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2025年12月19日

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全国の労働者不足率0.8%まで改善した2025年10月調査が示す建設採用環境

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建設労働需給調査結果(令和7年10月分調査)について(国交省)

この記事の概要

令和7年10月に実施された建設労働需給調査では、全国の8職種における過不足率が0.8%の不足となり、前月より不足幅が縮小した。一方、東北地域は2.2%の不足で前月より不足幅が広がったものの、前年同月と比べると大幅に改善している。12月と1月の労働者確保の見通しは全国・東北ともに「普通」とされ、安定した需給環境が続く見通しである。


国土交通省が実施した建設労働需給調査は、令和7年10月10日から20日の間に設定された1日を対象として行われ、建設業に従事する技能労働者の需給状況を把握する目的で実施されている。毎月行われるこの調査は、職種別・地域別に労働力の不足や過剰の状況を数量化し、建設工事の進行に影響を与える要因を早期に把握するための重要な基礎資料として活用されている。

今回の調査結果では、全国における8職種全体の過不足率が0.8%の不足となった。前月の1.1%の不足から0.3ポイント改善し、前年同月の2.3%不足に比べても1.5ポイントと大きく縮小している。技能労働者の確保が以前より安定しつつあることを示す結果であり、建設現場の運営にもプラスに働いているとみられる。職種別にみると不足傾向が多いなかで、鉄筋工(建築)のみ過剰となる特徴が確認され、過不足の度合いが職種によって異なることがわかる。

地域別では、関東や東海などで前年より不足幅が縮小する傾向がみられ、特に関東では前年と比べて大きな改善がみられた。一方で、東北地域においては今回の10月の調査で2.2%の不足となり、前月の1.4%の不足から0.8ポイント不足幅が拡大している。ただし前年同月と比べると2.7ポイントもの縮小となり、長期的には需給が改善している状況が確認される。地域ごとの需給差は建設需要の量や復興工事の進捗などの影響も受けるが、全体としては安定化が進んでいるといえる。

また、調査では今後の労働者確保の見通しについてもまとめられており、12月および1月の見通しは全国・東北ともに「普通」と評価された。確保が特に困難とされる状況はなく、雇用条件や現場状況に応じて適切に人員が確保できる見込みが示されている。この見通しは労働力確保の観点から建設業界にとって安心材料となり、年末から年度末にかけて増加しやすい工事量にも対応できる基盤が整っていることを示している。

今回の結果は、前年同月と比較して大幅に不足幅が縮小している点が特徴であり、長期間続いていた人手不足の圧力が少しずつ緩和している兆しともいえる。建設業界は多くの工事が重なることで急激に労働力不足が生じるケースもあるが、近年は需給のバランスが改善しつつあり、計画的な現場運営を進めやすい環境が形成されている。

建設労働需給調査は、工事を担う技能労働者の需給状況を詳細に把握するため、毎月継続的に実施されている。こうした統計をもとに行政は必要な対策を検討し、労働環境の改善や技能者の不足緩和に向けた政策が進められる。建設業界においても、これらのデータを活用し、自社の採用計画や現場配置を見直すための判断材料として役立てることができるだろう。

この記事の要点

  • 全国の不足率は0.8%で前月より改善
  • 東北地域は2.2%の不足で前月より拡大
  • 前年同月と比べると全国・東北とも不足幅が大幅に縮小
  • 今後2か月の労働者確保の見通しは全国・東北とも「普通」

⇒ 詳しくは国土交通省のWEBサイトへ

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