2025年10月17日
労務・人事ニュース
建設業の定期支給額36万8570円、前年比1.7%の上昇に留まる(毎月勤労統計調査 令和7年7月分結果確報)
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毎月勤労統計調査 令和7年7月分結果確報 第1表 月間現金給与額(厚労省)
この記事の概要
令和7年7月の毎月勤労統計調査によると、全国の労働者に支払われる「きまって支給する給与」は全体で前年同月比2.1%の増加となり、業種別に見ると鉱業や製造業などで4%台の上昇が確認されました。賃金の安定的な支給額が上昇傾向にある中、企業の賃上げ姿勢や雇用環境の変化が浮き彫りとなっています。
厚生労働省が公表した毎月勤労統計調査の結果によれば、令和7年7月における事業所規模5人以上の事業所において支払われた「きまって支給する給与」は、全国平均で289,946円となり、前年同月と比較して2.1%の増加が見られました。この「きまって支給する給与」とは、月々の基本給や手当など、定期的に支払われる給与部分を指し、企業が従業員に安定的に提供する報酬の中核を担うものです。
調査産業全体では上記のように緩やかな賃上げが進む中、業種ごとの動向には明確な違いが表れています。たとえば、鉱業・採石業などの分野ではきまって支給する給与が354,920円となり、前年比4.0%の増加を記録しました。同様に、製造業でも340,212円で同じく4.0%の伸びを示しており、エネルギーやインフラ、製造分野における労働力確保のための報酬改善が進められていることがうかがえます。
建設業では368,570円と比較的高い水準にありながら、前年比の上昇率は1.7%にとどまっており、これは他業種と比較して上昇ペースが緩やかであることを意味しています。一方、医療・福祉分野では270,122円で、前年比2.8%の上昇と堅調な伸びを見せており、慢性的な人手不足に対応するかたちで給与の引き上げが進められていると考えられます。
金融・保険業においては426,566円と高い水準の給与が支給されており、前年比でも6.3%の増加という大きな伸びを見せました。この分野ではデジタル化やフィンテック分野の発展に伴い、高度なスキルを持つ人材の獲得競争が激化していることが背景にあると見られます。さらに、不動産・物品賃貸業でも338,786円が支給されており、前年比3.8%の上昇が確認されました。これは不動産市況の回復や、賃貸管理業務の高度化に対応するための人材への報酬改善が影響していると推察されます。
一方、比較的給与水準が低い業種としては、飲食サービス業等が挙げられます。ここでは132,559円がきまって支給されており、前年比は0.9%の上昇と控えめな結果となっています。人材確保が課題となる業種にもかかわらず、給与改善のスピードは他業種に比べて限定的であり、労働市場での競争力に課題が残る可能性があります。
情報通信業については、デジタル化社会を背景に高い賃金水準が維持されており、422,734円という水準で前年比2.0%の上昇が記録されました。技術職や開発職などの専門人材を対象とした市場では、一定の賃上げ圧力が反映されていると見られます。
業種別に見ると、報酬の水準とその変化は多様であり、企業ごとの賃金戦略や人材ニーズの差が顕著に現れています。また、30人以上の事業所に限定した場合、きまって支給する給与の全国平均は324,962円となっており、規模が大きい企業ほど報酬水準が高く、前年比2.4%の上昇という結果でした。これは、大企業が人材確保と定着を意識した賃上げを進めている傾向を反映しているものと考えられます。
今後も物価上昇や労働力不足への対応が求められる中で、安定的に支給される給与の水準は企業にとって重要な経営指標となります。採用市場においても、こうしたきまって支給する給与の上昇傾向は求職者の関心を引く要素となり、企業間での報酬競争はさらに活発化することが予想されます。
この記事の要点
- きまって支給する給与の全国平均は289,946円
- 前年同月比では2.1%の増加で安定的な賃上げ傾向
- 鉱業・採石業と製造業で前年比4.0%の上昇
- 建設業では368,570円と高水準ながら伸び率は1.7%
- 金融・保険業で前年比6.3%の上昇、支給額は426,566円
- 飲食サービス業では132,559円で前年比0.9%の控えめな上昇
- 事業所規模30人以上では平均324,962円、前年比2.4%増
- 情報通信業や不動産業でも安定した賃上げが進行中
- 業種ごとの賃金格差が鮮明に表れた結果となった
⇒ 詳しくは厚生労働省のWEBサイトへ