2025年10月26日
労務・人事ニュース
令和7年8月鳥取県の有効求人倍率1.27倍と新規求人倍率2.42倍が示す採用市場の実態
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最終更新: 2025年10月25日 09:35
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最終更新: 2025年10月25日 07:01
鳥取県内の雇用情勢(令和7年8月分)(鳥取労働局)
この記事の概要
鳥取労働局が発表した令和7年8月の雇用情勢によると、有効求人倍率は1.27倍で前月から0.02ポイント上昇しました。有効求人数が増加し、有効求職者数が減少したことが背景にあります。新規求人倍率は2.42倍と高水準を維持し、医療・福祉や運輸業で求人が増える一方、製造業や宿泊業などでは減少が見られました。採用競争が続く中で、業種別の動向を踏まえた柔軟な戦略が必要です。
鳥取県内の最新の雇用情勢を示す令和7年8月の一般職業紹介状況が発表されました。今回の統計によると、有効求人倍率は1.27倍と前月を0.02ポイント上回りました。この上昇は有効求人数が12,415人と前月比0.9%増加した一方で、有効求職者数が9,805人と0.3%減少したことによるものです。つまり求人は増えているにもかかわらず、仕事を探す人の数が減っており、人材獲得競争が一段と激しくなっている状況が浮き彫りとなっています。全国平均の有効求人倍率は1.20倍であり、鳥取県はこれを上回っている点からも、地域の採用市場の逼迫度が高いことが分かります。
新規求人の動向に目を向けると、全体の新規求人数は4,187人で前年同月比2.8%減となりました。しかし産業別にみると、運輸業・郵便業で12.0%増加、医療・福祉で5.3%増加、卸売・小売業で4.4%増加、建設業でも4.1%増加と、いくつかの業種では人材需要の拡大が確認できます。一方でサービス業は13.0%減、宿泊業・飲食サービス業は6.3%減、製造業も3.8%減少するなど、依然として人手不足が深刻な分野と、需要が落ち込む分野の二極化が進んでいます。特に宿泊業や飲食業に関しては、観光需要が徐々に回復しているにもかかわらず人材確保が進んでいない現状が課題といえるでしょう。
求職者の動向についても特徴的な数字が出ています。新規求職者数は1,675人で前年同月比1.3%減少しました。その内訳を見ると、在職者や無業者の求職は増加している一方で、離職者が5.0%減少しており、特に事業主都合による離職者は11.8%減、自己都合離職者も2.0%減少しました。これは地域経済が安定し、大規模なリストラや解雇が少なかったことを示唆しています。採用担当者にとっては、新規求職者の増加が鈍化している点を踏まえ、既存の労働力人口をどのように惹きつけるかが課題となります。
正社員に限った有効求人倍率も注目に値します。正社員の有効求人倍率は1.10倍で前年同月比0.03ポイント上昇し、10か月連続で前年を上回っています。正社員の有効求人数は6,239人で前年同月より1.6%増加したのに対し、有効求職者数は5,695人と1.2%減少しました。これは正社員を希望する求職者が減少傾向にあることを意味し、企業側は待遇改善やキャリア形成の提示を強化することで、正社員志向の求職者を惹きつける戦略が必要です。
地域別のデータをみると、鳥取所、米子所、倉吉所で有効求人倍率に差が見られます。米子所では2倍を超える水準に迫る月もあるなど、地域によって求人と求職のバランスに偏りがあることが確認されます。採用担当者は、自社の勤務地域での倍率動向を把握し、地域ごとに異なる採用戦略を取る必要があります。たとえば都市部では他業種との競合が激しく、条件面の差別化が求められる一方、地方部ではUIターン人材や女性・高齢者の労働参加促進策を意識した求人展開が効果的です。
また、新規求人倍率は2.42倍と非常に高い水準を維持しています。これは新たに求人を出した際に求職者を確保する難易度が高いことを意味し、企業にとって採用難の実態を象徴する数字といえるでしょう。新規求人倍率の高さは、求人が供給過多になっていることを示すと同時に、求職者が多くの選択肢を持つ状況を反映しています。採用担当者は求人票に魅力的な情報を盛り込み、応募者の目に留まる工夫をしなければ、他社に人材を奪われるリスクが高まります。
さらに就職件数については605件で前年同月比1.0%減少しました。就職率は36.1%と前月を下回り、求人があっても就職につながりにくい状況がうかがえます。これはミスマッチの問題が依然として解消されていないことを示しており、採用担当者には単なる人員補充ではなく、スキルや働き方の適合性を重視したマッチングが必要です。
全体として鳥取県の雇用情勢は改善基調にある一方で、物価上昇など外部環境の影響に注意が必要とされています。特に製造業やサービス業など一部産業で求人減が続いていることから、産業構造の変化を意識した採用戦略が今後の鍵を握るでしょう。採用担当者はデータをもとに、自社の属する業種や地域の動向を正確に把握し、待遇や働き方改革、UIターン人材の獲得策を組み合わせながら柔軟に対応することが求められます。
この記事の要点
- 鳥取県の有効求人倍率は1.27倍で前月から上昇
- 新規求人倍率は2.42倍と高水準で採用競争が激化
- 運輸業や医療・福祉は求人増加、製造業や宿泊業は減少
- 正社員有効求人倍率は1.10倍で10か月連続の上昇
- 新規求職者数は減少し、離職者も前年同月比で減少
- 就職件数は605件で前年同月比1.0%減、マッチングの改善が課題
⇒ 詳しくは鳥取労働局のWEBサイトへ


