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2025年11月26日

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令和7年9月 東京都有効求人倍率1.72倍 採用競争さらに激化

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東京の一般職業紹介状況を公表します(東京労働局)

この記事の概要

令和7年9月、東京労働局が発表した雇用情勢によると、有効求人倍率(季節調整値)は1.72倍となり、前月より0.05ポイント上昇した。新規求人倍率も3.54倍と高水準を維持しており、求人が求職を上回る状況が続いている。物価上昇の影響などにより、企業の採用活動は依然として慎重さを保ちながらも、人材確保への意欲が高まっている。


令和7年9月の東京都の有効求人倍率(季節調整値)は1.72倍となり、前月比で0.05ポイント上昇した。全国平均の1.20倍を大きく上回る結果であり、東京の労働市場が全国の中でも活発な動きを見せていることがわかる。求人が求職を上回る状況が継続しており、人材の奪い合いが一層激化している。特に新規求人倍率は3.54倍と、前月より0.24ポイント上昇しており、企業の新たな採用意欲の高まりが明確に示された。

有効求人数は35万620人で前年同月比1.1%減となり、4か月連続で前年を下回った。一方、有効求職者数は20万7,818人で前年同月比1.2%増となり、24か月連続で増加している。つまり、求職者数の増加に対して求人の減少がわずかに進んでおり、求人倍率の上昇にもかかわらず、求人内容や条件に対するミスマッチが拡大している可能性がある。

新規求人数は12万2,882人で前年同月比0.2%減と2か月連続の減少だったが、新規求職者数は3万3,544人で3.6%増加しており、7か月連続で前年を上回った。特に離職者数が増加しており、前年同月比1.8%増の1万5,610人となった。自己都合離職者は1万859人で前年同月比3.8%増と、より良い条件を求めて転職を志向する動きが顕著になっている。

職業別では、専門的・技術的職業で有効求人倍率が2.17倍、販売従事者で2.65倍、サービス職業従事者で5.62倍と高水準を維持している。特に介護サービス職業従事者は9.74倍と極めて高い数値を示し、介護や福祉分野での慢性的な人手不足が続いていることが分かる。一方で、事務的職業は0.45倍、一般事務に至っては0.38倍と依然として低い。求職者が集中しやすい職種では競争が激しく、採用担当者にとっては「応募者が多いが、採用に至らない」という構造的な課題が続いている。

産業別では宿泊業・飲食サービス業が前年同月比19.4%増と大幅に増加した。観光需要の回復やインバウンドの増加が背景にあり、サービス業全体で求人が活発化している。医療・福祉業も6.9%増となり、安定した需要の高まりを見せている。一方、卸売・小売業は13.4%減、建設業は11.1%減、生活関連サービス業・娯楽業も10.2%減と、コスト上昇や人件費負担の影響で採用が抑制されている。製造業は3.3%増とやや回復傾向を見せたが、依然として中小企業の採用活動には慎重さが残る。

正社員有効求人倍率は1.14倍と前年同月比で0.02ポイント低下した。正社員求人は15万6,449人で前年同月比1.0%減、3か月連続の減少となった。正社員新規求人も5万1,144人で1.7%減と低調である。正社員就職件数は1,914件で前年同月比4.1%減少しており、企業側が雇用の安定化を図りつつも、採用リスクを回避する姿勢を強めていることがうかがえる。

こうしたデータの背景には、物価上昇や円安によるコスト圧力、採用後の人材定着リスクの高まりといった要因がある。特に中小企業においては、給与水準や福利厚生面で大企業と競合することが難しく、採用市場での優位性をどのように確立するかが課題となっている。

東京は全国の中でも求人倍率が高く、1.72倍という数値は企業側の採用意欲の強さを示しているが、それは同時に「採用難の深刻化」を意味する。中小企業の採用担当者にとって重要なのは、この倍率を単なる数字として見るのではなく、「市場の競争環境を示す指標」として戦略的に活用することである。例えば、業界別に求人倍率を分析し、自社がどの分野で優位に立てるかを見極めることが求められる。

また、採用活動のスピードと質の両立も不可欠である。東京都内では求職者の動きが活発であり、条件の良い求人に対しては応募が集中する。したがって、中小企業は選考プロセスを迅速化し、面接から内定までの期間を短縮する工夫が必要だ。さらに、給与や待遇面の改善が難しい場合には、「働きがい」や「柔軟な働き方」といった非金銭的価値を訴求することが効果的である。

特に東京都では、テレワークや副業制度の導入が一般化しており、採用担当者はこうした制度を整備し、求人情報に明記することで応募意欲を高めることができる。また、採用後の定着を重視するためには、メンター制度やキャリア面談の実施など、社内の育成体制を整えることが望ましい。

さらに、デジタル人材や介護人材など、人手不足が顕著な分野では、異業種からの採用を積極的に進めることが鍵となる。特にDX推進を進める企業では、情報通信業の求人が1.0%増加しており、経験よりもポテンシャルを重視した採用が増えている。中小企業は、未経験者の採用後の教育体制を整備し、育成を前提とした長期的な採用戦略を取ることが有効だ。

東京の労働市場は、雇用の流動性が高い一方で、採用コストも上昇している。ハローワークだけでなく、オンライン求人サービスやSNSを活用するなど、採用チャネルを多様化することが求められる。求職者は企業文化や職場環境を重視する傾向が強まっており、採用広報の重要性が増している。

最後に、中小企業の採用担当者に伝えたいのは、求人倍率が高い今こそ「選ばれる企業づくり」が不可欠だということである。短期的な採用成功にとどまらず、働きがいのある職場づくり、従業員の声を活かす組織文化の形成こそが、継続的な人材確保につながる。東京のような競争の激しい市場では、採用の巧拙が企業成長の行方を左右する。

この記事の要点

  • 令和7年9月の東京都有効求人倍率は1.72倍 前月比0.05ポイント上昇
  • 新規求人倍率は3.54倍で採用意欲が活発
  • 宿泊業・飲食サービス業は19.4%増 医療・福祉は6.9%増
  • 卸売業・小売業13.4%減 建設業11.1%減
  • 正社員有効求人倍率1.14倍でやや低下傾向
  • 中小企業はスピード選考と柔軟な働き方提案が採用成功の鍵

⇒ 詳しくは東京労働局のWEBサイトへ

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