2026年1月2日
労務・人事ニュース
2025年11月 東海で新規求人数2.6%増も来客数95%に落ち込む店舗が示す採用難
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景気ウォッチャー調査(令和7年11月調査)― 東海(現状)―(内閣府)
この記事の概要
東海地域の11月は、好天やイベント開催が追い風となり、宿泊や観光関連を中心に人流が回復した。一方で物価高の影響が根強く、小売では来客数が前年比95%台に落ち込む店舗もあり、買い控えが続いた。製造業では一部に受注増が見られるものの、依然として業種間の差が大きく、雇用面では新規求人数が2.6%増となる一方で求職者の動きは鈍く、採用現場でのミスマッチが続いている。
東海地域の11月は、全体として人の流れが戻り始めた月となった。商店街では週末・平日ともに来客が多く、特に飲食関連の店舗は好調を維持しているとの声が多く寄せられた。天候に恵まれたこともあり、観光地やテーマパークはイベント開催日の来場が伸び、月次来客数が過去最高を記録した施設もあった。こうした動きから、地域の雰囲気には明るさが戻りつつあり、タクシー運転手からも乗客の言動に前向きな様子が感じられるとの報告があった。宿泊業でも秋の繁忙期が追い風となり、都市型ホテルや観光型ホテルの宿泊部門が堅調に推移した。
小売業では堅調な業態と苦戦する業態が混在した。土産物店では団体客の回復を受け来客が増え、売上にも明確な改善がみられた。一方、百貨店では冬物商材が動いたものの、高額品の成約には慎重姿勢が強く、米国の関税政策や企業収益の見通しが読みにくいことも影響し、高額品の売上は伸び悩んだ。来客数はやや減少しながらも、販売量で補う形で売上を維持した店舗もあったが、目的買いのみで購買行動が広がらない状況が続き、消費者の慎重姿勢は根強い。
スーパーでは来客数の動きに店舗間の差が開いた。前年を105〜110%と上回る店舗がある一方で、特売日以外は来客が伸びず、月間で前年割れとなる店舗もみられた。みかんやりんごの季節商材が売上に貢献した店舗では消費者の購買意欲が感じられたが、全体として物価高が話題の中心であり、節約志向が続いている。コンビニでは客単価の上昇が売上を支えたものの、来客数が95%に落ち込む店舗もあり、これまで単価上昇で補っていた構造の限界が見え始めている。
衣料品や書籍、家電などの業態では、イベントや気温変化に伴う来客増が一部みられた。衣料品店では法人の採用意欲が高まり制服需要が増えるなど、業務用途の買い替えが売上を押し上げた。しかし一般消費者の購買行動は必要最小限に絞られ、地域ごとに売れ行きの差が大きい。家電量販店ではプレミアム商品券の開始と寒さの到来で来客数が増加した一方、大物商材は売れず低単価品の割合が増えるなど、消費者の慎重さが際立った。
自動車販売市場は厳しい状況が続いた。新車販売停止の影響もあり、11月は今年で最も厳しい月となり販売台数が大幅に減少した。生活防衛意識の高まりから客は価格を吟味し、想定範囲を超える商品には手を伸ばさないとの声も多く、購買意欲の低下が鮮明となった。
観光や旅行業では回復と停滞が交錯した。観光型ホテルの宿泊は堅調だったが、宴会やレストラン部門は弱含みだった。旅行代理店では国内旅行は回復基調にあるものの、海外旅行は発着便の少なさと外交問題の影響から変更依頼が多発し、負担増となっている。また、大都市のターミナル駅近くでは低価格志向の飲食店が繁盛する一方、一部の店では客入りが落ち込み、地域内でも明暗が分かれる状況が続いた。
製造業では分野により動きが大きく異なった。パルプ・紙加工品では自動車向け受注が5〜6%増加し、AI関連の設備投資も急増するなど前向きな動きがみられた。輸送用機械器具では新たな引き合いが増え、電気機械器具では新政権発足後の期待感から積極的な案件がみられるとの声もあった。一方で鉄鋼業や金属製品製造業では受注が5〜10%程度落ち込むなど、業績悪化が明確に表れた分野もある。レアアース調達の不安から生産を抑制せざるを得ない企業も出るなど、外部環境の影響が製造現場の不透明感を高めている。
輸送業でも大口案件の終了見込みや運賃値上げ後の荷主離れなど課題が続き、景況感に力強さは戻っていない。金融業では新首相への期待感が景気観を下支えしているものの、企業収益の改善にはつながらず、実体経済との差が指摘された。
雇用環境では、新規求人数は3か月前比で2.6%増加し、建設業・運輸業・卸売小売業などで求人が伸びた。一方で、宿泊業や教育関連の求人は減少し、パート求人の少なさも課題となっている。新規求職者以上に、潜在的に転職を検討していた人が動き出しているとの声があり、転職市場では以前ほどの勢いが感じられない。製造業の設計開発では人材不足が続き、紹介可能な人材が不足しているとの報告もある。有効求人倍率は大きな変化はないものの、採用難の分野では改善の兆しが見えず、企業と求職者の条件が合わない状況が広がっている。
こうした環境のなか、東海地域の11月は人流の改善と消費の慎重化、製造業の強弱、そして求人と求職のミスマッチが同時に進む複層的な景況となった。企業には、景気回復への期待が高まりつつも、不透明な消費動向と採用の難しさを踏まえ、柔軟かつ現実的な経営判断が求められている。
この記事の要点
- 好天とイベント効果で宿泊や観光施設の来客数が回復
- 百貨店やスーパーでは物価高の影響で来客数が前年割れする店舗が多い
- 家電や衣料品では業務需要が売上を押し上げる一方で一般消費は慎重
- 製造業では受注が5〜6%増の分野と10%減の分野が併存
- 新規求人数は2.6%増だがパート求人が少なく採用難が続く
- 有効求人倍率は大きく変わらないが求職者の動きが鈍い
⇒ 詳しくは内閣府のWEBサイトへ


