2025年11月7日
労務・人事ニュース
群マネで維持管理費最大20%削減へ 全国8割導入を目標に始動
- 非常勤・サービス業界の看護師/残業なし/即日勤務可/週4日以下
最終更新: 2025年11月6日 10:06
- 住宅型有料老人ホームでの訪問看護のお仕事/未経験OK/即日勤務可/シフト
最終更新: 2025年11月6日 10:06
- 常勤・介護・福祉業界の看護師/即日勤務可/シフト
最終更新: 2025年11月6日 10:06
- 常勤・医療業界の看護師/残業なし/即日勤務可/シフト
最終更新: 2025年11月6日 07:03
「群マネの手引き Ver.1(群マネ入門超百科)」を公表します ~地域インフラ群再生戦略マネジメント(群マネ)の全国展開へ~(国交省)
この記事の概要
国の行政機関は令和7年10月14日、地域の社会インフラを効率的かつ効果的に管理するための新たな取り組みとして「地域インフラ群再生戦略マネジメント(群マネ)」の全国展開を進めるため、「群マネの手引き Ver.1(群マネ入門超百科)」を公表した。この手引きは、複数の自治体や分野をまとめて管理する考え方を体系化し、導入から実践までを段階的に支援する内容となっている。
国の行政機関は、地方における社会インフラの老朽化や人材不足が深刻化する中で、効率的かつ持続可能な管理体制を確立するため、「地域インフラ群再生戦略マネジメント(群マネ)」の普及を進めている。今回公表された「群マネの手引き Ver.1(群マネ入門超百科)」は、その全国展開を後押しするための実践的なガイドラインであり、自治体や民間事業者が連携してインフラを「群」として捉え、広域的かつ総合的にマネジメントしていく仕組みを示している。
現在、日本全国のインフラ施設は高度経済成長期に整備されたものが多く、老朽化の進行が課題となっている。一方で、地方自治体の技術職員は過去30年間で約4分の1減少し、技術者が一人もいない自治体は全体の約4分の1に上るとされる。また、建設業に従事する人材も約30年間で3割減少しており、インフラの維持・補修を担う人員確保が難しい現実がある。群マネはこうした課題に対応するため、地域同士が連携し、限られた人員・資源を共有しながら、計画的にインフラの維持管理を行うことを目的としている。
「群マネの手引き Ver.1」は、全6章構成の本編に加え、基礎的な内容をまとめたダイジェスト版と、現場で活用できる支援ツールを収録した付録編で構成されている。本編では群マネの基本概念、導入のステップ、計画策定の手法、実施体制の整備方法、そして先行地域の成功事例をわかりやすく整理している。また、付録には現状把握のためのチェックシート、効果試算ツール、アンケート作成支援など、すぐに活用可能な資料が用意されている。これにより、職員数が限られている自治体でも群マネ導入に着手しやすくなった。
この手引きの作成にあたっては、複数の専門家や関係機関による検討が重ねられ、試行地域での実践結果を反映した内容となっている。試行地域の一つでは、複数の市町村が合同で橋梁点検を一括発注し、点検コストの削減と業務の平準化を実現した。また、他の自治体では、道路や公園の維持管理を包括的に委託することで、発注側の業務時間を約3分の1、受注側を約5分の1まで削減する効果が確認されている。こうした事例は、群マネによる連携が単なる業務効率化にとどまらず、持続可能な行政運営の仕組みづくりにもつながっていることを示している。
さらに、設計・施工を一体的に行う「分野横断型」の群マネも成果を上げている。ある地域では、橋梁の修繕において設計段階から施工事業者が関与する仕組みを導入した結果、工期が約半分に短縮され、コストも大幅に削減された。別の地域では、設計と施工の連携強化により、事業費の約46%削減を達成している。これらの取り組みは、群マネが単なる理論ではなく、現場の生産性向上とコスト最適化に実効性を持つ施策であることを裏付けている。
群マネの特徴は、自治体間や事業者間での「束(群)」による連携体制を築く点にある。例えば、複数の自治体が共通の発注方式を採用することで、業務の重複を排除し、維持管理費を年間10〜20%削減できると試算されている。さらに、事業者間の連携を通じて、専門技術者や機材を共有する仕組みも広がっており、これにより中小事業者の経営安定化や地域の雇用維持にも貢献している。
また、群マネは災害対応にも有効であるとされる。複数自治体が事前に協定を結ぶことで、災害発生時に資機材や人員を相互に融通できる体制が整備され、応急復旧を迅速に進められる。これにより、地域防災力の向上と復旧コストの削減を同時に実現できる仕組みが構築されつつある。
国の行政機関は今後、群マネの導入を全国の自治体に広げる方針であり、各地の状況に応じた支援を強化していく。群マネの導入支援や最新の成功事例は、専用の情報サイトで公開されており、職員が導入手順や計画策定の流れを容易に把握できるようになっている。最終的には、全国の自治体の約8割が群マネを導入することを目標に掲げており、インフラ管理の効率化と地域の持続的発展の両立を図る方針だ。
群マネは、単なるインフラ管理の枠を超え、人口減少社会における地域経営の新しいモデルとして期待されている。限られた人材と財源を有効に活用し、地域の安全と暮らしを守る仕組みとして、今後の地方行政において中心的な役割を担うことが見込まれている。
この記事の要点
- 群マネは複数自治体・複数分野を束ねる新しいインフラ管理の仕組み
- 自治体の技術職員は過去30年で約25%減少し、技術者ゼロの自治体は全体の約4分の1
- 建設業の従事者数は30年間で約30%減の477万人
- 群マネ導入により維持管理費を年間10〜20%削減可能
- 橋梁点検や維持管理を共同発注し、業務時間を最大5分の1まで短縮
- 設計・施工一体型の群マネでは工期を50%短縮、コストを46%削減
- 全国の自治体の約8割で導入を目指す
⇒ 詳しくは国土交通省のWEBサイトへ


