2025年12月30日
労務・人事ニュース
薄暮時間帯の死亡事故は17時台から19時台に集中、5年分析で見えた危険性
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最終更新: 2025年12月29日 09:42
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薄暮時間帯における交通事故防止(警察庁)
この記事の概要
薄暮時間帯は視界が急速に悪くなる影響で交通事故、とりわけ死亡事故が多く発生する時間帯とされ、過去5年間の分析でも17時台から19時台に事故が集中していることが明らかになった。自動車と歩行者の衝突が多く、横断中の事故が約8割を占め、横断歩道以外では約7割に法令違反が確認されている。この記事では、事故防止に向けた前照灯の早め点灯や反射材・ライトの活用が重要である点を詳しく解説する。
薄暮時間帯における交通事故は毎年繰り返し問題となっており、特に死亡事故の発生が多い時間帯として警戒が呼びかけられている。薄暮とは日の入り前後1時間を指し、季節や地域によって時刻は異なるものの、共通して視界が徐々に悪化する特徴がある。この時間帯には、自動車運転者が歩行者や自転車を発見するまでの時間が遅くなる上に、距離感や速度の把握も難しくなる。そのため、注意を怠ると事故発生の危険性が大きく高まる。
令和2年から令和6年までの5年間を分析した結果、17時台から19時台に死亡事故が多く発生していたことが明らかになった。この時間帯は日の入り時刻と一致しており、視界が一気に低下する状況が影響している。特に多かったのは自動車と歩行者の衝突事故であり、事故類型の中では横断中の事故が約8割を占めていることが特徴的である。歩行者が道路を横断する際に自動車と接触するケースが多く、注意不足や視界不良が重なった結果、重大な事故につながっている。
横断事故の発生場所をさらに分析すると、横断歩道以外での発生が約7割と高い割合を占めていた。そして、横断歩道以外で横断した歩行者のうち、約7割に法令違反が確認されている。これは、歩行者が信号機や横断歩道を使用しなかったり、交通ルールに従わない行動を取るケースが多いことを示している。視界の悪い時間帯だからこそ、歩行者が安全な横断場所を選ばない場合、自ら危険を大きくしてしまう結果となる。
交通事故を防ぐためには、自動車運転者が前照灯を早めに点灯することが重要である。薄暮の時間帯は、すでに周囲が見えづらいにもかかわらず、前照灯を点けずに走行を続ける運転者が少なくない。しかし、前照灯を点灯しないまま走行すると、対向車や歩行者、自転車が自動車の存在に気づくのが遅れるため、事故発生の危険度が一気に高まる。前照灯は自分が見るためだけではなく、周囲に自身の存在を知らせるために不可欠であり、薄暗くなり始めた段階で積極的に点灯することが求められている。
また、薄暮の時間帯は日中と異なり、視界が悪くなるだけでなく、自動車から見る歩行者や自転車の発見が遅れる傾向がある。このため、自動車運転者は速度を落とし、周囲の状況に細心の注意を払う必要がある。安全距離を十分に取り、歩行者が横断のために道路に出てくる可能性を常に考慮しながら運転することが重要である。
歩行者や自転車利用者にとっても、薄暮や夜間の交通事故を防ぐためには、自らの存在を運転者に知らせる工夫が欠かせない。明るい色の服装を身に着けたり、反射材を衣服、靴、カバン、つえなどに取り付けたりすることで、自動車のライトが当たった際に光を反射し、発見されやすくなる。自転車利用者はライトの点灯が義務付けられているが、歩行者もライトを持つことで安全性を高めることができる。
薄暮や夜間には、自動車の距離感や速度がつかみにくい状況となるため、道路を横断する際は昼間以上に注意が必要である。特に、暗い服装のまま横断歩道以外の場所で道路を渡る行動は、事故につながる大きな要因となるため避けるべきである。正しい交通ルールを守り、安全な横断場所を選び、左右の確認を徹底することで、重大な事故を防ぐことができる。
交通事故防止に向けた取り組みとして、広報啓発用のポスターやリーフレットも作成され、薄暮時間帯の危険性や交通安全のポイントが分かりやすく伝えられている。交通事故が多発する時間帯であるからこそ、一人ひとりが自らの行動を見直し、事故を未然に防ぐ意識を持つことが求められている。交通に関わるすべての人が注意することで、薄暮時間帯の事故を減らし、安全な道路環境をつくることができる。
この記事の要点
- 薄暮時間帯は日の入り前後1時間で視界が悪化する
- 17時台から19時台に死亡事故が多発している
- 自動車と歩行者の衝突が多く横断中が約8割
- 横断歩道以外での事故が約7割で法令違反も多い
- 前照灯の早め点灯が事故防止に有効
- 歩行者や自転車は反射材・ライトの活用が重要
⇒ 詳しくは警察庁のWEBサイトへ


