2025年12月5日
労務・人事ニュース
2025年10月の甲信越経済、有効求人倍率1.28倍に低下し17か月連続減少
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最終更新: 2025年12月5日 00:33
景気ウォッチャー調査(令和7年10月調査)― 甲信越(現状)―(内閣府)
この記事の概要
令和7年10月に行われた甲信越地域の景気ウォッチャー調査では、地域経済が全体として緩やかな持ち直しを見せる一方で、物価高や人手不足、消費抑制などの課題が引き続き影を落としていることが分かった。百貨店やホテル、乗用車販売など一部業種で売上や来客数が回復傾向を示す一方、商店街や中小小売では来客減が続いている。雇用面では新規求人数が前年並みで推移しているが、有効求人倍率は1.28倍と前年より0.13ポイント低下し、17か月連続で前年を下回るなど、労働市場の停滞が続いている。
令和7年10月の甲信越地方では、季節の変化とともに衣料品や家電を中心とした売上回復が見られた。百貨店では気温の低下を受けて冬物衣料の売上が伸び、食品催事やブティック、家具、家電の販売が前年を上回り、全体の売上を押し上げている。特にふるさと納税の返礼品や自家消費向けの食品が好調で、地域内の購買意欲を支えている。スーパーでも売上は前年比7%増加したが、来客数は12%減少しており、買上点数と単価上昇で売上を補っている。消費者は支出を抑え、まとめ買いにシフトしている状況が見られる。
一方で商店街では「客が全く街に出てこなくなっている」との声があり、閉店を検討する店舗が増えている。こうした動きは地域の魅力低下を招き、商業地全体の集客力に影響している。特に地方では郊外に大型商業施設が相次ぎ開業しており、既存の小規模店舗が苦戦している。コンビニ業界も同様で、客単価や買上点数の低下により売上がやや悪化している。地方では夕方以降の来客が減っており、夜間営業の採算が厳しくなっている。
自動車販売では新車のモデルチェンジが追い風となり、受注が回復している。特に軽自動車や燃費性能の高い車種が好調で、整備や車検の需要も安定している。しかし、物価上昇を理由に購入を控える消費者も多く、販売現場では「景気の上向きを実感しにくい」との声もある。自動車備品販売店では冬タイヤの販売シーズンを迎えたものの、来客数は前年を大きく下回っており、需要の伸び悩みが続く。
観光業では都市型ホテルの宿泊客数が前年同月比で2%増加し、客室単価も5%上昇した。行楽シーズンを前に観光需要が底堅く推移しており、イベント開催による人の動きも活発になっている。一方で観光地では天候不順により来客数が減少した地域もあり、秋の紅葉シーズン前の一時的な鈍化とみられている。旅館では「夏の猛暑の反動で秋の来客数が減った」との声もあり、観光需要の地域差が浮き彫りとなった。
製造業では分野ごとの明暗がはっきりしている。電気機械器具製造業では受注が横ばいで推移し、建築関連では資材の流通が減少している。食料品製造業では販売量が前年比2割減となり、新酒ブームの一巡や原材料高騰の影響が響いている。宝飾・貴金属関連では金やプラチナ地金の高騰が続き、ジュエリー小売業では「商品を見る前から買い控える客が増えている」との声が上がった。
建設業は堅調で、工事受注量は増加している。単価も上昇傾向にあり、特に民間案件を中心に受注が活発化している。しかし、人手不足により施工スケジュールが遅れる事例が増えており、現場では職人確保に苦労している。金融業の担当者によると、製造業はマイナス水準ながら改善傾向にあり、非製造業はプラス水準を維持しているものの、全体として大きな景気拡大にはつながっていない。
雇用情勢に関しては、甲信越地域の有効求人倍率が1.28倍と前年同月比で0.13ポイント低下しており、17か月連続で前年を下回っている。新規求人数は月によって増減があるものの大きな変化はなく、横ばいで推移している。職業安定所では「高齢者層の求職活動が活発化しているが、原材料や光熱費の高止まりで採用が進まず、就職活動が長期化している」との報告がある。人材派遣会社でも「大型商業施設の開店に伴い高時給求人が集中し、人材が他業種に流出している」との声があり、慢性的な人手不足が続いている。
企業は採用コストの上昇に対応する一方で、定着率の改善に向けた取り組みを強化している。高齢層や女性の労働参加を促進する動きもみられるが、実際の雇用創出にはつながっていない。求職者の選択肢が限られる中で、企業は採用条件の見直しや働き方改革を進める必要に迫られている。
全体として甲信越の経済は、緩やかな回復傾向を維持しつつも、消費の抑制と雇用の停滞という二重の課題に直面している。物価上昇と人材不足が地域経済の成長を鈍化させており、今後の安定には持続的な賃上げと人材育成の強化が求められている。
この記事の要点
- 甲信越の有効求人倍率は1.28倍で前年より0.13ポイント低下
- 新規求人数は横ばいで17か月連続で前年を下回る
- 建設業では受注増が続くが人手不足が深刻化
- 百貨店やホテルで売上が回復し観光需要が堅調
- 商店街では来客減と閉店増で地域経済が停滞
- 高齢者層の求職活動は活発化するも採用進まず
⇒ 詳しくは内閣府のWEBサイトへ


