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2025年11月25日

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令和7年9月青森県の有効求人倍率1.07倍、求人減少の中でも安定維持

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青森県の雇用情勢について(青森労働局)


この記事の概要

令和7年9月、青森労働局が発表した最新の雇用統計によると、県内の有効求人倍率(季節調整値)は1.07倍となり、前月比で0.03ポイント低下した。5か月ぶりの低下であり、求人数の減少が続く一方で、求職者数もやや減少している。求人が求職を上回る状態は維持されているものの、雇用情勢の持ち直しにはやや弱さが見られる。この記事では、令和7年9月の青森県の雇用動向を踏まえ、中小企業の採用担当者が今後どのような採用活動を行うべきかを詳しく分析する。


令和7年9月、青森労働局が公表した雇用情勢によると、県内の有効求人倍率は1.07倍となり、前月の1.10倍から0.03ポイント低下した。前年同月との比較でもわずかに下回り、求職者1人に対して1.07件の求人がある状態となっている。54か月連続で1倍を超える水準を維持しているものの、近月は求人数の減少が続いており、雇用市場全体に慎重な空気が漂っている。青森労働局はこの結果について「求人が求職を上回っているが、持ち直しの動きに弱さが見られる」としている。

新規求人倍率は1.65倍で、前月から0.16ポイントの低下となった。2か月連続の下落であり、企業の新規採用意欲に落ち着きが見られる。新規求人数は7,838人で前月比12.6%減、前年同月比でも4.4%減少している。特に製造業や宿泊・飲食業、医療・福祉などで求人減が目立ち、景気や物価上昇の影響が採用活動にも及んでいることがうかがえる。

業種別に見ると、建設業の新規求人数は1,346人で前年同月比6.7%減、製造業は707人で2.5%減少した。一方で、卸売・小売業は1,134人で7.2%増加し、サービス業は1,240人で11.4%増となっている。特に小売業や生活関連サービス業では、地域需要の回復や観光客の増加に伴い、求人が増加傾向にある。ただし、宿泊・飲食業は420人と前年より23.9%減少しており、深刻な人手不足と人件費上昇の影響で新規募集を控える動きが続いている。医療・福祉も2,054人で10%減少し、長年の課題である人材確保の難しさが一層浮き彫りとなった。

企業規模別では、29人以下の小規模事業者が前年同月比で1.4%増、100〜299人規模の企業が6.5%増となる一方、30〜99人規模では17.3%減、500人以上の大企業では20%を超える減少となった。つまり、大企業ほど採用を慎重に進めている一方で、地域密着型の中小企業が一定の求人を維持している状況である。この傾向は、青森県の経済構造を反映したものであり、地場企業の採用活動が地域の雇用を下支えしている。

地域別に見ると、八戸が1.44倍と最も高く、弘前1.22倍、十和田1.35倍がこれに続く。一方で、三沢は0.68倍、野辺地は0.91倍と低く、地域格差が依然として大きい。都市部では観光や小売関連の求人が多く、地方部では建設業や製造業に偏るなど、産業構造の違いがそのまま求人倍率に表れている。こうした地域差を理解せずに一律の採用活動を行うと、効果が薄れる可能性が高い。

正社員の有効求人倍率は1.04倍で、前年同月比0.02ポイントの上昇。正社員志向の求職者が増える中で、企業が長期的な雇用を重視する姿勢を見せ始めていることがわかる。しかし正社員の新規求人は4,367人と1%減少しており、採用計画を見直す企業も多い。就職件数は714件で前年を上回ったことから、採用数よりも「採用の質」を重視する傾向が強まっているといえる。

このような状況の中で、中小企業の採用担当者が重視すべきは「採用の精度」と「求人情報の魅力」である。有効求人倍率1.07倍という数字は、単純に人材が余っていることを意味しない。むしろ、企業が求める人材像と求職者の希望条件が合わない「ミスマッチ」の状態が続いていることを示している。中小企業はまず、自社の求人票を見直し、仕事内容、待遇、職場環境、成長支援の内容を具体的に記載することが重要だ。漠然とした表現では応募が集まりにくく、特に若年層にとっては仕事内容がイメージできるかどうかが応募の決め手になる。

また、採用活動のスピード感も問われている。応募から面接までの期間が長いと、求職者は他社に流れてしまう。小規模企業ほど迅速な対応が求められ、採用決定のプロセスを簡素化することが有効だ。さらに、オンライン面接やウェブ説明会の導入も効果的である。青森県では依然としてハローワーク経由の採用が多いが、近年は求人サイトやSNSを利用する企業も増えており、特に若年層の採用にはデジタル媒体の活用が欠かせない。

青森県は全国的に見ても若年層の県外流出が続く地域である。そのため、採用担当者は「地元で働くことの価値」をいかに伝えるかが鍵となる。例えば、地域貢献性や家族との時間を確保できる職場環境、安定した生活基盤の提供など、青森で働くことの具体的な利点を発信することで、求職者の心に響く採用広報が可能になる。

加えて、地域企業はシニア層や女性人材の活用にも注力すべきである。人手不足が慢性化する中、経験豊富な人材の再雇用や短時間勤務の活用によって、柔軟な雇用体制を築くことができる。採用を単発の活動ではなく、長期的な人材戦略として捉えることが、これからの中小企業経営に欠かせない視点である。

総じて、有効求人倍率が1倍を上回る状態は続いているが、採用市場は確実に変化している。応募者の価値観が多様化し、企業側の発信力と柔軟性が問われる時代に入った。採用担当者はデータを基に現状を的確に読み取り、自社の魅力を的確に伝える戦略を立てることが、採用成功への第一歩となる。

この記事の要点

  • 令和7年9月の青森県有効求人倍率は1.07倍で前月比0.03ポイント低下
  • 新規求人倍率1.65倍で2か月連続の下落
  • 製造業・宿泊業・医療福祉で求人減少、小売・サービス業で増加
  • 小規模企業が求人を維持、大企業では採用抑制の傾向
  • 正社員有効求人倍率1.04倍で長期雇用志向が継続
  • 地域格差が拡大、八戸・弘前が高水準、三沢が低水準
  • 中小企業は求人の具体化と迅速な採用対応が重要

⇒ 詳しくは青森労働局のWEBサイトへ

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