2025年9月28日
労務・人事ニュース
事業所規模30人以上 製造業 令和7年3月製造業の全国常用労働者数591.8万人と労働時間・給与の最新動向
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最終更新: 2025年9月26日 23:02
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毎月勤労統計調査地方調査 令和7年3月分結果概要 事業所規模30人以上 製造業(厚労省)
この記事の概要
令和7年3月に実施された厚生労働省の毎月勤労統計調査地方調査(事業所規模30人以上、製造業)では、全国および各都道府県別の常用労働者数や労働時間、出勤日数、給与総額などが詳細に報告されています。これらのデータは企業の労務管理や賃金政策の参考となる重要な指標であり、地域ごとの労働環境や賃金水準の違いを把握することができます。この記事では、調査結果の内容を丁寧に解説し、採用担当者が理解すべきポイントをわかりやすくまとめています。
令和7年3月分の毎月勤労統計調査地方調査は、事業所規模30人以上の製造業を対象として行われました。この調査は、全国および47都道府県別に常用労働者数、総実労働時間、所定内労働時間、所定外労働時間、出勤日数、現金給与総額、きまって支給する給与、所定内給与、特別給与の各項目について集計されており、労働市場の動向を多角的に分析できる貴重な資料です。
まず、全国の常用労働者数は約591.8万人であり、平均総実労働時間は154.7時間、そのうち所定内労働時間が139.6時間、所定外労働時間が15.1時間となっています。出勤日数は18.2日で、現金給与総額は375,531円、きまって支給する給与は347,952円、所定内給与は311,972円、特別給与は27,579円という結果でした。これらの数字は全国の製造業における一般的な労働条件と賃金水準を示しており、企業の賃金設定や労働時間管理の基準として活用可能です。
地域別に見ると、北海道の常用労働者数は118.6万人で、総実労働時間は150.2時間、所定内労働時間135.8時間、所定外14.4時間、出勤日数18.6日、現金給与総額285,305円、きまって支給する給与256,037円、所定内給与229,634円、特別給与29,268円となっています。東北地方の青森、岩手、宮城、秋田、山形、福島もそれぞれ特徴的な数値を示しており、例えば秋田県は現金給与総額が332,385円と高めである一方、特別給与が49,644円と突出しています。これは地域の産業構造や労働慣行の違いを反映していると考えられます。
関東地方では、茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川の各県が含まれており、特に東京都は常用労働者数307.7万人、総実労働時間148.4時間、所定内134.9時間、所定外13.5時間、出勤日数17.6日、現金給与総額583,110円、きまって支給する給与445,916円、所定内給与414,366円、特別給与137,194円と全国でも際立った高水準を示しています。これは首都圏の経済規模や生活費の高さ、専門性の高い職種の多さが影響していると推察されます。一方、埼玉や千葉は東京都に比べて給与水準は低いものの、労働時間や出勤日数はほぼ同等であり、地域間の賃金格差が明確に表れています。
中部地方の愛知県は常用労働者数644.6万人と非常に多く、総実労働時間160.2時間、所定内142.0時間、所定外18.2時間、出勤日数18.7日、現金給与総額401,174円、きまって支給する給与386,912円、所定内給与337,045円、特別給与14,262円となっており、自動車産業を中心とした製造業の盛んな地域特有の労働環境が見て取れます。岐阜や静岡、三重など周辺県も似た傾向を示し、労働時間が長めであることが特徴です。
近畿地方では大阪府が常用労働者数338.0万人、総実労働時間151.4時間、所定内138.3時間、所定外13.1時間、出勤日数17.9日、現金給与総額389,139円、きまって支給する給与358,746円、所定内給与326,830円、特別給与30,393円と比較的高い給与水準を維持しています。兵庫や京都も同様に安定した数値を示しており、地域の経済力と連動した賃金体系が伺えます。
中国・四国地方では広島県が総実労働時間159.5時間、所定内141.7時間、所定外17.8時間、出勤日数18.3日、現金給与総額374,124円と高めの労働時間と給与を記録しています。香川県や徳島県などは労働時間がやや短めですが、給与水準は一定の水準を保っています。九州地方では福岡県が常用労働者数173.1万人、総実労働時間155.9時間、所定内140.1時間、所定外15.8時間、出勤日数18.5日、現金給与総額327,560円と、他の主要都市圏に比べるとやや控えめながらも安定した労働環境を示しています。
沖縄県は常用労働者数16.3万人、総実労働時間153.2時間、所定内143.1時間、所定外10.1時間、出勤日数19.1日、現金給与総額256,677円と、全国平均より労働時間はほぼ同等ですが、給与水準は低めであることが特徴です。これは地域の経済状況や産業構造の違いによるものと考えられます。
このように、令和7年3月の調査結果からは、地域ごとに労働時間や給与に大きな差異が存在することが明確に読み取れます。特に給与面では、東京都が突出して高く、次いで愛知、大阪、神奈川などの大都市圏が続いています。一方で、地方の県では給与水準が抑えられているケースが多く、特別給与の割合にも地域差が見られます。労働時間に関しては、全体的に所定内労働時間が140時間前後で安定しているものの、所定外労働時間には地域差があり、特に愛知県や岐阜県などでは18時間を超える長時間労働が確認されます。
また、出勤日数は全国平均で18.2日ですが、地域によっては19日近くになるところもあり、勤務日数の違いも労働条件の一端を示しています。これらのデータは、企業が地域別の労働環境を踏まえて適切な人材配置や賃金設計を行う上で不可欠な情報となります。さらに、労働時間の管理や残業削減策の検討にも役立つため、採用担当者や人事労務担当者は本調査の結果を十分に活用することが望まれます。
今回の調査は、全国の数値が毎月勤労統計調査全国調査の結果であり、都道府県別の数値は地方調査の平均や合計ではない点に注意が必要です。地方調査は各都道府県が独自に集計・公表しており、本調査は厚生労働省がそれらを取りまとめて掲載しています。詳細な結果や個別の質問については、各都道府県の統計主管課に問い合わせることが推奨されています。
総じて、令和7年3月の製造業における労働時間と賃金の実態は、地域差が顕著であり、特に大都市圏と地方の格差が浮き彫りになっています。企業はこれらのデータを基に、地域特性を考慮した柔軟な労務管理や賃金政策を展開することで、労働者の満足度向上や優秀な人材の確保につなげることが期待されます。
この記事の要点
- 全国の常用労働者数は約591.8万人、平均総実労働時間は154.7時間、現金給与総額は375,531円であった
- 東京都の現金給与総額は583,110円と全国で最も高く、特別給与も137,194円と突出している
- 愛知県は常用労働者数が多く、総実労働時間が160.2時間と長時間労働の傾向がある
- 地方では給与水準が低めで、特別給与の割合にも地域差が見られる
- 出勤日数は全国平均18.2日だが、地域によっては19日に近い場合もある
- 労働時間は所定内で140時間前後に安定しているが、所定外労働時間には地域差がある
- 調査結果は企業の賃金設計や労務管理に重要な指標となる
⇒ 詳しくは厚生労働省のWEBサイトへ