2025年11月24日
労務・人事ニュース
第1回「食と農をつなぐアワード」4部門で受賞者決定、令和7年11月8日に表彰式が開催された
- 常勤・サービス業界の看護師/車通勤可/即日勤務可/シフト
最終更新: 2025年11月23日 09:34
- 訪問看護業務/即日勤務可/シフト
最終更新: 2025年11月23日 09:34
- 非常勤・病院・クリニックの看護師/即日勤務可/週4日以下/シフト
最終更新: 2025年11月23日 09:34
- 常勤・サービス業界の看護師/車通勤可/即日勤務可/シフト
最終更新: 2025年11月23日 09:34
第1回「食と農をつなぐアワード」受賞者決定(農水省)
この記事の概要
農林水産省は、食料システムに関わる企業や団体などの優れた取り組みを顕彰する「食と農をつなぐアワード」の第1回受賞者を発表した。食料の安定供給、食品アクセスの確保、持続的食料システムの確立、スマート農業技術の開発・普及の4部門で表彰が行われ、農林水産大臣賞をはじめとする各賞が決定した。表彰式は令和7年11月8日に東京都内で開催された。
令和7年10月31日、農林水産省は第1回「食と農をつなぐアワード」の受賞者を公表した。この表彰制度は、国内の食と農の持続可能な関係構築を目的とし、生産から消費までの多様な担い手が連携し合う取り組みを広く社会に紹介するものである。農林水産省が推進する「ニッポンフードシフト」事業の一環として創設され、令和6年の食料・農業・農村基本法の改正および令和7年4月の新基本計画の閣議決定を背景に実施された。これらの政策では、食料システムの各段階に関わる関係者が相互に理解し、協働する仕組みづくりが求められており、その具体化としてこの表彰が位置づけられている。
今回の第1回では、全国から多くの企業や団体、個人が応募し、有識者による厳正な審査を経て、各部門で農林水産大臣賞、大臣官房長賞、各局長賞が選出された。表彰部門は4つに分かれており、いずれも日本の食と農の未来を支える取り組みが評価されている。
まず、食料の安定供給部門では、耕作放棄地を再生し、AIやドローン技術を活用した効率的な施肥管理を行うことで、環境保全と生産性向上の両立を実現した取り組みが最高賞に選ばれた。この事例は、テクノロジーと伝統的な農業を融合させた持続可能な生産体制の新たなモデルとして注目を集めている。また、地域の多様な関係者が連携し、アプリを通じた合意形成の効率化によって農地集約を進めた取り組みや、地元産農産物を機能性食品として開発し海外展開を図った活動も評価を受けた。これらの事例は、地域の課題解決と産業振興を両立させる点で、今後の農業政策や企業連携のモデルケースとなるだろう。
食品アクセスの確保部門では、生活困窮者や被災地への食支援に長年取り組み、持続可能なフードバンク運営の指針を構築した活動が高く評価された。この分野では、移動販売を通じて買い物弱者を支援し、同時に地域の見守りや交流を促進する事業も表彰された。さらに、個人で食品流通と支援活動を兼ねた事例もあり、地域密着型の柔軟な発想が評価された。こうした取り組みは、少子高齢化が進む地方や災害時における食料アクセス問題に対する新しい解決策として期待されている。
持続的食料システムの確立部門では、水産資源の安定供給に向けて、漁獲量の多い時期に一定価格で買い支える仕組みを整え、先端加工技術によって鮮度保持期間を長期化させる取り組みが最高賞を受賞した。この手法は、漁業の収益安定化だけでなく、フードロスの削減にもつながる。また、地域の未利用農産物を活用し、製菓材料などに加工することで、生産者と食品産業をつなぐ事業も評価された。さらに、AIと自動化技術を活用して環境変動に強い植物工場を運営し、脱炭素社会への貢献を目指す取り組みも選ばれた。これらの取り組みは、食料供給の安定化と環境負荷の軽減という、現代社会が直面する課題に対する先進的な実践例である。
スマート農業技術等の開発・普及部門では、AIやロボティクスを活用した収穫支援技術を現場実装し、農業労働力不足の解消に貢献した事例が最高賞を獲得した。農業従事者の高齢化が進む中で、テクノロジーによる作業効率の改善と生産性向上を両立させた点が高く評価されている。そのほか、農業現場の環境を可視化し、データに基づく経営判断を支援するシステムの開発や、プラズマ技術を用いて農産物の鮮度を長期間保つ技術開発など、先端技術と実用性を兼ね備えた取り組みが表彰された。これらの技術は、食料生産と流通の現場での効率化を推進するものであり、将来的には海外輸出の競争力強化にも寄与するとみられている。
表彰式は令和7年11月8日午後1時から、東京都千代田区の会場で開催された。今回のアワード創設は、単なる表彰制度にとどまらず、国全体で「食と農の未来」を共有し、より持続可能な社会を築くための意識改革を促すものといえる。企業の採用担当者にとっても、このような動きは無関係ではない。近年、企業の社会的責任(CSR)やESG経営への関心が高まる中で、食料問題や地域連携に関する取り組みは、採用ブランディングの一環として注目を集めている。社会課題の解決に寄与する事業に共感する人材は増えており、こうした国の表彰事例は、採用活動における価値訴求の具体例として活用できる。特に、持続可能性や地域貢献を重視する若手層の採用戦略においては、こうした取り組みを積極的に自社の姿勢と重ねて発信することが効果的である。
「食と農をつなぐアワード」は、これまで個々に進められてきた地域の取り組みを全国的に可視化し、食料システムの革新に向けた共創の場を提供するものだ。今後もこの表彰制度を通じて、農業の生産現場から消費者の食卓までを一体で支える新しい連携の形が広がっていくことが期待されている。
この記事の要点
- 第1回「食と農をつなぐアワード」の受賞者が決定
- 4部門で農林水産大臣賞など各賞を発表
- 令和7年11月8日に東京都内で表彰式が開催された
- 食料の安定供給・食品アクセス確保・持続的食料システム・スマート農業技術の4分野を対象
- AIやドローン、データ農業、プラズマ技術など先端技術の活用が目立つ
- 地域連携や社会課題解決を重視する姿勢が評価の鍵
- 採用活動では持続可能性と地域貢献を重視する企業姿勢が求められる
⇒ 詳しくは農林水産省のWEBサイトへ


