2025年11月1日
労務・人事ニュース
令和7年9月の北陸経済、有効求人倍率が低下し採用抑制傾向強まる
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最終更新: 2025年10月31日 10:38
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最終更新: 2025年10月31日 11:00
景気ウォッチャー調査(令和7年9月調査)― 北陸(先行き)―(内閣府)
この記事の概要
令和7年9月の景気ウォッチャー調査によると、北陸地域の景気は全体として横ばいからやや悪化の傾向にある。秋の観光シーズンを迎え、観光業や商店街では一定の回復が見られる一方、物価上昇と人手不足が続いており、製造業や小売業では依然として厳しい経営環境が続いている。特に最低賃金の引上げや米国の関税強化による影響が企業心理を冷やし、採用活動の抑制につながっている。有効求人倍率は前年同月比で緩やかに低下し、求人広告数が増加する一方で、求職者数が減少しているなど、雇用環境には依然として不安定な側面が残っている。
北陸経済の先行きは、観光需要の回復と一部の製造業に見られる持ち直し傾向に支えられながらも、物価高騰と人手不足、さらに米国の関税政策の影響によって、全体として明るい展望が描けない状況となっている。商店街では秋の紅葉シーズンに合わせて外出する人が増え、ポイント還元事業を実施する店舗も多く、一定の賑わいを見せている。しかし、原材料の高騰や人材不足によって商品の品薄が続き、経営者からは「売上は伸びても利益が伴わない」との声が多く上がっている。スーパーでは10月の最低賃金引上げにより消費者の可処分所得が増え、食料品への支出拡大が期待されているが、米国関税の影響で外需関連企業の業績悪化が懸念されており、家計の負担感は引き続き大きい。
観光業では、大阪・関西万博後の宿泊予約や団体客の問い合わせが増加しており、秋の行楽シーズンに向けて予約状況は前年を上回る水準となっている。特に都市型ホテルではスポーツ大会や学会の開催が追い風となっているが、ビジネス客や個人旅行の予約動向は鈍化しており、宿泊単価の下落が利益を圧迫している。また、能登半島地震で休業中の旅館では再開までに1年以上を要する見通しが示されており、観光地全体の回復には時間がかかると見られている。
小売業では、物価高の影響で消費が停滞している。百貨店ではインバウンド需要が前年並みを維持しているものの、円高による客単価の低下が見られ、「昨年のような好調さは戻らない」との見方が強い。家電量販店でも生活家電の販売が減少し、趣味関連商品の販売に頼る状況が続いている。衣料品販売業では暖冬予報による重衣料の売上減が見込まれており、気候変動の影響が販売計画を直撃している。
製造業では、一般機械器具製造業を中心に明暗が分かれている。自動車関連製品の受注は中国向けを中心に低調であり、米国の関税強化による北米市場への影響が懸念されている。一方で、二輪車および産業機械関連製品の受注は海外向けを中心に順調に推移している。電気機械器具製造業では新規量産案件がなく、短期的な受注増加は見込めないものの、半年から1年後には新たな量産稼働が見込まれており、先行きにやや明るさも見える。
建設業では、受注案件は多いものの対応できる人材が不足しており、現場の人繰りに苦慮している。住宅販売業では補助金制度が追い風となって一定の需要を維持しているが、新築住宅の販売は価格上昇の影響で停滞している。司法書士からは「原料高や輸送コスト上昇が続く一方で、決算状況はまだ悪化していない」との声があり、企業によって業績にばらつきが出ていることがわかる。
雇用環境においては、人手不足が深刻でありながら、有効求人倍率は徐々に低下している。職業安定所によると、原材料費や燃料費の高騰、最低賃金の大幅な引上げが企業経営に負担を与え、採用活動の抑制につながっているという。有効求人倍率は前年同月比で低下傾向を示し、特に中小企業では「採用を控える動きが広がっている」と報告されている。一方で、新聞社の求人広告部門では広告掲載数が増加しており、求人情報の需要自体は根強く存在していることも確認された。しかし、民間職業紹介機関や人材派遣会社では「求人数は横ばいか減少、求職者も減少しており、マッチングが難しい」との声があり、雇用市場の停滞が顕著となっている。
金融業からは「物価高と賃上げの影響で業績の二極化が進み、中小企業の倒産が増加している」との報告があり、特に新型コロナ関連融資の返済負担が重荷となっている。最低賃金の上昇と物価高が続けば、今後さらに倒産件数が増える可能性があるとして警戒感が広がっている。
総じて北陸地域では、観光業や一部製造業の回復傾向が景気を下支えしている一方、物価高と賃上げによるコスト上昇、米国の関税強化による外需不安、そして人手不足の慢性化が企業の経営を圧迫している。雇用面では求人広告の増加と求人倍率の低下という二面性が見られ、採用市場の動向には注視が必要である。
この記事の要点
- 令和7年9月の北陸経済は横ばいからやや悪化傾向
- 観光業では団体客予約が増加し宿泊業は堅調推移
- 物価高と人件費上昇が中小企業の採用を抑制
- 有効求人倍率は前年同月比で低下傾向
- 求人広告数は増加も求職者数が減少しマッチング難
- 製造業では自動車関連が低迷、産業機械関連は堅調
- 最低賃金上昇と米国関税の影響で企業負担が増大
⇒ 詳しくは内閣府のWEBサイトへ


