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2025年11月29日

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【2025年9月の毎月勤労統計】名目賃金は上昇続くも産業格差が拡大

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毎月勤労統計調査 2025(令和7)年9月分結果速報等 第1表 月間現金給与額(厚労省)

この記事の概要

厚生労働省が2025年11月6日に公表した「毎月勤労統計調査(令和7年9月分)」によると、全産業の就業形態計における現金給与総額は29万7,145円で、前年同月比1.9%の増加となった。45か月連続のプラスであり、名目賃金は堅調に推移しているが、物価上昇の影響を受けて実質賃金はマイナスが続く。産業別では電気・ガス業や建設業、金融・保険業などで伸びが見られた一方、卸売・小売業や運輸業、医療・福祉分野では減少傾向がみられた。


今回の調査結果では、賃金の上昇が続く中でも産業による明暗が顕著となった。特に好調だったのは「電気・ガス業」「建設業」「金融・保険業」である。電気・ガス業は現金給与総額が49万6,170円と前年同月比4.8%増加し、全産業の中でも最も高い水準を維持した。特別に支払われた給与も4,855円で1.1%増と、安定した利益基盤のもとで着実な賃金上昇が続いている。エネルギー需要の高まりと設備投資の拡大が背景にあり、従業員への報酬水準も上昇している。

建設業も堅調で、現金給与総額は39万2,288円と前年より2.0%増加した。特別に支払われた給与も2万4,875円と大幅に増え、賃金上昇率は全産業の中でも突出している。人手不足や資材価格上昇への対応に伴う賃上げが進み、現場労働者の待遇改善が顕著に現れた形である。特に公共工事や都市再開発事業の活発化が、建設業界全体の賃金押し上げにつながっている。

また、金融・保険業も引き続き上向き傾向を示している。現金給与総額は44万1,226円で前年より5.0%増加し、特別に支払われた給与は1万8,637円と前年より23.3%減少した。これは一部で業績連動型賞与が抑制されたことによるものの、基本給や定期支給分が堅調に上昇している点が特徴である。資産運用や金融テクノロジー関連分野での競争が激化しており、人材確保を目的とした報酬引き上げが進んでいる。

一方で、賃金が低迷している業種もある。「卸売業・小売業」は現金給与総額26万5,497円で前年同月比2.0%減とマイナスに転じた。特別に支払われた給与は1万1,726円と前年を上回っている、消費需要の変動や価格競争の激化が賃金に影響している。人手不足による時給上昇が見られる一方、総給与額としては抑制傾向が続いている。

「運輸業・郵便業」も厳しい状況が続いており、現金給与総額は32万1,038円で前年より3.3%減少した。物流コストの上昇やドライバー不足の影響が重く、経営負担の増加が賃金水準の抑制につながっている。所定外給与(残業代)の削減や業務効率化によって支給額が抑えられたことも背景の一つである。

「医療・福祉」分野も低迷が続く。現金給与総額は27万240円で前年より2.3%増、特別に支払われた給与も2,018円と増えてはいるがといった状況である。慢性的な人手不足や介護現場の過重労働が課題であり、職員の待遇改善が十分に進んでいない実態が浮き彫りとなった。医療機関や福祉施設では財政負担が重く、十分な賃上げが難しい構造的課題が続いている。

このように、産業によって賃金動向に大きな差が見られる。エネルギー・建設・金融といった資本集約型産業では高水準の賃上げが実現している一方で、サービスや流通、福祉など労働集約型産業では依然として厳しい環境が続いている。今後は、業界ごとの賃上げ余地を広げるための生産性向上策や人材投資の促進が求められるだろう。

この記事の要点

  • 電気・ガス業の現金給与総額は49万6,170円で前年より4.8%増加
  • 建設業の給与は39万2,288円で2.0%増と高水準の伸び
  • 金融・保険業は44万1,226円で5.0%増、特別給与は23.3%減
  • 卸売・小売業は26万5,497円で2.0%増
  • 運輸業・郵便業は32万1,038円で3.3%減少
  • 医療・福祉は27万240円で2.3%増、給与水準の改善が課題

⇒ 詳しくは厚生労働省のWEBサイトへ

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