2025年11月10日
労務・人事ニュース
約150の支援制度から最適な助けを提案、内閣府の孤独・孤立対策が全国展開
- 保険サービス企業での生損保事務のお仕事/駅近/即日勤務可/賞与あり
最終更新: 2025年11月9日 09:36
- 商社での営業のお仕事/駅近/即日勤務可/研修あり
最終更新: 2025年11月9日 09:36
- 商業施設・工場・ビルなどの空調設備や電気設備に伴う設計から施工管理全般のお仕事/即日勤務可/賞与あり
最終更新: 2025年11月9日 09:36
- 外資系保険業界でのITヘルプデスク業務/駅近/即日勤務可/賞与あり
最終更新: 2025年11月9日 09:36
孤独を感じる人は全体の4.8%、内閣府が「あなたはひとりじゃない」で支援強化
この記事の概要
内閣府が運営する「あなたはひとりじゃない」では、孤独や孤立に悩む人々に向けた支援制度や相談窓口を紹介している。チャットボットを使って約150の支援制度の中から個人に合った支援を探すことができ、18歳以下の若者向けの相談先も設けられている。2021年に設置された孤独・孤立対策担当ポストを中心に、国・自治体・NPO・企業が連携し、誰もが頼れる社会の実現を目指している。
内閣府は、孤独や孤立の問題を社会全体で解決するための新たな取り組みを進めている。現代社会では、地域のつながりが希薄になり、特に新型コロナウイルス感染症の影響で人との接点が減少したことにより、孤独感を抱える人が増えている。この現状に正面から向き合うため、政府は2021年2月に世界初となる「孤独・孤立問題担当大臣」を設置し、孤立防止政策を国の重点課題として掲げた。
内閣府が開設したウェブサイト「あなたはひとりじゃない」では、誰にも相談できず一人で悩みを抱えている人が、自分に合った支援制度を簡単に探すことができる。いくつかの質問に答えることで、約150種類に及ぶ支援制度や相談窓口の中から、状況に応じた最適な支援情報をチャットボットが案内する仕組みだ。このサービスは匿名で利用でき、プライバシーが厳重に守られているため、安心して利用することができる。
また、特に18歳以下の若年層に向けては、いじめ、家庭環境、心身の不調など、さまざまな悩みに応じた相談窓口が紹介されている。若者が抱える問題は複雑化しており、学校や家庭だけでは解決できないケースも多い。そうした状況に対して、専門の相談員や公認心理師が対応することで、子どもたちが安心して話せる環境を整えている。
孤独・孤立対策推進室では、3つの主要テーマをもとに多角的な取り組みを進めている。1つ目は、ソーシャルメディアを活用した孤立防止の情報発信。2つ目は、孤独・孤立の実態を把握するための全国調査。そして3つ目は、NPOや民間企業との連携強化である。これにより、行政だけでなく、社会全体で孤独や孤立を防ぐ仕組みづくりを目指している。
2023年に行われた全国調査によると、「しばしば孤独を感じる」「常に孤独を感じる」と回答した人は全体の4.8%に上り、「時々ある」と答えた人が14.8%、「たまにある」との回答が19.7%だった。一方で「ほとんどない」と答えた人は41.4%、「決してない」との回答は17.9%となっており、約4割の人が何らかの形で孤独感を抱いていることが分かる。調査は性別や年齢層別の傾向、孤独を感じるきっかけとなった出来事など、詳細なデータも公表している。
相談や制度利用に対して「ためらい」を持つ人も少なくない。しかし、内閣府は制度を利用することは国民の権利であり、相談内容は守秘義務によって守られていると強調している。相談を通して、適切な支援制度を知ることができるだけでなく、気持ちが軽くなる場合も多いという。孤独や不安を抱えている人にとって、話を聞いてもらうこと自体が支援の第一歩である。
さらに、チャットボットで希望する支援が見つからない場合でも、各自治体の総合相談窓口で追加のサポートを受けることができる。自治体ごとに独自の制度や民間支援が用意されており、地域に密着した情報を得られることが強みとなっている。
専門家からのアドバイスも公開されており、社会福祉士による「相談窓口を上手に活用するためのヒント」や、臨床心理士・公認心理師による「ストレスへの対処法」などが紹介されている。これらの専門的な情報は、悩みを抱える人だけでなく、その周囲にいる家族や支援者にも役立つ内容だ。
内閣府の取り組みは、単なる相談の紹介にとどまらず、人と人のつながりを再構築する社会的基盤の整備へと広がっている。誰もが「頼れる場所」「話せる相手」を持てる社会を目指し、行政・民間・地域が一体となった支援体制の構築が進められている。孤独や孤立は誰にでも起こり得る問題であり、こうした取り組みが広がることで、一人ひとりが安心して生きられる社会の実現が期待される。
この記事の要点
- 孤独・孤立問題に対応するため内閣府が「あなたはひとりじゃない」を運営
- チャットボットで約150の支援制度から最適な支援を提案
- 18歳以下向けの専門相談窓口も設置
- 2021年に孤独・孤立問題担当大臣ポストを世界で初めて設置
- 2023年調査では約4割の人が孤独感を感じていると回答
- 専門家による相談活用法やストレス対処法も公開
- 守秘義務が徹底され安心して相談できる体制を整備
- 自治体との連携で地域独自の支援も利用可能


