2025年12月9日
労務・人事ニュース
2020年度開始の新学習指導要領が小中高へ拡大する3年間の導入全体像
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最終更新: 2025年12月8日 19:30
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最終更新: 2025年12月8日 21:00
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最終更新: 2025年12月9日 01:08
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最終更新: 2025年12月9日 01:08
2020年度、こどもの学びが進化します!新しい学習指導要領、スタート!(政府広報オンライン)
この記事の概要
社会のグローバル化やAIをはじめとした技術革新が加速し、こどもたちには自ら学び考え行動する力が求められています。こうした変化に対応するため、学習指導要領が約10年ぶりに改訂され、小学校では2020年度から、中学校では2021年度から、高等学校では2022年度から順次、新しい教育内容が実施されています。外国語教育の前倒し導入やプログラミング教育の必修化など、これからの社会を生き抜く基盤となる学びが強化されています。
新しい学習指導要領が導入された背景には、社会の変化が以前よりもはるかに速く、複雑になっている現状があります。かつて想像もしなかった職業が次々と生まれ、技術の進化によって仕事の自動化も急速に進むと予測されています。海外では「今後10年から20年で半数近くの仕事が自動化され得る」という見方や、「2011年度に小学校へ入学したこどもの65%が、将来、小学生時代には存在しなかった職業に就く可能性がある」などの指摘もあり、教育には将来を見据えた大きな転換が求められています。こうした時代に生きるこどもたちが、変化を前向きに受け止めながら社会で自立していくためには、知識だけでなく状況に応じて考える力や、自ら学ぶ姿勢を育むことが不可欠です。
学習指導要領は教育課程の基準となるもので、全国どこでも同じ学習内容が保証される仕組みです。およそ10年ごとに見直されるのは、こどもたちを取り巻く社会環境が大きく変わり、教育にも柔軟な対応が求められるためです。今回の改訂では、小学校は2020年度から、中学校は2021年度から全面実施され、高等学校は2022年度の入学生から新しい内容が学年進行で導入されています。特別支援学校も小・中・高の新指導要領に合わせて実施され、幼稚園については2018年度から新しい教育要領がすでに始まっています。
新しい学習指導要領では、こどもたちが「何を知っているか」だけでなく、「何ができるようになるか」が重視されています。その中心となるのが「知識及び技能」「思考力・判断力・表現力など」「学びに向かう力・人間性など」の3つの柱であり、これらをバランスよく育てることが目標とされています。「知識及び技能」は単なる情報の暗記ではなく、既存の知識と結び付けて理解し社会で役立てる力まで含みます。そこから「思考力や判断力、表現力」を発揮し、未知の問題に向き合い解決する力を養い、さらに学んだことを人生に生かそうとする姿勢である「学びに向かう力、人間性」へつなげるという構造で、3つを一体として育成する点に特徴があります。
学ぶ内容についても大きな変化があり、小学校では3・4年で外国語活動が始まり、5・6年では教科としての外国語を学びます。聞く・読む・話す・書くの4技能を総合的に育て、高等学校卒業までに外国語でコミュニケーションが取れることを目指しています。プログラミング教育も小学校で必修となり、中学校では関連内容が拡充され、高等学校では「情報Ⅰ」が必履修科目となりました。ここではプログラミングだけでなくネットワークやデータベースなど情報社会に不可欠な基礎知識も扱われ、こどもたちが自分の生活や進路と関わりを持ちながら情報の扱い方を学べるようになっています。
このほか、言語活動の充実を通じて全教科で言葉の力を育てる取り組みや、観察や実験を軸にした理数教育、統計教育の強化も進められています。道徳教育では「特別の教科 道徳」が小・中学校に新設され、自分とは異なる考え方を持つ人と対話する授業などを通じて道徳性を育んでいきます。また、日本の伝統や文化を学ぶ教育、選挙権が18歳に引き下げられたことを踏まえた主権者教育、成年年齢18歳時代に対応した消費者教育など、社会の変化に応じた新しい分野の学習も充実しています。金融や防災、国土に関する教育、起業に関する学びなども広がり、こどもたちの生活と将来に直結した内容が教育活動の中に組み込まれています。
さらに今回の改訂では、「どのように学ぶか」という視点が非常に重視されました。「主体的・対話的で深い学び」を実現する授業づくりが求められ、アクティブ・ラーニングと呼ばれる能動的な学びが学校現場で広がっています。「主体的な学び」とは、こどもが興味や関心を持ち、自分の進路や将来と結び付けながら粘り強く学び続ける姿勢を育てる視点です。「対話的な学び」では、友だち、先生、地域の人などと意見を交わし、他者の考え方を手掛かりにして自分の思考を深めます。「深い学び」は複数の教科で学んだ見方や考え方を組み合わせ、こども自身が問題を発見し解決策を導き出すことを重視しています。この3つが組み合わさることで、こどもたちは単なる知識の習得にとどまらず、自ら学び続けられる力を身につけていきます。
家庭や地域の協力も欠かせず、学校で学んだことを日常生活で生かす経験が、こどもたちの理解をさらに深めます。保護者がこどもと学びについて話し合うことは学力向上にもつながるとされており、家庭での働きかけがこどもたちの「生きる力」を支える重要な要素となっています。地域の活動や家庭での体験が学校の学習とつながることで、学びはより豊かに広がっていきます。新しい学習指導要領は、学校だけでなく家庭や地域を含めた社会全体でこどもの成長を支えていくという考え方を基盤としており、これからの教育の方向性を大きく示しています。
この記事の要点
- 学習指導要領は約10年ぶりに改訂され2020年度から順次実施
- 外国語教育やプログラミング教育が小学校段階から導入
- 3つの柱による資質・能力育成を重視
- 主体的・対話的で深い学びが授業改善の中心
- 家庭や地域との連携がこどもの成長に重要
⇒ 詳しくは政府広報オンラインのWEBサイトへ


