2025年12月28日
労務・人事ニュース
世界かんがい施設遺産の国内申請が開始され令和8年2月4日締切の重要手続きが動き出す
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令和8年度世界かんがい施設遺産の国内申請受付開始について（農水省）
この記事の概要
令和7年12月1日から令和8年度世界かんがい施設遺産の国内申請受付が始まり、歴史的なかんがい施設を未来へ継承するための重要な手続きが本格的に動き出した。受付期間は令和8年2月4日までで、基準を満たす施設の所有者や管理者が申請できる。認定は令和8年10月に予定されており、地域資源の価値向上や保全意識の強化につながる取り組みとして注目されている。
令和7年12月1日から、翌年度に向けた世界かんがい施設遺産の国内申請受付が開始された。この制度は平成26年に創設された枠組みであり、世界各地に存在する歴史的なかんがい施設を認定し、技術や管理の伝統がどのように発展してきたかを整理して後世へ伝える役割を担っている。かんがい施設は農業生産の基盤を支える重要なインフラであり、地域の営みを支えながら長い年月を経て現在まで維持されてきた。こうした施設が世界的に評価されることにより、その価値を地域全体で共有し、適切に保全する動きが促される。
世界かんがい施設遺産の認定には、歴史性や技術的価値だけでなく、地域社会における役割や継承の重要性など、複数の基準が設けられている。今回受付が開始された国内申請は、これらの基準を満たした施設の所有者や管理者が申請対象となり、申請期間は令和7年12月1日から令和8年2月4日までの約2か月間に設定されている。申請手続きに関する詳細は専用ページで案内されており、申請者は必要な資料を整えた上で国内委員会へ提出する流れになっている。
この制度が目指すところは、かんがい施設の歴史的価値を世界的に共有するだけにとどまらず、施設を地域づくりの核として活用する機運を高める点にもある。認定を受けた施設は全国各地で保存活動が強化され、教育や観光資源としての注目も高まりつつある。また、施設の維持管理に携わる人々の意識向上にもつながり、長年にわたる知識や経験を次世代へ引き継ぐきっかけにもなる。
今後のスケジュールとして、国内委員会は申請された施設を審査し、令和8年4月にICID本部へ申請する施設を決定する見込みである。選定された申請者には同じく令和8年4月に決定が通知され、その後3週間以内に英語版の申請資料を提出する必要がある。英語資料の作成は高度な専門知識と丁寧な説明が求められ、地域の関係者にとっては大きな準備作業となる。国内委員会から本部への最終的な申請書提出は令和8年5月末までに行われる予定で、審査を経て最終的な認定が下されるのは令和8年10月に予定されている。
認定の発表は国際執行理事会の場で行われ、世界の農業水利に関わる関係者に向けて公式に公表される。ここで認定されることは、施設の価値が国際的に評価されたことを意味し、地域の知名度向上や教育資源としての活用など、多面的な効果をもたらす。地域の農業振興に加え、文化資源や景観としての価値が注目されることで、地元の魅力発信にもつながる。
この一連の流れは、生産基盤であるかんがい施設の保全に向けた長期的な取り組みの一環であり、地域社会や関係機関が連携して取り組む必要性が高まっている。特に現在は農業を取り巻く環境が変化し、担い手不足や維持管理の継続が課題となっている中で、歴史的なかんがい施設の価値を改めて確認し、次の世代へ継承する意義は大きい。認定制度はその機運を高め、地域にとっての誇りとなる資産を守る手助けとなる。
企業にとっても、地域との関係構築や社会貢献活動に取り組む際、こうした文化的価値や地域資源の評価は重要な観点となる。特に地域連携を重視する企業や農業関連分野を支援する組織にとって、施設保全や地域活性化への参画は長期的な価値創出につながる可能性を持ち、社会的責任を果たす取り組みとして注目される。
この記事の要点
- 国内申請の受付は令和7年12月1日に開始
- 申請期間は令和8年2月4日まで
- 申請対象は基準を満たす施設の所有者や管理者
- 国内委員会が令和8年4月に申請施設を決定
- 英語版資料は通知後3週間以内に提出
- 本部への申請は令和8年5月末日が予定
- 認定は令和8年10月に決定予定
- 制度は平成26年に創設された仕組み
- 認定は地域の保全意識向上に寄与
- 施設の価値を教育や地域づくりに活用できる
⇒ 詳しくは農林水産省のWEBサイトへ
