2025年12月19日
労務・人事ニュース
2025年11月発表の内航船舶輸送統計、令和7年8月の総輸送量24,344千トンが示す物流の活発化
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最終更新: 2025年12月19日 07:01
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内航船舶輸送統計月報の概要(令和7年8月分)(国交省)
この記事の概要
令和7年8月分の内航船舶輸送統計では、総輸送量が24,344千トンと前年同月比で5.3%増加し、輸送距離を反映したトンキロでも12,212百万トンキロと3.9%増が示された。品目別では鉄鋼や原油、砂利・砂・石材などが大きく伸び、燃料消費量や航海距離も5〜7%台の増加となった。
令和7年11月26日に公表された内航船舶輸送統計の8月分によれば、国内の海上物流の動向が前年と比較して堅調に推移したことが明らかになった。総輸送量は24,344千トンとなり、前年同月と比べて5.3%の増加を記録した。さらに、輸送量に距離の概念を加えたトンキロでも12,212百万トンキロとなり、3.9%の増加を示している。内航海運は島国である日本の物流を支える重要な輸送手段であり、この増加は国内物流全体の活発化を示す指標として注目される。
コンテナとシャーシ扱いの輸送量もそれぞれ1,682千トン、667千トンと、内航輸送における多様な貨物流動を裏付ける結果となった。これらの数値から、業種を問わず幅広い製品や資材の需要が堅調であることが読み取れる。大規模な資材調達から、日常生活に関連する物資の輸送まで、内航海運が国内経済の基礎を支えている状況が浮き彫りとなっている。
品目別にみると、主要10品目のうち砂利・砂・石材は前年同月比で20.6%と大きく増加し、鉄鋼も17.8%増、原油は18.0%増と、建設需要やエネルギー分野を中心に輸送量が拡大している。一方で、石灰石は4.1%減、重油は3.1%減、その他の石油製品は4.9%減となり、品目ごとの差が明確に表れた。これらの動向は産業構造の変化や季節要因、需要変動に伴う輸送の偏りが影響していると考えられる。
トンキロベースでは、鉄鋼が19.5%増、砂利・砂・石材が18.6%増、化学薬品が8.2%増と大幅な伸びを示した。これは輸送距離の長い案件が増加したことを示しており、国内の産業物流が広域的に活発化していることがうかがえる。一方、石炭は15.4%減となり、エネルギー源の構成や発電所の稼働状況などの影響を受けた可能性がある。こうした品目ごとの動きは、企業が事業計画を立てる上でも重要な情報となる。
内航船舶の燃料消費量は175,030千リットルとなり、前年同月比7.8%の増加となった。航海距離も10,204千キロメートルで6.8%増加しており、輸送量の増加が燃料消費と航海距離の双方に反映されていることがわかる。海運企業にとって燃料消費量の増加はコストや効率性に直結するため、こうした統計は運航計画の見直しにも役立つ。
輸送効率については全体で39.7%となり、用途別では貨物船が40.7%、油送船が38.0%であった。輸送効率は船舶の積載率を表す指標であり、効率が高いほど空きスペースが少なく運航が有効に使われていることを示す。輸送量増加のなかで一定の効率が保たれていることは、海運業界が安定した輸送体制を維持していることを示唆する。
この記事の要点
- 総輸送量は24,344千トンで前年同月比5.3%増
- トンキロは12,212百万トンキロで3.9%増
- 主要品目では鉄鋼17.8%増、原油18.0%増、砂利・砂・石材20.6%増
- 燃料消費量は175,030千リットルで7.8%増
- 航海距離は10,204千キロメートルで6.8%増
- 輸送効率は全体で39.7%、貨物船40.7%、油送船38.0%
⇒ 詳しくは国土交通省のWEBサイトへ


