労務・人事ニュース

  • TOP
  • お知らせ
  • 労務・人事ニュース
  • 令和7年8月岡山県有効求人倍率1.36倍 全国平均上回るも4か月連続低下

2025年10月26日

労務・人事ニュース

令和7年8月岡山県有効求人倍率1.36倍 全国平均上回るも4か月連続低下

Sponsored by 求人ボックス
広告

雇用情勢(岡山労働局管内)令和7年8月分(岡山労働局)


この記事の概要

令和7年8月の岡山県における有効求人倍率は1.36倍となり、全国平均を上回りながらも4か月連続で低下しました。新規求人数は前年同月比で減少しており、特に製造業や宿泊・飲食業での減少が目立ちます。一方で新規求職者数は増加し、求職者の動きは活発化しています。企業の採用担当者は、労働市場の変化を見極め、戦略的に採用活動を進める必要があります。


令和7年8月の岡山労働局の発表によると、岡山県の有効求人倍率(季節調整値)は1.36倍となり、前月から0.04ポイント下がりました。全国の平均値1.20倍と比べれば高い水準を維持していますが、県内としては4か月連続の低下となっており、労働市場に変化の兆しが出ています。この数値は、仕事を探す人1人に対して求人が1.36件あることを意味し、依然として求人が求職を上回っている状態ですが、下降基調が続いている点には注意が必要です。

新規求人数は14,229人で、前年同月比1.3%減となりました。特に製造業や卸売・小売業、宿泊業・飲食サービス業などで減少傾向が見られ、2か月連続で前年割れを記録しています。一方で建設業は増加を示しており、業種による温度差が明確になっています。有効求人数全体では40,518人で、前年同月比3.2%の減少、これも2か月連続で減少しました。

求職者の側を見ると、新規求職者数は5,504人で前年同月比1.4%の増加となり、2か月ぶりに増加へ転じました。有効求職者数も30,420人で前年同月比1.5%の増加、こちらは5か月連続の増加となっています。求職者の増加は、生活環境の変化や物価上昇などの影響で働き手が増えている背景もあると考えられますが、これが企業の採用活動には一長一短の影響を与えています。

就職件数は1,486件で、前年同月比5.9%の減少となり、就職率も27.0%にとどまりました。前年同月から2.1ポイント下落しており、採用が思うように進んでいない実態が浮き彫りとなっています。正社員に限った有効求人倍率も1.21倍で、前年から0.03ポイント低下しました。求人はあるものの求職者とのマッチングが難しくなっていることがうかがえます。

こうした状況を企業の採用担当者がどう読み解くべきかを考えると、まず重視すべきは業種ごとの傾向です。製造業や小売業の求人減少は、人材需要の鈍化を意味する一方で、求職者側は安定雇用を求めて製造や物流、医療・福祉分野へ流れる傾向があります。採用を継続する企業は、この変化を逆手に取り、求職者が重視する「安定性」や「成長性」を訴求する戦略を立てることが効果的です。

さらに、労働局の発表によれば、岡山県の労働市場では求人が求職を依然として上回っており、特に中小規模の事業所では人材確保の難しさが続いています。物価上昇など経済環境の変化が労働市場に影響を与えているため、賃金や待遇改善を採用戦略に組み込むことが不可欠です。単なる募集ではなく、福利厚生や柔軟な働き方といった付加価値を示すことで、競合との差別化を図ることができます。

また、就職率の低下は「採用側が求める人材像」と「求職者が望む働き方」とのミスマッチの表れでもあります。企業の採用担当者は、求めるスキルや経験に固執するのではなく、潜在的な人材の育成を視野に入れた採用方針を持つことが必要です。特に正社員求人倍率が低下している現状では、長期的に育成する視点を取り入れることで、持続的な人材確保につながります。

高年齢層やパートタイム労働者の動向にも注目が必要です。資料によると55歳以上の有効求職者数は前年同月比で増加しており、求職者全体に占める割合も上がっています。経験豊富な人材をどう活用するかは、労働力人口が減少するなかで企業が直面する大きな課題です。年齢層を限定せず、多様な人材を柔軟に受け入れる体制を整えることが今後の採用戦略には欠かせません。

加えて、地域別にみると岡山県内でもハローワークごとに求人倍率に差が出ています。笠岡では1.12倍、西大寺では0.96倍と1倍を下回る地域もある一方で、倉敷中央では1.64倍と比較的高い水準を示しています。採用担当者は県内のエリア特性を把握し、求人情報の出し方や募集地域の選定に戦略性を持たせることで、より効果的な人材確保が可能となります。

このように岡山県の最新の有効求人倍率や雇用動向は、採用担当者にとって「厳しいがチャンスもある」状況を示しています。求人倍率が下降するなかで採用活動を成功させるためには、労働市場の実態を冷静に分析し、自社の魅力を求職者にどう伝えるかを工夫することが欠かせません。労働環境の変化が激しい時代だからこそ、柔軟性と先見性をもった採用戦略が必要とされているのです。

この記事の要点

  • 令和7年8月の岡山県有効求人倍率は1.36倍で全国平均を上回るが4か月連続低下
  • 新規求人数は14,229人で前年同月比1.3%減、業種による増減の差が顕著
  • 有効求職者数は30,420人で5か月連続増加、求職者の動きは活発化
  • 就職件数は1,486件で前年同月比5.9%減、就職率も27.0%に低下
  • 採用担当者は待遇改善や育成を含めた柔軟な採用戦略をとることが必要
  • 地域ごとの求人倍率に差があり、募集エリア戦略の重要性が高まっている

⇒ 詳しくは岡山労働局のWEBサイトへ

広告
パコラ通販ライフ
パコラ通販ライフ
PR記事作成サービス受付フォーム