2025年9月26日
労務・人事ニュース
2025年8月、北陸の合同企業説明会の求人数は増加するも求職者数が減少しマッチ率低下
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最終更新: 2025年10月2日 04:35
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最終更新: 2025年10月1日 19:30
景気ウォッチャー調査(令和7年8月調査)― 北陸(現状)―(北陸)
この記事の概要
2025年9月に公表された景気ウォッチャー調査によると、北陸地域では一部業種で回復の兆しが見られるものの、依然として物価高騰や猛暑の影響が幅広い分野に影を落としています。節約志向の強まりや人手不足の深刻化など、地域経済の実情を事実に基づいて丁寧に解説します。
2025年8月時点での北陸地域の経済状況は、業種や分野によって明暗が分かれる複雑な様相を呈しています。全体としては、猛暑や物価高の影響が消費行動に大きな影響を与えており、多くの業種で売上や来客数の伸び悩みが報告されています。とりわけ小売業やサービス業においては、消費者の節約志向の強まりが如実に表れ、購買単価や頻度が抑制される傾向が顕著です。
スーパー業界では、夏のピークとなるお盆時期において新型コロナウイルス感染拡大以前の水準に戻ったとする声もある一方で、日中の猛暑によって来店者数が減少し、売上の伸びは限定的でした。節約志向が強まる中、即食商品や総菜類の販売が好調であることから、内食・中食需要の高まりが見て取れます。また、朝と夜に来店が集中する傾向も観測されており、日中の猛暑による消費行動の変化が商機を左右しています。
コンビニエンスストアにおいても、高単価商品の売れ行きが微増する一方で、粗利からロイヤリティを支払う事業構造により、売上が1.5倍に増加しないと経営が成り立たないという深刻な課題が露呈しています。最低賃金の引き上げや電気代の高騰が利益を圧迫しており、10年前の収益水準には遠く及ばないという声も聞かれました。来客数が一時的に増加した店舗では、近隣店舗の改装など外的要因が主で、根本的な需要回復とは言い難い状況です。
衣料品販売においては、セール品の動きが良好であることから、消費者が価格に敏感であることが浮き彫りになりました。ただし、猛暑が続いている影響で秋物衣料の動きが鈍く、消費マインドの低下も加わり、衣料全体の売上は低調です。百貨店では、前年に実施された大型催事の反動減が響いており、代替イベントでは集客効果が不十分との報告がありました。それでも、高額品を扱う外商部門や秋物の新商品販売では前年実績を上回る動きもあり、価格帯による二極化が進んでいることがうかがえます。
飲食業では、お盆や長期休暇に伴う帰省客の増加で、レストランの昼夜の来客数が活発となる傾向がありました。しかし、猛暑による外出控えも相まって、業態によって売上への影響に差が出ています。スナックなど夜間営業が中心の業種では、来客数が激減し、開店休業状態の日もあるなど厳しい経営環境に直面しています。一方、タクシー業界では、猛暑や豪雨による公共交通機関の停止により、タクシー需要が一時的に急増しました。特にお盆期間中は帰省客や観光客による利用が多く、団体客の動きも引き続き堅調であるとのことです。
観光業では、夏休み期間中に観光型旅館で例年並みの集客が報告されたものの、都市型ホテルではビジネス・レジャー双方の個人客予約が低調で、宿泊・宴会・レストラン部門の売上が前年を下回っているという厳しい声が寄せられています。価格転嫁の限界や節約志向の継続により、コストパフォーマンスの高い企画のみが消費者に選ばれている状況であり、事業者には柔軟かつ創意ある商品開発が求められています。
住宅関連産業においては、資材価格と人件費の高騰が続き、契約数の減少や商談期間の長期化といった営業上の課題が顕著となっています。建築資材の高騰や不透明な経済情勢により、住宅購入をためらう消費者が増加しており、展示場の新規来場者数も減少傾向にあるとのことです。販売量そのものは前年並みを維持するものの、将来的な需要の先細りが懸念されています。
自動車販売業界では、新車の販売が伸び悩む一方で、車検や整備のニーズが増加しており、売上の構造が変化しています。中古車については価格上昇による一定の売上確保があるものの、数量や利益率の低下が継続しており、今後も厳しい市況が続くと見込まれています。消費者は本当に必要なものにのみお金を使う傾向を強めており、嗜好品や高価格帯商品は売れ行きが鈍化しています。
製造業や建設業の一部では明るい兆しもあります。電気工事では大型案件の受注により、今期の受注目標金額をほぼ達成した事例が報告されており、既存人員ではこれ以上の受注が難しいというほどの稼働状況となっています。また、電気機械器具製造業では具体的な新規案件の問合せや引き合いが増加しており、営業活動の活性化が見られています。株価の上昇に連動して企業の設備投資意欲が高まっていることも、通信関連業種などにとって追い風となっています。
雇用環境については、有効求人倍率が前年同月比で徐々に低下しており、求人はあるものの求職者が減少するというミスマッチが生じています。高齢者層では物価高騰の影響を受けて働く意欲が見られるものの、合同企業説明会における求職者数の減少やマッチング率の低下が、企業の採用活動にとって大きな課題となっています。特に美容業界では人手不足が深刻化しており、ここ3年間新卒入社がないという事業所も存在し、今後の事業継続に不安を感じる声が上がっています。
2025年9月時点での北陸地域の経済情勢は、猛暑や物価高といった外部環境の変化に左右される一方で、業種ごとの回復の足並みがそろわず、対応の難しさが浮き彫りとなっています。企業の採用担当者にとっては、限られた人材リソースをいかに的確に確保し、激変する市場環境に柔軟に対応していくかが、今後の企業競争力を左右する重要な経営課題となるでしょう。
この記事の要点
- スーパーやコンビニで即食・中食需要が拡大しつつある
- 衣料品や百貨店では猛暑と節約志向で売上が低調
- 観光型旅館は例年並みの集客を維持するも都市型ホテルは苦戦
- 建設業では大型受注で受注目標を達成した事例もあり一部明るい動き
- 自動車販売業では新車が不調だが整備や車検の需要が増加
- 住宅販売は資材高と不透明な景気で商談が長期化し来場者減少
- 求人はあるが求職者が減少しマッチングが難航している
- 美容業界では3年連続で新卒入社ゼロ、深刻な人手不足に直面
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