤独死防止対策」として、民生委員や自治体による見守り活動、高齢者向けの配食サービスや電話訪問、また企業の従業員向け福利厚生制度の中に定期的な健康・安否確認制度を組み込むなど、多様な対策が求められます。特に企業の採用担当者にとっては、社員が孤立に陥らないよう職場でのコミュニケーション環境の整備やメンタルヘルス対策を講じることが、今後の人材定着や企業イメージ向上にも直結する施策となるでしょう。
高齢者のみならず、すべての単身世帯に対する「孤立を防ぐ仕組み」が、社会の持続可能性を高める上で不可欠です。この統計から得られる教訓は、単なる数字の集計ではなく、日々の暮らしや人間関係の見直し、地域と企業の協力体制構築に対する明確なメッセージとして受け止めるべきです。
この記事の要点
- 令和7年上半期における警察取扱死体数は111,036体
- 自宅で死亡していた一人暮らしの者は40,913体で全体の36.8%
- そのうち65歳以上の高齢者は31,525体で全体の約77.1%
- 最も多い年齢層は85歳以上で8,315体
- 死後1日以内の発見は15,351体にとどまり、3か月以上経過も多数
- 東京都が最多で自宅死亡者数5,624体、大阪府が2,987体で続く
- 40代から60代の現役世代にも孤独死が広がっている傾向
- 企業においても従業員の孤立対策と見守り体制の整備が求められる
⇒ 詳しくは警察庁のWEBサイトへ