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2025年10月24日

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令和7年8月秋田県の有効求人倍率1.22倍

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秋田県内の雇用情勢(令和7年8月)(秋田労働局)


この記事の概要

令和7年8月に公表された秋田県の有効求人倍率は1.22倍と、全国平均の1.20倍を上回り東北地方でも3位となりました。本記事では、秋田県の雇用情勢を統計に基づいて分析し、企業の採用担当者がこの数値をどのように捉え、採用活動を効果的に進めるべきかについて詳しく解説します。


秋田県における令和7年8月の有効求人倍率(受理地、季節調整値)は1.22倍となり、前月比で0.01ポイント上昇しました。全国平均の1.20倍をやや上回り、全国順位としては23位に位置づけられています。就業地ベースで見ても1.35倍と高めであり、特に県北地域では1.59倍と求人が求職者数を大きく上回る傾向が見られました。一方で中央地域は1.21倍、県南は1.21倍とやや落ち着いた水準であり、地域ごとの求人需要には明確な差異が存在します。このような状況を企業の採用担当者がどう読み解くかが、採用成功の鍵を握ります。

秋田県全体の新規求人数は6,546人で、前年同月比では374人減少し2か月連続の減少となりました。特に建設業は2.5%減、製造業は9.8%減、卸売・小売業は12.2%減と減少傾向が続いています。これは物価高騰や受注減、人口減少による市場規模縮小など複合的な要因が影響していると考えられます。一方で宿泊業・飲食サービス業は21.1%増、運輸業・郵便業は15.1%増と顕著な増加が見られました。インバウンドや観光需要の回復、物流需要の高まりが背景にあると推察されます。このように業種ごとの求人動向が二極化していることは、採用担当者にとって自社の業界特性を踏まえた戦略的判断を求める重要なサインです。

有効求職者数は15,104人で前年同月比0.7%増加しました。中でも離職者は1,699人と前年より116人増加しており、そのうち事業主都合による離職が24.9%増と目立ちます。これは企業側の経営環境悪化や人件費削減圧力の影響を反映している可能性があります。他方で65歳以上の新規求職者も10.6%増えており、高齢者の労働市場参加が着実に進んでいることも統計に表れています。企業としては、定年後の人材をどう活用するかが喫緊の課題と言えるでしょう。

就職件数は1,048件で前年同月比9.5%減少しました。特に45歳以上の中高年層の就職件数が減少しており、人材のミスマッチが顕在化しています。求人は存在するものの、求職者のスキルや希望と合致せず採用に至らないケースが増えているのです。採用担当者にとっては、求人の打ち出し方や訴求力を見直す必要があり、即戦力人材に加えてポテンシャル採用やリスキリング支援を組み合わせることが求められます。

産業別の特徴に目を向けると、介護や福祉分野は有効求人倍率が高水準で推移しており、慢性的な人手不足が続いています。特に介護サービス職種では倍率が2.14倍、看護師など医療職も1.67倍と高い水準です。こうした分野は求職者確保が難しいため、待遇改善や働きやすさの見える化、さらには地域に根差した採用活動が不可欠です。一方で事務職は0.5倍と依然として供給過多であり、倍率の低さが際立っています。つまり、ホワイトカラー系の職種は求人に対して求職者が多い状況が続いており、採用担当者は求職者側に有利な状況を踏まえて応募者選考に慎重さを求められるでしょう。

こうした全体像から見えてくるのは、秋田県の雇用情勢が「持ち直しの動きに弱さが広がっており、物価上昇等の影響で一部に厳しさがみられる」という指摘です。採用担当者にとって重要なのは、この「弱さ」がどの産業や地域に現れているのかを見極める力です。例えば県北地域では就業地ベースで1.59倍と高い一方で、県南は1.21倍にとどまっています。つまり、同じ県内であっても採用難易度に差があり、拠点戦略や募集媒体の選択に工夫が求められます。

さらに注目すべきは企業規模別の求人動向です。1000人以上の大企業では新規求人数が前年比150%増と大きく伸びているのに対し、29人以下の小規模事業者では9%減少しています。大手は資本力を背景に積極採用を進める一方で、中小企業は採用抑制に動いていることが浮き彫りになっています。採用担当者は競合環境を意識し、特に中小企業の場合は「採用力の差」を埋めるために地域コミュニティや教育機関との連携、柔軟な勤務形態の導入など差別化施策を講じる必要があります。

結論として、有効求人倍率1.22倍という数値は一見すると堅調に見えますが、その裏側では業種・地域・企業規模ごとに大きな乖離が存在します。採用担当者は単に倍率の上下動を見るのではなく、そこに含まれる構造的変化を洞察する姿勢が求められます。そして、自社が直面する採用課題を正確に把握し、柔軟な戦略を組み立てることこそが、持続可能な採用成功につながるのです。

この記事の要点

  • 秋田県の有効求人倍率は令和7年8月に1.22倍で全国平均を上回った
  • 業種ごとに求人動向が二極化し、製造業・小売業は減少する一方で宿泊業や運輸業は増加した
  • 高齢者や離職者の求職が増加し、多様な人材層をどう活用するかが課題となっている
  • 地域別では県北が高倍率、県南や中央はやや低く、採用難易度に差がある
  • 大企業は積極採用、中小企業は採用抑制傾向にあり競合環境を踏まえた戦略が必要

⇒ 詳しくは秋田労働局のWEBサイトへ

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