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2025年11月10日

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国交省が10月号を公表、建設受注高6兆2,851億円で民間主導の伸び

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国土交通月例経済(令和7年10月号)(国交省)


この記事の概要

国土交通省は、令和7年10月17日に「国土交通月例経済(令和7年10月号)」を公表した。本報告は、建設、交通、観光など国土交通分野全体の経済動向を網羅的にまとめたものであり、主要な統計データをもとに国内経済の実態を分析している。建設工事の元請受注高は前年同月比9.4%増の6兆2,851億円となり、民間部門の伸びが顕著だった一方で、公共機関からの受注は減少した。新設住宅着工戸数は9.8%減の6万275戸と減少傾向を示した。また、観光分野では訪日外客数が前年同月比13.7%増の327万人となり、海外需要が引き続き堅調に推移している。


国土交通省が公表した「国土交通月例経済(令和7年10月号)」は、建設業や交通産業、観光産業を含む幅広い分野の動向を総合的に示した重要な経済報告である。本号では、2025年8月時点の最新データを中心に分析が行われ、日本経済の中核を担う国土交通分野における景況感の変化が明らかになっている。

建設分野では、2025年8月の元請受注高が6兆2,851億円と前年同月比9.4%の増加を記録した。特に民間からの受注が4兆5,388億円(同14.1%増)と大幅に伸びており、住宅再開発や都市再生プロジェクトの拡大が背景にあるとみられる。一方で、公共機関からの受注は1兆7,463億円(同1.2%減)と減少した。これに対し、下請受注高は2兆8,841億円(同20.1%減)と減少傾向にあり、建設業界内での発注構造の変化がうかがえる。

新設住宅着工戸数は6万275戸で前年同月比9.8%減となり、住宅需要の一時的な停滞が確認された。持家は1万7,532戸(10.6%減)、貸家は2万6,585戸(8.1%減)、給与住宅は339戸(67.5%減)、分譲住宅は1万5,819戸(8.2%減)と、すべての区分で減少傾向を示している。地域別にみると、東京圏が2万1,510戸(9.5%減)、名古屋圏が5,790戸(9.2%減)、大阪圏が9,827戸(1.6%増)、その他地域が2万3,148戸(14.3%減)であり、大阪圏のみわずかに増加している。これは、関西エリアで進む都市更新や再開発プロジェクトが住宅需要を下支えしているためとみられる。

建設費の動向を示す建設工事費デフレーターは137.5ポイント(前年同月差7.9ポイント増)と上昇を続けており、資材費や人件費の高騰が建設コストに影響を与えている。これにより、建設企業はコスト管理や調達戦略の見直しを迫られている。

交通分野では、旅客輸送の回復傾向が続いている。2025年7月のバス輸送人員は3億3,298万人(前年同月比0.1%増)で横ばいながら安定推移し、タクシー輸送人員は9,361万人(同4.7%減)と減少した。一方、鉄道輸送はJRが7億4,345万人(同2.8%増)、民鉄が12億8,934万人(同3.7%増)と順調に回復している。航空では、国内線が1,045万人(同6.7%増)、国際線が149万人(同10.9%増)と回復が顕著であり、ビジネス需要と観光需要の双方が伸びている。

貨物輸送分野では、宅配便取扱個数が4億4,579万個(同2.3%増)と増加したが、貨物営業用自動車の輸送量は1億9,820万トン(同12.0%減)と落ち込みが見られた。これは、物流の効率化や燃料費高騰による輸送制限の影響とみられる。海運においては外航コンテナ輸送が輸出73万TEU(同4.9%増)、輸入77万TEU(同1.8%増)と堅調に推移しており、国際物流の回復傾向が続いている。

観光分野では、訪日外客数が327万人(前年同月比13.7%増)と大幅に増加し、アジア各国からの来訪者が堅調である。中国からの訪日客が78万人(同18.9%増)、台湾が53万人(同12.0%増)と伸びており、円安による訪日観光需要の高まりが顕著に表れている。一方、香港からの訪日客は15万人(同12.2%減)と減少した。出国日本人数も139万人(同15.0%増)と、海外旅行需要の回復傾向が確認されている。

宿泊業では、延べ宿泊者数が6,682万人泊(同0.8%増)、外国人宿泊者数が1,353万人泊(同1.4%増)で、全体の20.3%を占めた。地域別では、東京圏1,386万人泊(同2.3%減)、大阪圏888万人泊(同5.0%減)と主要都市圏で微減した一方、地方圏では安定した需要が見られる。観光消費では、訪日外国人の旅行消費額が2兆1,310億円(同11.1%増)と過去最高水準を維持しており、インバウンドが国内経済をけん引している。

また、自動車産業においては、2025年8月の新車登録台数が19万台(同10.6%減)、軽自動車販売台数が11万台(同4.3%減)となり、自動車市場はやや停滞している。一方、自動車保有台数は8,301万台(同0.2%増)と過去最高水準を維持した。高速道路の通行台数は1億6,952万台(同1.9%増)で、物流・観光需要の回復が背景にある。

これらのデータから、国土交通分野では建設需要が引き続き堅調である一方、住宅市場や輸送業の一部に調整局面が見られる。観光産業ではインバウンド需要が強く、地域経済の再生に寄与している。

この記事の要点

  • 令和7年10月17日、国土交通月例経済(10月号)を公表
  • 建設工事元請受注高は6兆2,851億円、前年同月比9.4%増
  • 新設住宅着工戸数は6万275戸、前年同月比9.8%減
  • 訪日外客数は327万人、前年同月比13.7%増
  • 訪日外国人旅行消費額は2兆1,310億円、前年同期比11.1%増
  • 航空輸送人員は国内1,045万人、国際149万人で共に増加
  • 自動車新車登録は19万台、前年同月比10.6%減

⇒ 詳しくは国土交通省のWEBサイトへ

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