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2025年10月3日

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外国法人が取得した森林は全国の0.003%、令和6年の取得面積は382haにとどまる

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令和6年に外国法人等により取得された森林は全国の私有林の0.003%(林野庁)


この記事の概要

農林水産省は、令和6年に外国法人等が取得した森林面積が全国の私有林面積の0.003%にあたる382ヘクタールであったと発表しました。平成18年からの累計は10,396ヘクタールに達するものの、大幅な増加傾向は見られておらず、森林法と関係法令に基づいた厳格な管理が継続されています。


令和6年における外国法人や外国人による森林の取得状況について、農林水産省が最新の調査結果を公表しました。調査によると、同年に取得された森林の総面積は382ヘクタールで、これは全国にある私有林全体の約1,431万ヘクタールに対して0.003%という極めて低い割合となっています。また、平成18年以降の累計取得面積は10,396ヘクタールであり、割合にすると全国の私有林の0.07%にとどまっており、大幅な増加傾向は見られていません。

調査は森林法や国土利用計画法、不動産登記法に基づき、全国の自治体から収集された届出情報をもとに行われました。その中で、居住地が海外にある外国法人または外国人による取得は48件、面積は171ヘクタールで、取得目的として最も多く見られたのは資産保有でした。地域別に見ると、北海道で最も多くの事例が確認され、富良野市、蘭越町、ニセコ町、倶知安町などの人気観光地や別荘地に集中している傾向が顕著です。取得者の住所地としては、香港、シンガポール、アメリカ、タイ、マカオなどが挙げられました。

取得目的については、多くが資産保有であるものの、一部では太陽光発電や宅地造成、別荘建築、道路開発、自己居住、工場建設など多様な利用目的も確認されました。特に北海道白糠町での93ヘクタールという大規模な太陽光発電目的の取得は注目すべき事例といえます。一方で、地下水の採取や取水を目的とした開発などは報告されておらず、水資源に対する直接的な影響は確認されていません。

また、国内に拠点を置きながら実質的に外国資本が関与している外資系企業による森林取得も報告されており、こちらは令和6年だけで37件、合計211ヘクタールにのぼりました。平成18年から令和6年までの累計では379件、7,352ヘクタールが取得されています。これらの企業は、出資比率や役員構成などにより外国の影響が強いと判断された法人であり、その活動もまた資産保有やエネルギー関連、住宅開発など多岐にわたっています。

農林水産省は、森林法の適切な運用により森林の保全と管理を推進していく姿勢を明確にしており、安全保障上重要な施設周辺での取得に対しては、重要土地等調査法に基づく調査との連携を強化する方針です。特定の地域における外国法人等の土地取得が地域社会や環境へ及ぼす影響に配慮しながら、国としての主権と資源の保全を両立させる取り組みが今後も求められることになります。

ちなみに、米国では外国法人や外国人による森林所有の割合は5.0%に達しており、日本の0.07%と比較するとその差は歴然としています。これは、法制度や土地に対する考え方の違いに起因するものであり、国際比較の観点からも日本の現行制度が慎重かつ保守的な姿勢を維持していることがうかがえます。今回の公表内容は、外国による森林取得に対する不安を過度に煽るのではなく、冷静なデータに基づいた理解を促すものであり、政策立案や地域行政にも有用な資料といえるでしょう。

この記事の要点

  • 令和6年に外国法人等が取得した森林は382ヘクタールで私有林の0.003%にとどまる
  • 平成18年からの累計取得面積は10,396ヘクタールで私有林全体の0.07%
  • 北海道での取得事例が最多で、資産保有目的が中心
  • 太陽光発電や別荘開発、住宅分譲など多様な目的で取得されている
  • 地下水採取を目的とした事例は確認されていない
  • 米国では外国による森林所有は5.0%であり、日本とは大きな差がある
  • 重要施設周辺の取得には調査法と連携し、国が適切に対応

⇒ 詳しくは林野庁のWEBサイトへ

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