2025年11月1日
労務・人事ニュース
令和7年9月の甲信越経済、有効求人数17か月連続減で採用意欲鈍化
- 商業施設・工場・ビルなどの空調設備や電気設備に伴う設計から施工管理全般のお仕事/即日勤務可/賞与あり
最終更新: 2025年11月1日 07:04
- 保険サービス企業での生損保事務のお仕事/駅近/即日勤務可/賞与あり
最終更新: 2025年11月1日 00:34
- 外資系保険業界でのITヘルプデスク業務/駅近/即日勤務可/賞与あり
最終更新: 2025年11月1日 07:04
- 物流・運輸業界の人事労務/駅近/即日勤務可/賞与あり
最終更新: 2025年11月1日 07:04
景気ウォッチャー調査(令和7年9月調査)― 甲信越(先行き)―(内閣府)
この記事の概要
令和7年9月の景気ウォッチャー調査によると、甲信越地域の景気は全体として横ばいを維持しているが、物価高と人件費の上昇により先行きに不透明感が漂っている。観光業や宿泊業では秋の行楽シーズンに支えられ、予約や来客数は堅調に推移しているものの、小売業や外食業では物価上昇による消費抑制が続いている。職業安定所の報告では新規求人数と有効求人倍率はいずれも横ばいで、企業は最低賃金引上げの影響を見極めつつ採用を慎重に進めている。有効求人数は前年同月比で17か月連続の減少となり、採用意欲の弱まりが続いている。
令和7年9月の甲信越経済は、観光業の回復が全体を支える一方で、製造業や小売業など多くの分野でコスト上昇が重荷となり、景気回復の動きが鈍化している。観光型旅館では、11月に2度の3連休がある影響で予約状況が前年を上回っており、「現在の良好な状態は年内まで続く」との見方がある。都市型ホテルでも連日の満室が続いており、特にインバウンド客と周辺施設の建設需要が宿泊増加を支えている。ただし、ホテル業界からは「物価高や値上げの影響で利用を控える客も出ている」との声も聞かれ、今後の動向には慎重な姿勢がみられる。
飲食業では明暗が分かれている。高級レストランでは年末にかけて接待や会食の予約が増加しており、前年よりも好調な推移を見せているが、一般レストランやスナックでは「物価上昇により客の支出が減り、夜の利用客も減少している」との声が多い。特に、飲酒運転の取り締まり強化や企業によるアルコールチェックの徹底で、23時以降の来店が激減しており、「市街地の飲食業は冬の時代に突入した」と嘆く経営者もいる。
小売業全体では、値上げと消費者心理の冷え込みが続いている。百貨店やスーパーでは秋の催事や特売で客足を維持しているものの、消費者の節約志向は強く、「セール日以外は売上が落ち込む傾向が強い」との報告がある。スーパーでは電気料金や仕入れ価格の上昇が続き、「どこまで消費者が耐えられるかが今後の分かれ目」として、慎重な姿勢を崩していない。家電量販店では「実店舗の維持が厳しい」との声が上がり、ネット販売への移行が加速している。
製造業では、半導体関連や金属製品分野で「需給の回復が進み、年末にかけて生産が上向く」との期待が出ている一方で、食料品や電気機械器具製造業では「材料費高騰と価格競争が続き、採算が取れない」との悲鳴も多い。電気機械メーカーでは、受注が停止している企業もあり、「受注残で生産を維持しているが、今後は厳しい」との声がある。窯業・土石製品製造業では特注品の受注見込みがあり、年内は安定推移と見られているが、原材料価格の高止まりが続く限り、楽観はできない状況である。
金融業からは「米国の関税政策や利上げの影響が国内企業の収益に悪影響を及ぼす可能性がある」との警戒感が示されており、「製造業を中心に収益悪化の懸念が強まっている」と分析されている。非製造業では価格転嫁が進む一方で、消費の弱さが企業マインドを押し下げており、今後の景気回復を妨げる要因となっている。
雇用関連では、職業安定所の報告によると新規求人数と月間有効求人倍率はいずれも横ばいを維持している。最低賃金の引上げを控え、企業は採用や人員配置の見直しに慎重な姿勢を取っているとのことで、「企業体力を見極めるため、直ちに採用を拡大する動きはみられない」と指摘されている。また、有効求人数は前年同月比で17か月連続の減少となり、企業の採用意欲の低下が長期化している。人材派遣業界からは「求人はあるものの、マッチングの不調や求職者減少が目立つ」との声が上がっており、採用の難しさが浮き彫りとなっている。
全体として、甲信越地域の景気は観光業を中心に一部で堅調な動きを見せるものの、物価上昇と原材料費高騰、さらには人件費増加による経営圧迫が続き、幅広い業種で先行きに慎重な見方が広がっている。雇用情勢も落ち着きを保つ一方で、新規求人や採用意欲の低迷が続き、地域経済の回復にはなお時間を要する見通しである。
この記事の要点
- 令和7年9月の甲信越地域の景気は横ばいで推移
- 観光・宿泊業は秋の行楽シーズンで予約堅調
- 小売業は物価高による節約志向で売上減少傾向
- 製造業は半導体関連が回復も食料品製造は低迷
- 有効求人数は前年同月比17か月連続の減少
- 最低賃金引上げにより企業は採用を慎重化
- 人材派遣では求人はあるがマッチング難が続く
⇒ 詳しくは内閣府のWEBサイトへ


