2025年11月26日
労務・人事ニュース
令和7年9月 群馬県の有効求人倍率1.21倍 6か月連続の減少
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最終更新: 2025年11月25日 02:31
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労働市場速報(令和7年9月)(群馬労働局)
この記事の概要
令和7年9月、群馬労働局が発表した雇用統計によると、群馬県の有効求人倍率(季節調整値)は1.21倍で、前月から0.02ポイント低下した。これで6か月連続の減少となり、全国平均の1.20倍をわずかに上回る水準を維持している。新規求人倍率は2.10倍と前月より0.12ポイント上昇したものの、新規求人数は前年同月比で8.0%減の11,731人と3か月連続の減少が続いた。求人は求職を上回っているが、県内雇用は緩やかな減速傾向にあり、企業の採用活動には慎重さが見られる。
令和7年9月の群馬県の有効求人倍率(季節調整値)は1.21倍で、前月の1.23倍から0.02ポイント低下した。全国平均の1.20倍をわずかに上回り、全国順位は21位となっている。求人が求職を上回る状況は続いているものの、県内の雇用環境はやや冷え込みつつあり、6か月連続での低下は企業側の採用意欲が慎重化していることを示している。有効求人数(原数値)は32,293人で前年同月比7.9%減と31か月連続の減少。有効求職者数は26,631人で前年同月比1.9%増と2か月連続の増加となった。つまり、求人は減り、求職者が増える傾向にある。このことは、コロナ禍後の回復期にあった労働市場が、ここに来て均衡に向かいつつあることを意味している。
新規求人倍率(季節調整値)は2.10倍で前月比0.12ポイント上昇したが、新規求人数(原数値)は11,731人で前年同月比8.0%減、3か月連続のマイナスとなった。新規求職者数は5,622人で前年同月比1.1%減とやや減少している。新規求人数と有効求人数のいずれも減少しており、企業側の採用活動が抑制されている一方、労働者側の求職活動は落ち着いている状況が続いている。群馬労働局は「求人は緩やかに減少しており、物価上昇などが雇用に与える影響に注意が必要」と総括しており、経済環境の不透明感が企業の採用方針に影響していることがうかがえる。
産業別の動向を見ると、製造業の新規求人は1,918人で前年同月比8.5%減、3か月連続の減少となった。特に輸送用機械器具製造業が20.8%減、金属製品製造業が19.2%減と落ち込みが大きく、主力産業である自動車関連の需要減速が影響している。一方、電気機械器具製造業は18.4%増と増加に転じており、電子部品や電力機器などの分野で堅調な動きが見られる。建設業は1,104人で前年同月比23.5%減と2か月連続の減少。資材価格の上昇や公共事業の一服感が影響し、採用活動がやや停滞している。
運輸業・郵便業は793人で前年同月比20.2%増と3か月ぶりの増加を記録した。EC需要や物流の再構築が進む中でドライバー職の求人が引き続き多く、労働力不足が顕著な業種である。医療・福祉分野は762人で前年同月比2.9%減と小幅な減少にとどまり、安定した採用需要が続く。宿泊業・飲食サービス業は953人で前年同月比16.3%減と2か月連続の減少。人件費高騰や営業時間短縮などによる採用抑制が影響している。卸売・小売業も1,609人で前年同月比16.0%減と再び減少に転じ、個人消費の伸び悩みが人員計画に反映されている。サービス業(他に分類されないもの)は517人で前年同月比23.5%減と2か月連続の大幅減少となり、広告・イベント・教育関連などで需要が弱まった。
正社員有効求人倍率(原数値)は1.03倍で、前年同月と同水準を維持している。正社員求人は底堅く推移しており、安定雇用を重視する動きが続いている。群馬労働局の統計では、正社員求人の求職者数に派遣社員や契約社員希望者も含まれるため、実際の倍率はやや高いと考えられる。中小企業では、正社員採用を打ち出すことが人材確保の有力な手段となっており、働き方の柔軟性や職場定着率向上の工夫が必要とされている。
地域別に見ると、有効求人倍率は藤岡が1.55倍と最も高く、次いで富岡の1.42倍、高崎の1.58倍が続く。県北部の沼田では1.38倍、中之条では1.70倍と高水準を維持しているが、桐生では0.84倍、渋川では0.83倍と低水準にとどまり、地域間格差が顕著である。製造業が集積する太田や館林などの東部地域でも1倍前後にとどまっており、企業間での人材獲得競争が激しさを増している。
こうした雇用情勢を踏まえると、中小企業の採用担当者は、有効求人倍率を「市場の温度計」として活用する視点が欠かせない。1.21倍という数値は、求職者1人に対して1件以上の求人があることを意味しており、人材獲得競争が依然として激しい状況にある。求職者が企業を選ぶ立場にある現状では、単に求人を出すだけでは応募が集まりにくい。採用担当者は、自社の魅力を明確に伝える「求人ブランディング」を強化する必要がある。給与や休日制度といった条件面に加え、働く意義や社内文化、将来の成長機会といった非金銭的価値を積極的に発信することが重要だ。
また、群馬県では新規求人が減少傾向にある中で、採用活動の効率化が求められている。ハローワークインターネットサービスの機能拡充により、オンラインでの求職活動が増加しているため、企業側もデジタル発信を重視する必要がある。求人票の作成においても、写真や動画を活用し、実際の職場の雰囲気を伝えることで応募意欲を高めることができる。特に中小企業は、大手と比べて知名度が低いため、こうした可視化戦略が採用力を左右するポイントとなる。
製造業では、人材確保が難しい一方で、電気機械や電子部品など成長産業における求人が増えている。中小企業は、これらの成長分野においても自社の技術力や独自性を打ち出すことが重要である。建設業では高齢化が進む中、若手人材の確保と育成が課題であり、資格取得支援制度や地域密着型の教育体制を整えることが効果的である。運輸業や福祉業では、柔軟な勤務体系や多様な雇用形態の導入がカギとなる。
今後の採用活動において中小企業が意識すべきは、「有効求人倍率を読む力」と「人材を惹きつける発信力」である。求人倍率が低下する局面では、採用市場が落ち着いて見える一方で、優秀な人材はより条件の良い職場を求めて流動する傾向が強まる。こうした中で、企業が求職者に選ばれるためには、単なる待遇改善ではなく「働くことの意義」を明確に伝えるストーリーが求められる。
この記事の要点
- 令和7年9月の群馬県有効求人倍率は1.21倍 前月比0.02ポイント低下
- 6か月連続の減少 新規求人倍率は2.10倍でやや上昇
- 新規求人数は前年同月比8.0%減 3か月連続の減少
- 有効求人数は32,293人で31か月連続の減少
- 製造業・建設業は減少 運輸業が20.2%増と回復傾向
- 地域格差拡大 桐生0.84倍 中之条1.70倍
- 中小企業は「選ばれる採用戦略」への転換が必要
⇒ 詳しくは群馬労働局のWEBサイトへ


