2025年12月27日
労務・人事ニュース
令和7年10月愛媛県の求人倍率1.38倍を基に考える採用改善ポイント
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最終更新: 2025年12月26日 07:01
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最終更新: 2025年12月27日 00:36
管内の雇用失業情勢(令和7年10月分)について(愛媛労働局)
この記事の概要
令和7年10月の愛媛県の有効求人倍率は1.38倍となり、前月に続き2か月連続で低下しました。新規求人・新規求職ともに減少しており、求人需給は高い水準を維持しつつも弱さが見られます。産業別では建設業や製造業が堅調な一方、宿泊・飲食、サービス、小売では大幅な減少が目立ちます。本記事では、これらのデータから中小企業が採用戦略をどう構築すべきかを詳しく解説します。
愛媛労働局が公表した令和7年10月の雇用情勢では、有効求人倍率(季節調整値)は1.38倍となり、前月差で0.04ポイント低下しました。これで2か月連続の低下となり、雇用環境には徐々に慎重な空気が広がっています。全国平均の1.18倍を引き続き上回るものの、求人企業側の勢いが前月からさらに弱まった形です。求人の動きにやや弱さが見られるという労働局の判断は、県内企業が物価上昇や景気先行きの不透明さを警戒し、採用を慎重に進めている状況を反映しています。
正社員求人倍率は1.21倍で、前年同月差で0.03ポイント上昇し20か月連続の上昇となっています。これは正社員採用に対する企業のニーズが高い状態を示す一方で、求職者側の正社員志向が強まっていることも影響しています。企業と求職者双方が正社員雇用を求める動きは中長期的には安定した雇用環境を生み出すものの、短期的にはマッチングの困難さを生む要因にもなり、中小企業にとっては採用の難しさが増す状況です。
地域別の有効求人倍率(原数値)をみると、東予が1.37倍、中予が1.39倍、南予が1.41倍となっており、3地域とも前年に比べて弱含みとなっています。特に東予・南予は前年同月比で10か月以上連続して低下しており、県内の複数エリアで採用意欲が鈍っている状況が読み取れます。一方で倍率自体は高い水準を維持しているため、求職者にとっては働き先の選択肢が多く、企業側にとっては依然として採用競争が厳しい環境が続いているといえます。
新規求人は11,001件で前年同月比6.7%減となり、3か月連続の減少です。特に宿泊業・飲食サービス業では20.3%減、サービス業では14.4%減、卸売・小売業は9.2%減と広範なサービス分野で落ち込みが目立ちます。これらの産業は物価上昇の影響を受けやすく、人件費負担や消費行動の変化が採用意欲の低下につながったと考えられます。反対に、建設業は17.5%増、製造業は4.6%増と堅調で、インフラ整備や生産体制強化の動きが求人を下支えしています。
有効求人総数は28,906件で前年同月比6.2%減、有効求職者は20,812人で6.9%減となり、求人数・求職者数が共に減少している点が特徴です。この「求人・求職ともに減少する状態」は、労働市場が縮む過程を意味しており、人口減少が進む愛媛県では今後も長期的に見られる構造といえます。労働力人口の減少と若年層の県外流出が進む中で、企業が採用に困るのは必然的な流れであり、人材獲得において企業側の発信力がますます求められる局面です。
新規求職者数は4,038人で前年同月比6.4%減と2か月連続の減少となりました。内訳を見ると、在職者の求職が7.9%減、離職者の求職が5.4%減と幅広い層で求職活動が抑制されています。現職を維持しようとする動きや、新しい職に移るリスクを避けようとする動きが強まっていると見られ、この傾向は採用活動の難しさに直結します。求職者が減るということは、企業の求人が求職者に見つかりにくくなることを意味し、中小企業は求人の質や魅力を高めない限り応募が集まらなくなる可能性があります。
ここから、中小企業の採用担当者が有効求人倍率から読み取るべきポイントがいくつも見えてきます。一つめは、倍率が高い状態が続く限り、採用市場は「企業側が選ばれる立場にある」という事実です。有効求人倍率1.38倍という数値は、求人が求職を大きく上回っていることを示し、求職者にとって企業を比較する余裕が十分にある市場環境です。求職者は応募に慎重になり、より条件の良い企業を選ぼうとするため、中小企業は自社の魅力をわかりやすく伝える必要があります。
二つめに、産業別の求人減少から見える「採用難職種の明確化」です。サービス・小売・飲食といった人手不足が慢性化している業界は、求人を出しても応募が集まりにくくなっています。この状況では、給与だけでなく、働き方の柔軟性やキャリアステップの提示、やりがいの明確化など、求職者が応募したいと思える情報の提供が欠かせません。特にパートタイム求人が多い業界では、勤務時間の柔軟さや職場環境の安心感が応募の決め手になることが多いため、求人票の表現を一度見直すことを強く推奨します。
三つめに、地域によって採用のしやすさが異なる点です。愛媛県では南予地域の有効求人倍率が1.41倍と最も高く、求職者数が相対的に少ない地域では企業間の競争が激しくなります。採用活動は自社のある地域だけで完結する必要はなく、通勤圏を広げる、リモートワークを活用するなど、地域を越えた採用戦略を検討するタイミングにあります。
四つめに、求職者数の減少は、企業がターゲット層を広げる必要性を示しています。ミドル層やシニア層、育児や介護と両立したい層を積極的に取り込むことで、採用の可能性が広がります。愛媛県は高齢化が進む地域であり、経験豊富な中高年層を即戦力として採用する企業が今後確実に増えていくと考えられます。
五つめに、選考スピードが採用成功の鍵です。倍率が高い市場では、求職者は複数企業の採用選考を同時に受ける傾向が強く、選考に時間がかかる企業は求職者を逃してしまいます。応募から面接設定までの時間短縮、迅速な連絡、わかりやすい選考フローの提示などにより、求職者からの信頼を得ることができます。
愛媛労働局の雇用失業情勢判断では、求人が求職を上回る状態で推移しているものの、求人の動きには弱さが見られると指摘されていました。この「弱さ」は採用環境の変化を予告しており、物価上昇や景気の不透明感により企業が採用を慎重に進めざるを得ない状況が続いていることを意味します。採用市場が停滞する兆しがある今こそ、中小企業は採用戦略を一段と進化させる必要があります。
採用活動は、求人票を出して待つだけでは成果が出にくい時代に入りました。求職者が企業を選ぶ時代において、自社の魅力を丁寧に伝え、ターゲット層に合わせた情報発信を行い、選考フローを工夫し、働き方の柔軟性やキャリア形成の視点を強化することが、中小企業の採用力を高める基盤になります。愛媛県の雇用データからは、こうした採用活動の質を高める重要性が明確に読み取れます。
この記事の要点
- 愛媛県の有効求人倍率は令和7年10月時点で1.38倍
- 新規求人と新規求職はともに減少
- 建設業と製造業は求人が増加、サービス業や小売は大幅減少
- 地域別では南予が1.41倍で最も高く採用競争が激しい
- 求職者数が減少し採用難が進行
- 求人票の質の向上が応募獲得につながる
- ミドル層・シニア層の採用が重要
- 選考スピードが採用成功に直結
- 働き方の柔軟性を提示する必要性が増している
⇒ 詳しくは愛媛労働局のWEBサイトへ


