補助金・助成金, 労務・人事ニュース

TOP
お知らせ
補助金・助成金, 労務・人事ニュース
愛荘町が介護職員研修を支援、受講料の2分の1補助・上限3万5000円

2025年11月23日

補助金・助成金, 労務・人事ニュース

愛荘町が介護職員研修を支援、受講料の2分の1補助・上限3万5000円

令和7年介護職員初任者研修受講補助金

滋賀県愛知郡愛荘町では、地域における介護人材の確保と育成を目的として、「介護職員初任者研修受講補助金」制度を設けている。この制度は、介護分野で働きたい人や既に介護業務に携わっている人が、基礎的な知識や技術を身につけるために受講する「介護職員初任者研修」の費用負担を軽減し、介護職への参入を促すことを目的としている。高齢化が進む町内では、介護職員の確保が喫緊の課題となっており、この補助制度は人材の育成と定着を後押しするものとして期待されている。

対象となるのは、愛荘町内に住所を有する者、または町内にある愛知高等学校もしくは愛知高等養護学校に在籍している者である。町内在住者だけでなく、将来的に町内の福祉分野での就労を目指す高校生も対象に含まれる点が特徴だ。研修修了後、町内の介護施設や障害福祉施設で3か月以上継続して勤務している者、または勤務の見込みがある者が補助の対象となる。ただし、すでに国や県など他の公的助成を受けている場合や、町税などの滞納がある場合は対象外となる。

補助金の金額は、受講料などに対して2分の1の金額を乗じた額（千円未満切り捨て）または35,000円のいずれか少ない方の金額が支給される。たとえば、研修費用が6万円の場合、半額の3万円が補助金として交付されることになる。この補助金は、町が設定した上限の範囲内で支給されるため、受講費用が高額な場合でも負担を軽減できる。

介護職員初任者研修は、介護分野で働くうえで必要不可欠な基礎的知識と実践力を養う研修であり、資格を取得することで介護現場での即戦力として活躍できる。愛荘町では、資格取得を通じて町内の介護サービスの質を高めることを目指しており、若年層から中高年層まで幅広い世代に対して学び直しの機会を提供している。特に、福祉業界に興味を持つ高校生が早い段階で基礎資格を取得し、地域の介護分野に貢献することを促す狙いもある。

町によると、この補助金制度の導入は、介護現場の人材不足に歯止めをかけるための実践的な取り組みの一つとして位置づけられている。介護の仕事は社会的に重要な役割を担っているが、資格取得にかかる費用や時間の負担が参入の壁となっている現実がある。そこで町は、費用の一部を公的に支援することで、介護分野への新規参入を後押しし、地域全体で持続可能な福祉体制を築くことを目指している。

補助の申請には、研修の修了証明書や受講料の領収書、就労を証明する書類などが必要となる。高等学校在籍者の場合は、卒業後に町内の福祉施設で働く見込みがあることが条件となるため、事前に進路を見据えた申請準備が求められる。また、町税などの滞納がないことが条件とされているため、申請時には税の納付状況を確認しておくことが重要だ。

愛荘町の担当部署では、「地域の福祉を支える人材を育てるために、経済的な負担を少しでも軽減したい」という方針を示している。今後も介護人材の確保を目的とした支援策を継続的に展開し、町全体で支え合う地域福祉の実現を目指していく考えだ。特に、介護人材の定着とキャリア形成を促進するため、将来的にはより高度な研修支援や資格取得後のフォローアップ体制の充実も視野に入れている。

この補助制度は、町民だけでなく町内で学ぶ高校生にも門戸を開いている点で特色があり、若年層からの介護分野への参入を促す重要なきっかけになるとみられている。資格取得を検討している人にとっては、費用を抑えながら安心して学べる環境が整えられており、愛荘町の福祉分野に関心を持つ人材にとって大きな支援策となるだろう。

制度の詳細や申請書類の様式は、愛荘町の公式サイトで公開されており、交付要綱や申請書式もPDF形式で確認することができる。申請を希望する場合は、受講修了後できるだけ早めに手続きを行うことが推奨されている。愛荘町では今後も、地域の高齢者が安心して暮らせるまちづくりを支えるため、介護職員の育成と確保に力を入れていく方針を掲げている。

⇒ 詳しくは愛荘町のWEBサイトへ