2025年9月25日
労務・人事ニュース
令和7年8月、東北のスーパーで客単価が4%上昇するも来客数は減少傾向
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最終更新: 2025年9月25日 07:01
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景気ウォッチャー調査(令和7年8月調査)― 東北(現状)―(内閣府)
この記事の概要
令和7年8月に実施された景気ウォッチャー調査によると、東北地方では観光や飲食など一部の分野で回復の兆しが見られるものの、物価高と猛暑の影響により来客数や売上の減少が続く業種も多く、地域経済の明暗が分かれる状況が続いています。
東北地方における令和7年8月の景気動向は、業種ごとに明暗が大きく分かれる状況となっています。特に観光業や飲食業では、夏休みやお盆による人の移動の活発化により一時的な盛り上がりが見られたものの、物価高や連日の猛暑によって消費行動に慎重さが増しており、全体としては回復基調にあるとは言い切れない複雑な様相を呈しています。
観光業界では、観光名所や旅館、ホテルにおいては来客数の増加が報告されており、例えば観光型旅館では前年比105%の来客数を記録し、稼働率は98%以上という高水準を保ちました。都市型ホテルでも夏休みによる家族連れの利用が増えたことで単価が上昇し、売上面での改善が見られました。旅行代理店の報告によれば、契約宿泊施設の販売額が3か月前と比べて2%改善しているとのことで、需要の持ち直しが進んでいることがうかがえます。ただし、香港からの訪日客が減少した影響や、7月にあった地震の噂が観光需要に影響を及ぼしているとする指摘もあり、インバウンド需要には依然として不安材料が残されています。
百貨店やスーパー、小売業などの小売分野では、売上や来客数にばらつきが出ています。百貨店では化粧品の売上や来客数が3か月前より増加した一方で、お中元需要は簡素化が進み前年を下回りました。スーパーでは客単価の上昇によって売上が前年を上回ったケースもありますが、来客数や買上点数の減少が指摘されており、実際には競合店の出店や販売促進策の変更などが来客数に影響を与えているという報告もあります。また、消費者の来店頻度が減少しており、物価上昇が家計に与える負担が大きくなっている様子が見て取れます。
コンビニエンスストアにおいては、夏祭りや週末の人出により飲料の売上が好調であるとの報告がある一方で、商品の値上げにより客単価が上昇したものの、来客数の減少を補いきれず売上全体としては前年を下回っているという声もあります。特に夜間や週末以外の時間帯では人の流れが鈍く、廃棄コストの増加もあって利益の確保に不安を抱える経営者も見られました。
衣料品分野では、インターンシップ準備のためのスーツ購入など一部で動きがあるものの、猛暑の影響で外出を控える傾向が続いており、来客数や売上は前年並みか、それを下回るケースが多くなっています。秋物の販売も気温の高さによって動きが鈍く、需要の先送りが懸念されています。一方で、法人需要やお中元関連の取引に支えられて一定の売上を維持している店もあるなど、需要の分散が特徴的です。
家電量販店では、気温の上昇によりエアコンの販売が好調であり、特に単価も前年より上がっているとの報告があります。また、パソコンについては現行OSのサポート終了を控えた買い替え需要が追い風となり、一定の売上を確保しているようです。ただし、テレビの販売は大きく落ち込んでおり、家電全体としてはやや改善が見られる程度にとどまっています。
飲食業では、来客数がやや増えている店舗もありますが、予約の動きはお盆を境に鈍化しており、前年同水準を維持するのがやっとという声もあります。特に、仕出し料理の価格帯に関しては、値上げによる需要の減少が顕著であり、年に一度の需要にさえ支出を抑える傾向が見られることから、日常的な消費はさらに慎重になっていると分析されています。
農林水産業では、果物需要が依然として高く、販売は好調であるとの報告があります。その他、食料品製造業や卸売業でも夏祭りやお盆の需要を追い風に、飲料や加工品の販売が伸びたとの報告がある一方、物価高騰による客単価の低下や販売数量の減少に頭を悩ませている事業者も少なくありません。特に小規模事業者では、値上げの影響が顕著に表れており、商品単価の二極化が進行しています。
建設業に関しては、受注件数は安定しているものの、資材価格の高騰により採算が取れない案件も見られる状況です。一部では民間案件のまとまった受注があったとの報告もありましたが、全体としては高コスト構造が事業計画にブレーキをかける要因となっています。また、リフォーム業界では異常気象によって屋外工事の中断や延期が相次いでおり、夏季特有の需要の波に左右されやすい状態が続いています。
雇用関連では、人材派遣会社からの報告によると、業績が安定しているにもかかわらず人手不足が慢性化しており、求人媒体やハローワークを利用しても応募が集まらないという声が寄せられています。特にフルタイムで働ける求職者が減少しており、8月に入ってからは求人数・求職者数ともに停滞感が強まっていると報告されています。また、アウトソーシング企業では、給与の上昇に伴う社会保険料負担の増加が企業経営に影響しており、収益の確保が困難になっているケースもあります。求人情報誌の発行部数や掲載企業数も横ばい、あるいは減少傾向にあり、地域全体の企業活動が本格的に活性化しているとは言い難い状況です。
以上のように、東北地方における8月の経済動向は、部分的な好調を示す業種がある一方で、物価高と猛暑、そして長引く消費者の節約志向が景気の回復を鈍らせている要因となっています。企業にとっては、こうした経済環境下において、採用活動や設備投資の戦略を再考し、持続可能な経営を目指す姿勢が求められています。地域経済の動向を丁寧に見極め、現場の声に真摯に耳を傾けることで、次の一手を打つための材料とすることが必要です。
この記事の要点
- 観光業では夏休みに伴い来客数と稼働率が上昇
- 百貨店やスーパーでは売上と来客数にばらつきがある
- 猛暑と物価高が消費行動に大きく影響している
- 一部家電や飲料品は販売好調だが、全体的に消費は慎重
- 求人市場では人手不足と応募減が同時進行
- 建設業は受注安定も高コストで採算に課題あり
- 飲食業では仕出し需要の低価格化が進行中
- 家計の負担増が景気回復の足かせに
⇒ 詳しくは内閣府のWEBサイトへ