2025年11月7日
労務・人事ニュース
新津で夜を彩る灯籠 11月16日まで堀出神社を幻想的に照らす
17時から翌朝7時まで点灯 新津の堀出神社で夜の参道が光に包まれる
この記事の概要
新津地域では、11月16日までの期間、堀出神社の境内で「灯篭でライトアップ事業」が実施されている。地元の高校生が手作業で制作した灯籠が毎晩17時から翌朝7時まで参道を照らし、昼間とは異なる幻想的な雰囲気を演出している。地域の若者が主役となり、地元文化と観光を融合させた取り組みとして注目を集めている。
新潟県新津地域で開催されている「灯篭でライトアップ事業」は、地域の伝統と若者の創意が融合した秋の風物詩として、多くの市民や観光客の関心を集めている。この事業は、地域観光を担う団体が中心となって企画され、秋葉区自治協議会のきらめきサポートプロジェクトに採択された取り組みである。9月25日から始まり、11月16日までの約50日間にわたって行われており、期間中は毎日17時から翌朝7時まで、柔らかな灯りが神社の参道を照らし続けている。
会場となる堀出神社は、古くから地域の人々に親しまれてきた鎮守の杜であり、四季折々の風情が楽しめる場所として知られている。その神聖な空間が、今回は高校生たちの手による灯籠によって彩られ、日中とはまったく異なる幻想的な表情を見せている。参道に並ぶ灯籠は、新潟県立新津工業高校の日本建築学科とロボット工学科の生徒たちが一つひとつ心を込めて制作したもので、木のぬくもりや現代的なデザインを組み合わせた工夫が随所に凝らされている。
建築を学ぶ生徒たちは、伝統的な木工技術を応用して灯籠の骨格を組み上げ、灯りの温かみを最大限に引き出す設計を施した。一方、ロボット工学を学ぶ生徒たちは、光の明暗やタイミングを自動制御する仕組みを取り入れ、技術と芸術を融合させた新しい形の灯籠を作り上げた。
このライトアップは、地域住民や観光客が自由に鑑賞できるよう開放されており、夜の神社を穏やかに包み込む光が、訪れた人の心を和ませている。特に夕暮れから夜にかけては、木々の影と灯籠の明かりが織りなすコントラストが美しく、訪れた人々からは「まるで時間が止まったような静けさ」「夜の神社が幻想的に生まれ変わった」といった声も聞かれる。
この取り組みの特徴は、地域の若者が主体となって地域の文化的資源を再発見し、地域社会の中で表現の場を得ている点にある。制作に関わった高校生たちは、授業で学んだ技術を実際の社会活動に応用することで、ものづくりの意義や地域貢献の大切さを体感している。教師たちも「学びを実践に結びつけることで、生徒が自ら考え、創造する力を養う貴重な機会になった」と評価している。
また、このライトアップ事業は、地域の観光資源としても高い効果を上げている。新津駅周辺の宿泊施設や飲食店では、期間中の来訪者増加が期待されており、地域経済の活性化にもつながっている。神社を訪れる人々が、参拝後に地元のカフェや土産店を訪れるなど、街全体でにぎわいが広がっている。
主催者は「この事業を通じて、地域の若者が自ら地域を支える存在であることを感じてもらいたい」と話しており、今後は新たなデザインや技術を取り入れた灯籠の制作を進める計画もある。地域と教育機関が連携しながら文化的価値を創出していく取り組みは、他地域にも波及するモデルケースとなり得る。
11月中旬に向けて、夜は冷え込む季節となるが、灯籠の光が生み出す温かい空間は、訪れる人々の心に穏やかな余韻を残すだろう。この取り組みは、単なるライトアップイベントにとどまらず、「地域と若者が共に光を灯す」新しい地方創生の形として注目されている。
この記事の要点
- 堀出神社で11月16日まで「灯篭でライトアップ事業」を開催
- 期間は9月25日から約50日間、毎日17時から翌朝7時まで点灯
- 建築とロボット技術を融合したオリジナルデザイン
- 地域経済と観光振興、若者の地域参加を両立した取り組み
⇒ 詳しくは新津商工会議所のWEBサイトへ


