労務・人事ニュース

  • TOP
  • お知らせ
  • 労務・人事ニュース
  • 運輸業のみ2.0%減、業種間の賃金格差が浮き彫りとなった2025年9月統計(毎月勤労統計調査 202年9月分結果確報)

2025年12月15日

労務・人事ニュース

運輸業のみ2.0%減、業種間の賃金格差が浮き彫りとなった2025年9月統計(毎月勤労統計調査 202年9月分結果確報)

Sponsored by 求人ボックス
広告

毎月勤労統計調査 2025(令和7)年9月分結果確報(厚労省)

この記事の概要

2025年9月分の毎月勤労統計調査確報では、事業所規模5人以上の月間現金給与総額が297,787円となり、前年同月比2.1%の増加となった。産業別では多くの業種で賃金が上昇し、特に生活関連サービスが6.2%増、鉱業・採石業などが6.8%増と伸びが大きかった。一方で運輸業・郵便業は2.0%減となり、業種間の差も示された。賃金構造の特徴として、所定内給与や特別給与も増加傾向を示し、全体として雇用市場の底上げが続いていることが明らかになった。


2025年9月に実施された毎月勤労統計調査の結果確報によると、事業所規模5人以上の現金給与総額は297,787円となり、前年同月比で2.1%増加した。この金額は、調査産業全体の動向を示す基礎的指標であり、賃金の上昇が続く労働市場の現状を端的に示している。特に、給与の中心を構成するきまって支給される給与は288,543円で2.0%増加しており、企業が基礎的な賃金の引き上げを継続していることがうかがえる。加えて、特別に支払われた給与も9,244円で3.8%増となり、賞与要素を含む支給額も前年を上回ったことが確認された。

産業別に見ると、賃金の動向には顕著な差がみられた。鉱業・採石業などは361,635円となり、前年より6.8%の増加を示した。建設業では389,618円で1.3%増、製造業は345,988円で3.2%増となり、ものづくり産業を中心とした賃金上昇が続いている。電気・ガス業は493,228円と全産業の中でも高い水準を維持し、前年比4.2%の増加が確認された。情報通信業は447,639円で3.5%増となり、専門性の高い業種で賃金上昇が続く傾向が読み取れる。

一方で、運輸業・郵便業では325,422円となり、前年比2.0%の減少となった。この業種では所定内給与や所定外給与の減少も目立ち、輸送需要の変動や業務構造の変化が賃金動向に影響していると考えられる。卸売・小売業は266,329円で2.3%増、金融・保険業は433,088円で3.0%増となり、各産業で全体的に緩やかな増加傾向が続いている。

生活関連サービスや娯楽業では225,583円となり、前年同月比6.2%増と高い伸びを示している。特にこの業種では所定内給与が220,642円で6.7%増となり、業界全体の改善が給与に反映されている。教育・学習支援業は307,301円で1.2%増にとどまり、業種ごとの賃金改善の幅に違いが見られる。

今回の調査で特徴的なのは、所定内給与が全体として269,277円で2.0%増加している点である。これは日常的な労働時間に対応する給与が上昇していることを示し、働き手にとって安定性の高い賃金改善が進んでいることを意味する。所定外給与については19,266円で1.0%増にとどまり、残業時間の抑制が続く中で各産業の業務効率化が進められている状況が反映されている。

特別に支払われた給与は産業ごとに差が大きく、鉱業・採石業などでは377円と大幅な減少が見られる一方、学術研究分野では44,874円で15.5%増となるなど、季節的な要因や業種固有の支給基準によって変動がみられた。特に建設業では22,741円で25.8%増となっており、この時期の賞与支給が前年より多かったことがうかがえる。

全体として、2025年9月の賃金は多くの業種で前年を上回っており、好調な雇用環境が賃金に反映され続けている。ただし業種間の差は依然として大きく、運輸業などでの減少は今後の動向に注目が必要である。給与の構造を細かく見ることで、採用や人材確保に向けた戦略をより具体的に検討することが可能となる。

この記事の要点

  • 現金給与総額は297,787円で前年比2.1%増
  • 所定内給与は269,277円で2.0%増
  • 特別給与は9,244円で3.8%増
  • 鉱業・採石業などは6.8%増、生活関連サービスは6.2%増
  • 運輸業・郵便業は2.0%減で唯一の減少産業
  • 産業により賃金の増減幅に大きな差がある

⇒ 詳しくは厚生労働省のWEBサイトへ

広告
パコラ通販ライフ
パコラ通販ライフ
PR記事作成サービス受付フォーム