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2025年11月27日

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令和7年9月 山梨県有効求人倍率1.32倍 前月比0.05ポイント上昇

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山梨県の労働市場の動き(令和7年9月分)(山梨労働局)

この記事の概要

令和7年9月、山梨労働局が発表した最新の労働市場動向によると、県内の有効求人倍率(季節調整値)は1.32倍となり、前月比0.05ポイント上昇した。新規求人倍率は2.16倍で前月比0.11ポイント低下したが、引き続き全国平均(1.20倍)を上回っている。正社員有効求人倍率も1.05倍と前年同月より上昇し、県内の雇用情勢は全体として堅調に推移している。一方で、産業ごとに求人動向に差が生じており、製造業や運輸業では採用が活発化している一方、建設業や宿泊業・飲食業では求人が減少するなど、業界ごとの明暗が見られる。


令和7年9月の山梨県における有効求人倍率(季節調整値)は1.32倍で、前月より0.05ポイント上昇した。新規求人倍率(季節調整値)は2.16倍で、前月比0.11ポイント低下し、2か月連続の減少となった。正社員の有効求人倍率(原数値)は1.05倍で、前年同月より0.03ポイント上昇している。これらの数値から、山梨県内では引き続き「人手不足感が強い中での採用競争」が続いていることが読み取れる。

有効求人数(季節調整値)は16,545人で前月比2.8%増(457人増)、有効求職者数は12,557人で前月比1.0%減(125人減)となった。求職者が減少する中で求人が増加しているため、採用難が一層進行している状況である。これは、景気の持ち直しに伴い企業の採用意欲が高まっていることに加え、求職者側の選択肢が広がっていることを意味している。

一方、新規求人(原数値)は5,684人で前年同月比0.6%減(32人減)となり、やや減少傾向がみられる。業種別にみると、製造業(8.4%増・71人増)、運輸業・郵便業(56.8%増・125人増)、学術研究・専門・技術サービス業(0.9%増・1人増)、教育・学習支援業(32.4%増・34人増)、生活関連サービス業・娯楽業(4.0%増・12人増)などで求人が増加している。一方で、建設業(6.6%減・34人減)、情報通信業(9.6%減・9人減)、卸売業・小売業(9.3%減・58人減)、宿泊業・飲食サービス業(12.4%減・61人減)、医療・福祉(4.5%減・59人減)などでは減少が見られた。

特に製造業においては、主力である金属製品製造業が11.3%増(7人増)、はん用機械器具製造業が66.7%増(28人増)、生産用機械器具製造業が49.4%増(38人増)と顕著な伸びを示した。これらは地場産業の技術開発や受注増に伴う採用需要の高まりによるものであり、山梨県の産業構造の中核を担う分野で人材需要が強いことを裏付けている。反対に、電子部品・デバイス製造業(6.3%減)、電気機械器具製造業(31.9%減)、輸送用機械器具製造業(44.9%減)などは減少しており、製造業全体でも業種によって明暗が分かれている。

また、運輸業・郵便業では前年同月比56.8%増(125人増)と大幅な増加を見せており、物流需要の高まりとともにドライバーや倉庫職員などの人材確保が急務となっている。教育・学習支援業も32.4%増と好調で、子どもの教育需要の高まりや地域に根ざした教育事業の拡大が背景にあるとみられる。

新規求職者数(原数値)は2,535人で前年同月比3.9%増(96人増)となり、そのうちパートタイムは1,049人(0.7%増)で微増した。離職者の内訳を見ると、事業主都合による離職者は233人で7.5%減少、自己都合離職者は1,130人で8.8%増加しており、働く側の転職意欲が高まっていることがうかがえる。

このような動きから、山梨県の雇用市場は「求職者に有利な転職環境」が続いている一方で、企業側は採用難に直面していることが明らかである。有効求人倍率1.32倍という数字は、求職者1人に対して1.3件以上の求人が存在する状態を意味しており、中小企業にとっては人材獲得競争が避けられない状況にある。

中小企業の採用担当者がまず意識すべきは、スピードと情報の質である。求人票の作成から面接、内定までの一連の流れを迅速に進める体制を整えなければ、優秀な人材はすぐに他社へ流れてしまう。応募者対応の遅れは致命的であり、採用の意思決定を迅速化することが結果として採用成功率を高める鍵となる。

次に重要なのは、求人内容の訴求力である。賃金や休日などの条件面に加え、職場環境や社内風土、地域への貢献など非金銭的な魅力を明確に伝えることが、応募動機を引き出す上で効果的である。とくに山梨県では、県外への人材流出が長年の課題であるため、「地元で働く意義」や「地域とともに成長できる仕事」を発信することが求められる。

また、採用の手法を多様化させることも重要だ。ハローワークだけでなく、オンライン採用サイトやSNSなどのデジタルチャネルを活用し、県内外の人材に広くアプローチする取り組みが成果を上げている企業も増えている。Uターン・Iターン人材への情報発信を強化することも、地域企業にとっての有効な戦略である。

さらに、採用活動の中で見落とされがちなのが「定着支援」である。採用後の離職率を下げるためには、社員のキャリア形成支援や柔軟な勤務制度の導入が不可欠である。特に若年層においては、「働く意味」や「スキルアップの機会」が職場選びの大きな要因となっている。企業が社員の成長を支援する姿勢を明確に打ち出すことで、長期的な人材確保につながる。

このように、令和7年9月の山梨県の有効求人倍率1.32倍という数字は、単に採用環境の指標ではなく、「企業の採用力と地域経済の回復度を測る鏡」である。採用担当者にとっては、このデータを自社の採用計画にどのように反映させるかが今後の成長を左右する重要なポイントとなるだろう。

この記事の要点

  • 令和7年9月 山梨県有効求人倍率1.32倍で前月比0.05ポイント上昇
  • 新規求人倍率2.16倍 前月比0.11ポイント低下
  • 正社員有効求人倍率1.05倍 前年同月比0.03ポイント上昇
  • 製造業8.4%増 運輸業56.8%増 教育業32.4%増
  • 宿泊・飲食業12.4%減 医療・福祉4.5%減
  • 新規求職者2,535人 事業主都合離職7.5%減 自己都合離職8.8%増
  • 中小企業は採用スピードと求人訴求力の強化が鍵

⇒ 詳しくは山梨労働局のWEBサイトへ

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