2025年10月31日
労務・人事ニュース
令和7年8月の甲信越有効求人倍率1.27倍、16か月連続で前年割れに
-   アイリスト/東中間駅/社員募集/10月31日更新 
                            
                            最終更新: 2025年10月31日 02:04 
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                            最終更新: 2025年10月31日 02:04 
-   アイリスト/香春口三萩野駅/社員募集/10月31日更新 
                            
                            最終更新: 2025年10月31日 02:04 
-   アイリスト/社員募集/10月31日更新 
                            
                            最終更新: 2025年10月31日 02:04 
景気ウォッチャー調査(令和7年9月調査)― 甲信越(現状)―(内閣府)
この記事の概要
令和7年9月に実施された「景気ウォッチャー調査」によると、甲信越地域の景気は横ばい傾向を維持しているが、個人消費や雇用環境には依然として課題が残っている。物価高が長期化し、企業の採用意欲も慎重さを増している中、8月の有効求人倍率は1.27倍と前年同月比で0.08ポイント低下し、16か月連続の前年割れとなった。求人の動きは業種間でばらつきが見られ、製造業では見積依頼が増加した一方で、小売やサービス業では来客数が減少し、地域経済は足踏み状態にある。
甲信越地域の9月の経済動向を見ると、観光や販売の一部では回復の兆しが見られるものの、物価高や人手不足が地域の経済活動を抑制している。高級レストランや葬祭業など、人の集まりが増加する分野では需要が回復しており、接待や慶事、法事などでの利用が増えた結果、来客数が前年を上回った。都市型ホテルでも3連休や安定した天候の影響で宿泊客が増加した。しかし、これらの業種以外では消費者の倹約志向が根強く、特に小売業や外食業では販売が思うように伸びていない。
コンビニエンスストアでは、物価高の影響で客数は増加傾向にあるものの、客単価の上昇は見られず、買い控えが続いている。スーパーでは前年比で売上が5%増加したものの、来客数は4%減少しており、生活必需品中心の消費構造が続いている。百貨店でも物産展などの催事が一部で好調だったが、残暑の影響で秋物衣料の販売が不振となり、全体の業績は横ばいにとどまった。商店街ではシャッターを閉める店舗が増え、客足が遠のいており、地域の小売業の厳しい現実が浮き彫りになっている。
自動車関連業界では、新車販売が停滞し、修理や整備で対応する顧客が増加している。猛暑の影響でエアコン修理が増えたことが収益を支えているが、物価上昇による購買控えが続いており、全体としては伸び悩みが見られる。タクシー業界では乗務員の減少が深刻化し、乗務員数が1年前より25%減少した結果、総売上は前年の85%にとどまった。一方で、1人あたりの売上は1割増加しており、労働力不足が構造的な課題となっていることがわかる。
製造業では、一部に明るい動きもみられた。電気機械器具製造業では、見積依頼や受注が増加傾向にあり、前年よりも取引が活発化している。窯業や土石製品製造業でも小幅ながら受注が増えており、需要回復の兆しが見られた。ただし、食料品製造業や宝石・貴金属などの高額商品を扱う業種では苦戦が続いている。特に金価格の上昇により商品単価が上がったものの、販売数量は減少しており、消費の二極化が鮮明になっている。
一方で、雇用関連の動きは依然として鈍い。職業安定所の報告によると、令和7年8月の有効求人倍率は1.27倍で、前年同月比で0.08ポイント低下した。月間有効求人倍率が前年を下回るのは16か月連続となり、雇用環境の停滞が続いていることが明らかになった。新規求人数は前年同月比で増減を繰り返し、安定的な増加には至っていない。特に現場技能者の求人が増加する一方で、開発職や専門職などの高度人材の求人が減少傾向にあり、産業構造の変化に伴う求人の偏りが目立つ。
人材派遣会社や民間職業紹介機関によれば、派遣先企業の多くが人材不足を背景に採用を急いでいるものの、求職者の応募が伸び悩んでおり、成約率の低下が続いている。特に若年層よりも中高年層の求職が増えており、企業側が求めるスキルとのミスマッチが発生している。最低賃金の引き上げによる影響もあり、採用コストの上昇を懸念する企業が採用を見送るケースも増加している。
また、企業経営者からは、米国の関税政策や光熱費の高止まりが今後の業績に不透明感を与えているとの声が多く、経営計画の見直しを進める動きも広がっている。特に中小企業では、価格転嫁が難しい状況が続いており、人件費や物流費の上昇が経営を圧迫している。こうした中で、企業は採用活動を慎重に進めざるを得ず、結果として地域全体の雇用回復の速度を鈍らせている。
総じて、甲信越地域の景気は大きな落ち込みは避けているものの、雇用環境や消費動向の鈍化が続いている。物価上昇と賃金の伸びの乏しさが消費を抑制し、有効求人倍率の低下がそれを裏付ける形となった。今後、地域経済の持続的な回復に向けては、企業の生産性向上と労働市場の柔軟化が不可欠であり、官民一体の取り組みが求められている。
この記事の要点
- 令和7年8月の甲信越地域の有効求人倍率は1.27倍で16か月連続の前年割れ
- 新規求人数は増減を繰り返し安定的な増加には至っていない
- 現場技能者の求人が増加する一方で開発職の求人が減少傾向
- タクシー乗務員数が1年前より25%減少し総売上は前年比85%
- 小売業では売上5%増加も来客数4%減少し客単価上昇せず
- 製造業では見積依頼が増加し受注に回復の兆し
⇒ 詳しくは内閣府のWEBサイトへ
 
  
  
 
 
                                        

