2025年11月1日
労務・人事ニュース
令和7年9月の近畿有効求人倍率が微増、万博関連求人が雇用を支える
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最終更新: 2025年11月1日 01:01
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最終更新: 2025年10月31日 03:33
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最終更新: 2025年10月31日 16:04
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最終更新: 2025年10月31日 03:33
景気ウォッチャー調査(令和7年9月調査)― 近畿(現状)―(内閣府)
この記事の概要
令和7年9月の景気ウォッチャー調査によると、近畿地方の景気は大阪・関西万博の閉幕を控えた観光需要の高まりに支えられ、全体として堅調に推移している。しかし、物価上昇や人手不足が引き続き企業活動や雇用環境に影響しており、企業の採用姿勢は慎重さを増している。有効求人倍率は前年同月比でわずかに上昇したが、求人の伸びは鈍化しており、最低賃金の引き上げを前に新規採用を控える動きもみられる。万博関連業種では求人需要が高水準を維持している一方、卸売業や小売業では求人が減少傾向にある。
令和7年9月の近畿経済を概観すると、大阪・関西万博の終盤を迎え、国内外の観光客が増加するなど、地域経済に明るい兆しが見られた。都市型ホテルでは高稼働・高単価を維持し、稼働率が90%を超えるなど観光業を中心に旺盛な需要が続いている。特にインバウンドの増加が顕著で、コンビニエンスストアや百貨店では外国人客による消費が売上を押し上げている。百貨店では宝飾品や高級ブランド商品などの高額品が堅調で、国内の富裕層による消費も株価の上昇を背景に拡大している。
一方で、一般消費者の節約志向は根強く、スーパーや衣料品店では買い控えの動きが続いている。スーパーでは、価格の上昇が続く中で特売品への集中が顕著となり、日常的な消費が抑えられている。特に米の販売が前年を上回る売上を記録したものの、これは備蓄需要など一時的な要因によるものとみられる。衣料品専門店では、9月に入っても残暑が厳しく、秋物商戦の出足が鈍い。来客数は3か月前に比べ減少し、単価も横ばいであるため、売上全体としては減少傾向が続いている。
製造業では、輸送用機械器具製造業で補修・メンテナンス中心の受注から新規設備投資へと移行する動きが見られるなど、業種によって明暗が分かれた。電気機械器具製造業ではエアコンの販売が前年に比べて2桁の増加を記録し、猛暑の影響が追い風となった一方で、冷蔵庫や洗濯機など大型家電は販売が落ち込み、消費マインドの低下が鮮明となっている。金属製品製造業では、米国の自動車関税問題を受けて生産調整が進められ、関税の影響を避けた輸出構造へのシフトが進んでいる。
建設業界では、材料費や人件費の高止まりが続いているものの、住宅着工件数は半年前の1.5倍に増加するなど堅調な動きがみられた。しかし、技能労働者や監理技術者の不足が顕在化しており、工期の遅延や受注機会の逸失につながっている。住宅販売会社では高額物件の需要が底堅く、富裕層を中心に新築需要が続いているが、中間層では高価格帯への慎重姿勢が目立つ。
一方、雇用環境は全体として安定を保っているが、業種間での差が拡大している。職業安定所の調査によれば、近畿地方の有効求人倍率は前年同月よりわずかに上昇し、完全失業率も低下傾向にある。特に大阪・関西万博関連の求人は高水準を維持しており、人材派遣会社によると、万博関連業務への人材供給は引き続き堅調に推移しているという。しかし、その他の観光産業では求人数が増加しているにもかかわらず、応募が集まらず採用が進まない状況が続いており、ミスマッチが課題となっている。
一部の職業安定所では、求人数が前年比で小幅ながらプラスを維持しており、4〜6月期は3か月連続で増加した後、7月に一時マイナスとなったが、8月以降は再びプラスに転じた。9月も前年を上回っており、雇用市場には部分的に持ち直しの動きがみられる。しかし、最低賃金の引き上げを控えた企業の中には、賃金見直しにより新規求人の申し込みを見送る動きも出ており、採用意欲の回復は限定的である。
人材派遣業界では、求人の募集時給が上がらないまま、物価上昇による生活コストの上昇が進んでおり、求職者側の就労意欲に影響を与えている。また、万博閉幕後の求職者増加を見込む声もあり、地域の労働市場は今後、供給過多に傾く可能性が指摘されている。大学の就職担当者によると、新卒採用は順調に推移しているが、全体的な雇用条件の改善には至っておらず、採用活動の早期化が進む一方で、学生側の内定獲得率は大きく伸びていない。
全体として、近畿地域の雇用情勢は安定感を保ちながらも、物価上昇と賃金の釣り合いが取れない状況が続いている。特に中小企業では採用コストの上昇により求人を控える傾向が強まり、人材不足が慢性化している。大阪・関西万博による一時的な雇用創出効果が今後どの程度持続するかが、地域経済の回復の鍵を握ることになりそうだ。
この記事の要点
令和7年9月の近畿有効求人倍率は前年同月比で微増し完全失業率は低下
大阪・関西万博関連の求人需要が高水準を維持
観光業やホテル業では高稼働・高単価を維持し好調
製造業ではエアコン販売が前年比2桁増だが大型家電は不振
建設業では住宅着工件数が半年前の1.5倍に増加
最低賃金引上げ前に新規採用を控える企業が増加
⇒ 詳しくは内閣府のWEBサイトへ


