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2025年12月9日

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こども服の安全性を再確認する77%の実態とJIS L4129制定までの10年の動き

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「カワイイ!」だけで大丈夫?こども服は、安全性を考えて選びましょう(政府広報オンライン)

この記事の概要

こども服に付いたひもやフードが遊具や家具、ドアノブなどに引っ掛かり、転倒や窒息につながる事故が国内外で発生しています。身近な衣服による危険を避けるため、2015年に安全基準となるJIS L4129が制定され、ひもの位置や長さに関する細かな基準が示されました。大人が服を選ぶ際に安全性を意識することが重要であり、既に持っている服に対しても工夫することでリスクを減らせます。


こども服の選び方に関する安全意識が社会全体で求められるようになった背景には、衣服に付いているひもやフードが原因となった事故の増加があります。2006年に実施された調査では、こどもの衣類が事故やヒヤリとした体験につながったと回答した保護者が全体の77%にのぼり、実際にけがをした例も少なくありませんでした。特に目立つのが、遊具や家具の突起物、屋内外のドアノブなどにひもが絡まり、転倒したり首元が締まって動けなくなったりするケースで、海外では死亡事故の報告もあります。日本では死亡例こそ確認されていないものの、日常の中で多くのこどもが危険にさらされていることは明らかであり、家庭での注意が欠かせません。

事故につながりやすい具体的な例として、首回りのひもが滑り台の縁に引っ掛かり身動きが取れなくなったり、腰回りのひもが自転車の後輪に巻き込まれてバランスを崩したりする場面が挙げられます。また、ズボンの裾に付いたひもが電車のドアに挟まれて転倒することもあり、何気ない服装が思いがけない危険を招くことがあります。こうした事例は、公園や通学路など日常的な環境に潜んでいるため、大人が「この服は安全か」と想像力を働かせることが最も重要です。走ったり跳びはねたり、時に高い場所へよじ登るなど、こどもは予測不能な動きをするため、大人が先回りしてリスクを考える姿勢が欠かせません。

こども服の安全性を高めるためには、ひもの位置や長さ、フードの有無などを丁寧に確認し、引っ掛かりやすい部分がないかを判断することが求められます。もし手持ちの衣服に不安がある場合は、ひもを抜いたり短く切ったり、適切な位置に縫いつけて動かないようにしたりする方法があります。ポンポンなどの飾りが付いた服も引っ掛かりの原因となるため、必要に応じて取り外すことも有効です。また、サイズが大きすぎるとひもだけでなく裾を踏みやすくなり転倒につながるため、こどもの体格に合った衣服を選ぶことが安全性につながります。

さらに、着用する場面を意識することも大切です。公園で体を大きく動かして遊ぶと分かっている日には、ひもやフードが付いた服を避けた方が安全です。こどもだけで遊ぶ場面では特にリスクが高まるため、大人の目が届かない時間帯ほど安全性を重視した服装選びが必要になります。衣服は「かわいい」「おしゃれ」といった見た目だけではなく、こどもの行動特性や周囲の環境も踏まえたうえで選ぶことが求められています。

こうした背景を受け、2015年12月にはこども服のひもに関する安全基準としてJIS L4129が制定されました。この基準は13歳未満が着用する衣服を対象としており、頭や首回りに垂れ下がるひもを付けてはいけないこと、背中から出るひもを付けてはいけないこと、丈の長い上着やズボンの裾など股より下の位置にひもを付けてはいけないことなどが明確に示されています。年齢や身体部位に応じて長さの基準も細かく定められており、安全性向上に向けた具体的な指標となっています。

なお、七五三の衣装などの祝賀用の服や競泳用水着のような専門用途の衣服は、通常は大人の監督下で短時間だけ着用されることから、この基準の対象外とされています。ただし、日常的に着用されたり大人の管理が及ばない状況が想定される場合は対象となるため、用途と状況を見極めることが必要です。JISは強制力のある規格ではないため、市場には基準に沿っていない製品が出回る可能性もあります。販売店や製造元に確認することも可能であり、大人一人ひとりが安全性を重視した選択を行うことがこどもの事故防止につながります。

こども服の安全基準が整備されたことで、より安全性に配慮した製品が広がっていくことが期待されていますが、最終的にこどもを守るのは身近にいる大人の注意です。日々の選択が事故防止につながるという視点を持ち続けることが重要です。

この記事の要点

  • こども服のひもやフードが事故につながることがある
  • 2006年の調査で77%が衣服による危険を経験
  • 2015年にこども服のひもの安全基準JIS L4129が制定
  • 頭部や首回りなどに垂れるひもは禁止と定められている
  • 既存の衣服も工夫することで危険を減らせる

⇒ 詳しくは政府広報オンラインのWEBサイトへ

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