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2025年11月25日

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令和7年10月発表 全国2,669機関で日本語教育を実施、学習者は過去最多の29万4,198人

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日本語教育実態調査-令和6年度 結果の概要-(文科省)


この記事の概要

文部科学省は令和6年度「日本語教育実態調査」の結果を公表し、国内の日本語教育の全体像を明らかにした。調査は令和6年11月1日時点で実施され、全国の大学、地方公共団体、国際交流協会、民間機関など8,478件に調査票を配布し、4,768件から回答を得た(回収率56.2%)。調査の結果、日本語教育を実施する機関・施設は全国で2,669、教師数は50,309人、学習者数は29万4,198人に上ることが判明した。


文部科学省が令和6年度に実施した日本語教育実態調査は、在留外国人の急増と多文化共生社会の進展を背景に、国内における日本語教育の現状を把握することを目的として行われた。令和6年11月1日時点で、全国の日本語教育を行う2,669機関が確認され、そこに所属する教師は50,309人、学習者は29万4,198人に達した。特に法務省告示機関が648か所(全体の24.3%)と最も多く、日本語教育の中心的役割を担っていることがわかる。

平成2年度の調査では821機関だったが、この30年間で3.3倍に増加した。また、教師数も8,329人から約6倍の50,309人に、学習者数も約4.9倍に増加しており、日本語教育が急速に拡大していることを示している。これは、在留外国人が令和6年末時点で約377万人に達し、過去最高を記録したことと軌を一にしている。

教師の構成を見ると、常勤6,847人(13.6%)、非常勤16,741人(33.3%)、ボランティア26,721人(53.1%)であり、半数以上がボランティアによって支えられている点が特徴的だ。年代別では60代が最も多く全体の21.7%を占め、次いで50代が19.3%、70代以上が14.7%と続く。日本語教育は高年齢層の社会参加の場としても機能していることが伺える。

一方、学習者数の内訳では法務省告示機関に所属する学習者が13万6,232人(全体の46.3%)で最多であり、大学等機関が5万4,928人、地方公共団体や教育委員会が3万7,218人と続く。新型コロナウイルス感染症の影響により令和2~3年度には減少が見られたが、令和4年度以降は再び増加傾向に転じている。

学習者の属性では留学生が全体の65.4%を占める19万2,525人と圧倒的に多く、次いでビジネス関係者及びその家族が1万9,526人(6.6%)、研修生・技能実習生が1万3,284人(4.5%)となっている。出身地域別ではアジア出身者が全体の84.5%を占め、特に中国(7万8,821人)、ネパール(4万5,821人)、ベトナム(3万3,547人)の3か国で全体の半数を超えている。

滞日年数でみると、1年未満の学習者が10万9,537人(37.2%)と最も多く、1年~3年が26.3%、5年以上がわずか3.3%であることから、短期滞在や新規入国者への教育支援が重視されていることがうかがえる。

また、都道府県別の分布を見ると、東京都が圧倒的に多く、394機関で12,320人の教師が活動し、学習者は8万9,992人に達している。次いで大阪府が4,981人の教師と2万9,500人の学習者、愛知県が3,315人の教師と1万4,954人の学習者と続く。これら大都市圏では外国人居住者の集中に合わせて教育需要が高い。

文部科学省は令和6年4月に日本語教育を文化庁から移管し、新たに「日本語教育課」を設置した。この体制の下で、日本語教育機関の認定制度や「登録日本語教員」の資格制度が始まり、日本語教育の質の向上と標準化が進められている。特に、地域における「日本語教育の参照枠」の導入や「地域日本語教育コーディネーター」の配置が進んでおり、地方自治体や地域社会が担う教育ネットワークの整備が加速している。

このように、令和6年度の調査結果は、ボランティアを含めた多様な担い手によって日本語教育が支えられている現状とともに、都市部を中心にした教育需要の高まりを明確に示している。今後は、地方の空白地域への教育支援の拡充や、若年層日本語教師の育成、デジタル教材の導入などが課題となる。日本語教育は単なる言語教育にとどまらず、外国人が地域社会に定着し共生するための基盤整備として、ますます重要性を増している。

この記事の要点

  • 令和6年度日本語教育実態調査で全国2,669機関が日本語教育を実施
  • 教師数は50,309人、学習者数は29万4,198人で過去最高水準
  • ボランティア教師が全体の53.1%を占める
  • 学習者の65.4%は留学生、アジア出身者が84.5%を占める
  • 東京都が学習者数8万9,992人で全国最多
  • 新制度「登録日本語教員」や「教育機関認定制度」が令和6年4月に開始
  • 地域日本語教育コーディネーター配置が進展し、地方格差是正を推進

⇒ 詳しくは文部科学省のWEBサイトへ

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