2025年12月3日
労務・人事ニュース
高齢世帯の単独化進行、65歳以上の76.5%が一人暮らしに(第9回世帯動態調査)
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第9回世帯動態調査(社人研)
この記事の概要
2024年7月に実施された第9回世帯動態調査は、全国の約3万2千世帯を対象に、世帯の構成や変化を明らかにすることを目的として行われた。有効回収率は58.7%で、単独世帯が3割を占め、夫婦のみ、夫婦と子の世帯と並んで主要な構成をなした。高齢化や核家族化の進行を背景に、親子の同居率や世帯の結びつきのあり方にも変化が見られた。
第9回世帯動態調査は、世帯の構造や変動を明らかにするため、2024年7月1日に実施された。調査対象は、令和6年国民生活基礎調査の対象地区から無作為に抽出した600調査区内の全世帯であり、有効回収数は18,950世帯、有効回収率は58.7%であった。調査は、訪問調査を中心に郵送およびオンライン提出を併用して行われた。
調査結果によると、家族類型の分布は「単独」世帯が30.3%、「夫婦のみ」が25.8%、「夫婦と子」が26.8%、「男親と子」が1.4%、「女親と子」が7.6%、「その他」が8.2%であった。単独世帯は国勢調査で推計された割合よりも低くなっているが、前回調査に比べ回収状況は改善している。調査では「単独」や「夫婦のみ」の世帯が増加する傾向が続き、核家族化と単身化の進行が裏付けられた。
40歳以上の世帯員を対象とした親族関係の調査では、18歳以上の子を持つ割合は68.0%で、前回調査の69.4%からやや減少した。特に男性では晩婚化・未婚化の影響で子を持つ割合が低く、性別による差が明確になった。65歳以上では、18歳以上の子を持つ割合が88.8%と高い一方、子と同居している割合は40.5%で、5年前の43.7%よりも低下した。これは高齢期における単独生活の増加と、子世代との同居率の低下を示している。
また、親との居住関係では、少なくとも一人の親が生存している割合が61.4%で、前回の58.8%から上昇したものの、同居率は33.0%にとどまり、親と別居する世帯が増えていることが分かった。65歳以上では親と同居している割合が20.8%で、前回よりも低下しており、高齢層でも親子分離の傾向が進んでいる。
世帯主の継続性を見ると、現世帯主のうち88.9%が5年前も世帯主であり、世帯の安定性は高い水準にある。一方で、新たに世帯主となった人は11.1%であり、そのうち5.8%は独立によって新しく世帯を形成した「発生型」となっている。こうした世帯の動きは、若年層の独立や結婚による新規世帯の発生と関連している。
家族類型の変化では、単独世帯の90.5%が5年後も単独のままで、夫婦のみ世帯は79.0%、親と子の世帯は77.4%が同じ形を保っていた。単独世帯への移行は増加しており、「夫婦のみ」から「単独」への移行が11.5%、「親と子」から「単独」への移行が10.4%となった。これらの傾向をもとに将来の分布を推定すると、「単独」世帯が53.1%に達する見通しであり、単身化がさらに進むことが示唆された。
特に65歳以上の世帯主に限定すると、単独世帯にとどまる割合は96.0%と非常に高く、前回の92.2%から上昇した。推定では、高齢世帯の約76.5%が単独世帯になると見込まれており、高齢期の単身化が進展している。夫婦のみや親子同居の世帯が減少する一方で、老後を一人で過ごす高齢者が増加していることがうかがえる。
若年層の動向では、20〜24歳の離家経験者が男性33.8%、女性34.1%で、25〜29歳ではそれぞれ66.6%、67.5%に達した。特に女性の離家率上昇が顕著で、20代後半で大きな転換点が見られる。一方、30代では離家率の上昇が鈍化し、親元に留まる傾向も残っている。
また、親から見た場合、すべての子が独立して親が単独または夫婦のみで暮らす「エンプティ・ネスト」状態は、年齢が上がるほど増加し、75〜79歳で56.4%に達した。80代後半では再び同居が増加しており、加齢や介護を背景に再同居が起きることが確認された。
今回の調査結果は、日本社会における世帯構造の変化、特に単身化・核家族化・高齢世帯化の進行を裏付けるものである。今後の政策においては、単独世帯の増加に伴う居住支援や社会的孤立対策、また高齢者の生活支援の強化が求められる。
この記事の要点
- 調査対象は全国32,266世帯、有効回収18,950世帯、有効回収率58.7%
- 単独世帯が30.3%で過去最高水準、単身化の進行が明確
- 18歳以上の子を持つ割合は68.0%、同居率は低下傾向
- 親との同居率は33.0%、高齢層でも別居傾向が進む
- 世帯主の88.9%が継続世帯、11.1%が新規世帯主
- 将来見通しでは単独世帯が53.1%に拡大見込み
- 65歳以上では単独世帯比率が76.5%と高水準
- 20代後半で離家率が急上昇、特に女性が高い
- 75歳以上で半数超が「エンプティ・ネスト」状態
⇒ 詳しくは国立社会保障・人口問題研究所のWEBサイトへ


