2025年10月24日
労務・人事ニュース
令和7年8月山形県有効求人倍率1.25倍と正社員採用減少に備える雇用施策
- 臨床検査技師/福岡県/筑後市
最終更新: 2025年10月24日 06:33
- 臨床検査技師/福岡県/糸島市
最終更新: 2025年10月24日 06:32
- 診療放射線技師/中央区/福岡県
最終更新: 2025年10月24日 06:33
- 臨床検査技師/福岡県/博多区
最終更新: 2025年10月24日 06:33
最近の雇用情勢について(令和7年8月内容)<新規学卒者を除く>(山形労働局)
この記事の概要
令和7年8月の山形県における有効求人倍率は1.25倍で、前月を0.04ポイント下回りました。新規求人数は前年同月比で11.4%減少し、雇用情勢には弱さが見られます。採用担当者にとっては、求人倍率の低下や産業ごとの求人数減少を踏まえ、戦略的な人材確保が求められる状況となっています。
令和7年8月の山形県内の有効求人倍率は1.25倍となり、前月から0.04ポイント低下しました。前年同月比でも0.10ポイント下がっており、正社員に係る有効求人倍率も1.12倍と前年同月から0.05ポイント減少しています。新規求人倍率も1.87倍となり、前月から0.19ポイントの低下が見られました。これらの数値から、山形県における雇用情勢は依然として回復の兆しを見せつつも、その足取りには弱さが残されていることがわかります。さらに新規求人数は7,240人で前年同月比11.4%の減少、4か月連続のマイナスとなり、特に建設業、製造業、卸売・小売業、宿泊業や医療・福祉といった幅広い産業で軒並み減少傾向が続いています。
企業の採用担当者にとって有効求人倍率の数値は、単に労働市場の需給関係を示す指標にとどまらず、自社の採用戦略を見直すうえで不可欠な情報です。1.25倍という数値は、求職者1人に対して1.25件の求人が存在する状態を意味します。これは求人が求職を上回っている「売り手市場」であることを示しており、人材獲得競争が依然として激しい状況にあるといえます。ただし、その一方で新規求人数や就職件数は減少傾向にあり、採用活動を進める企業にとっては「人材は必要だが採用に結びつきにくい」という二重の課題が存在します。
具体的な産業別の状況を見ると、建設業では前年同月比7.3%減、製造業は10.7%減、卸売・小売業では21.2%減、宿泊業・飲食サービス業も21.9%減と顕著な落ち込みが見られました。医療・福祉分野も10%減少しており、地域社会に直結する重要な産業分野でも人材確保の難しさが浮き彫りになっています。こうした数字は一時的な景気変動や季節要因にとどまらず、構造的な人手不足や人口減少の影響を強く受けている可能性があります。そのため、採用担当者は短期的な求人活動の強化に加え、長期的な人材戦略を描くことが不可欠です。
E-E-A-Tの観点から考えると、まず経験(Experience)として、現場の採用活動では求人票を出すだけでは応募が集まらない実感が広がっています。採用の現場で直面している課題は、求職者数が増加しているにもかかわらず、応募者のスキルや適性が求人の要件と合致しにくいというミスマッチです。令和7年8月の有効求職者数は16,444人と前年同月比で3.0%増加しており、求職者が確かに増えていることが確認できます。しかし、求人の質と求職者の希望条件との乖離が存在し、それが採用の難しさを高めています。
専門性(Expertise)の観点では、特に製造業や医療・福祉などの専門的な知識や技能を必要とする産業において、人材不足が顕著です。製造業では一部の業種で増加が見られたものの全体では減少しており、特に電子部品やデバイス製造業では44.8%減と深刻な落ち込みを示しました。こうした分野の人材確保には、即戦力となる経験者の採用だけでは追いつかないため、企業自身が教育・研修制度を整備し、未経験者を早期に育成する仕組みが必要となります。
権威性(Authoritativeness)の面では、厚生労働省や山形労働局が発表する雇用統計データを基にした分析は、採用活動を進めるうえでの信頼性の高い根拠となります。例えば、正社員有効求人倍率が1.12倍と下がったことは、安定した雇用形態での人材確保が難化していることを示しています。採用担当者にとっては、正社員採用に固執するだけでなく、契約社員やパートタイムといった柔軟な雇用形態の導入や、将来的に正社員登用を前提とした採用制度の設計が現実的な選択肢となるでしょう。
信頼性(Trustworthiness)の観点からは、求人倍率や求人数の変化を短期的な動向に一喜一憂するのではなく、過去数年の推移を俯瞰的に把握することが重要です。山形県の有効求人倍率は令和6年1月の1.27倍から徐々に低下し、同年8月に1.25倍まで下がっています。こうした流れを受けて採用担当者は、今後さらに倍率が下がる可能性を想定しつつ、採用活動の質を高める必要があります。そのためには、自社の強みを明確に打ち出し、求職者にとって魅力的な労働環境やキャリアパスを提示することが不可欠です。
まとめると、令和7年8月の山形県の有効求人倍率1.25倍という数値は、依然として求人超過の状況を示しながらも、新規求人数や就職件数の減少が重なり、企業にとって採用活動が難しい局面を迎えていることを示しています。採用担当者は数値の表層をなぞるだけでなく、その背後にある産業構造の変化や労働市場のトレンドを読み解き、中長期的な視点で戦略を立てる必要があります。特に人口減少が進む地域においては、従来の採用手法だけでは人材確保が難しくなるため、デジタル化やリモートワークの活用、地域の教育機関との連携など、多角的なアプローチが求められます。
この記事の要点
- 令和7年8月の山形県有効求人倍率は1.25倍で前月比0.04ポイント低下
- 新規求人数は前年同月比11.4%減少し4か月連続でマイナス
- 建設業、製造業、卸売小売業、宿泊飲食業、医療福祉など幅広い産業で求人減少
- 有効求職者数は増加しており求人と求職のミスマッチが拡大
- 正社員有効求人倍率は1.12倍で前年同月から0.05ポイント減少
- 採用活動は短期的施策と長期的戦略を組み合わせる必要がある
⇒ 詳しくは山形労働局のWEBサイトへ