2025年9月27日
労務・人事ニュース
令和7年8月の甲信越地域で新規求人数が13か月連続で前年同月比減少と明らかに
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最終更新: 2025年9月26日 09:35
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景気ウォッチャー調査(令和7年8月調査)― 甲信越(先行き)―(内閣府)
この記事の概要
令和7年8月に実施された甲信越地域の景気ウォッチャー調査では、観光業や一部の製造業で回復の兆しが見られる一方、小売や飲食業では物価高の影響が長引き、消費者の節約志向が根強く残っていることが明らかになりました。また、雇用分野では新規求人数が13か月連続で減少し、人件費やコスト増に悩む企業が採用に慎重になるなど、雇用環境の厳しさが際立っています。
令和7年8月の景気ウォッチャー調査によると、甲信越地域では、業種ごとに異なる景況感が浮かび上がっています。観光業界では、秋の観光シーズンに向けた予約状況が好調で、タクシー業や都市型ホテルの関係者からは、先行きに対する期待感が表明されました。とりわけ都市型ホテルでは、物価高にもかかわらず消費者の支出意欲が回復しつつあるとの声があり、9月には例年比で80%以上の売上がすでに確定しているという報告も見られました。涼しい気候を求めて信州へ避暑を兼ねて訪れる旅行客も多く、観光型旅館や旅行代理店では夏の需要の高さが業績を押し上げています。
サービス業の一部、例えば葬祭業では、永代供養墓の依頼が増加し、供養や葬儀に対する人々の意識が変化してきているとの見解が示されました。また、乗用車販売業界では、新型車イベントの開催が集客増加につながり、販売が伸びるという見通しも報告されています。自動車備品業界でも、冬物商品の商戦本番に向けて来客数と客単価が増加するとの期待が寄せられており、一部分野では明るい兆しが見られます。
一方で、小売業や飲食業では、物価上昇が依然として重くのしかかっており、景況感は芳しくありません。百貨店関係者からは、猛暑による影響で秋物衣料の動きが鈍化し、消費者心理も慎重なままであるという指摘がありました。コンビニやスーパーでも、来客数や購買点数の減少が続いており、売上の維持が難しいとの声が相次いでいます。特に米や食料品の価格が高止まりしており、消費者の支出抑制傾向がさらに強まっています。これにより、買い控えが続き、価格転嫁が進みにくい状況が中小企業の経営を圧迫しています。
飲食業界も例外ではなく、一般レストランや高級レストランでは、農作物の価格や収穫状況に大きく左右されるとしており、例年9月は夏の反動で売上が落ちると見込まれています。カフェなどの軽飲食店でも、人件費や原材料費の高騰により経営環境が厳しさを増しており、今後の価格改定やサービス維持に苦慮している実態が浮かび上がっています。特に最低賃金の改定が進む中で、賃金上昇が消費に結び付かず、経費だけが膨張するという不安の声が多く聞かれました。
製造業については、業種によって好不調の差が顕著です。金属製品製造業では、半導体市場の回復を背景に、先行きが明るいとの意見が出されています。電気機械器具製造業では、エアコンなどの猛暑対策商品は好調ながら、それ以外の家電製品は価格競争が激しく、収益性に課題を抱えている状況です。また、食料品製造業では、ワインなどの嗜好品の需要が減少傾向にあるとされており、生活必需品に支出が集中する構造が続いています。さらに、輸出関連では、米中の関税政策が日本企業に与える影響が懸念され、輸出依存度の高い業種では受注環境の先行きに不透明感が漂っています。
建設業では、工事量と単価が回復基調にある一方で、資材費や人件費の高騰が利益を圧迫しており、業績回復には至っていないとの声がありました。不動産関連では、住宅需要の停滞が報告されており、新築販売やリフォーム需要の鈍化が業績を直撃している状況です。さらに出版・印刷業などでは、光熱費や燃料費、資材費の上昇により採算が取れず、毎月の資金繰りに苦慮している企業も見受けられました。
雇用に関しては、職業安定所の報告によると、新規求人数は前年同月比で13か月連続の減少となっており、労働市場における採用意欲の低下が続いていることが分かりました。最低賃金の大幅改定や物価高騰などが影響し、企業は人件費の上昇に対応しきれず、新規採用を控える傾向にあります。特に中小企業では、値上げが消費者に受け入れられにくく、採算が悪化しているため、求人を出しても人手を確保しきれないという悪循環が広がっています。派遣業界でも、求人の依頼件数が減少傾向にあり、企業側の増産意欲が抑制されていることが背景にあります。
このように、甲信越地域では、観光や一部の製造業を除き、物価高、人件費上昇、需要の鈍化といった要因が複合的に重なり、経済全体の回復にはまだ時間がかかるとの見方が強まっています。特に雇用や採用の分野では、長引く不透明感が企業の採用活動を慎重にさせており、求職者にとっても選択肢が限られる厳しい状況が続いています。企業には、限られた人材の中から優秀な人材を確保し、長期的な育成を視野に入れた戦略的な人事計画が求められており、単なる人手不足対策にとどまらない持続可能な採用体制の構築が急務といえるでしょう。
この記事の要点
- 観光業では秋の予約状況が好調でホテルでは9月売上の80%以上が既に確定
- 小売や飲食業では物価高と購買意欲の低下により売上は横ばいか減少傾向
- 製造業では半導体関連で回復基調が見られる一方で家電や嗜好品は苦戦
- 建設業では工事単価は改善も資材・人件費高騰で利益確保が難航
- 雇用分野では新規求人数が13か月連続で前年同月比減少と報告
- 最低賃金改定により中小企業が求人を控える傾向が強まっている
- 採用活動は慎重化し、求人の多くが退職補充目的で積極的採用が減少
⇒ 詳しくは内閣府のWEBサイトへ