2026年1月3日
労務・人事ニュース
2025年11月先行き 東北で有効求人数増も採用難深刻化、最低賃金引上げ後の求人行動に変化
- 常勤・医療業界の看護師/残業なし/即日勤務可/土日祝休み
最終更新: 2026年1月2日 07:03
- 非常勤・サービス業界の看護師/残業なし/即日勤務可/週4日以下
最終更新: 2026年1月2日 07:03
- 注目の訪問看護業務大手法人の求人/車通勤可/即日勤務可/シフト
最終更新: 2026年1月2日 09:34
- 訪問看護業務および付帯する業務/車通勤可/即日勤務可/土日祝休み
最終更新: 2026年1月2日 09:34
景気ウォッチャー調査(令和7年11月調査)― 東北(先行き)―(内閣府)
この記事の概要
東北の11月は、新政権の経済対策による消費の底上げへの期待が広がる一方、物価高や日中関係の不安定さが企業と家計の心理に影を落としている。通信や観光など一部業種では改善が見込まれるが、小売・飲食・自動車販売などでは雪による季節要因も重なり回復が鈍い。雇用では有効求人数は増えているものの、求職者数が伸びずマッチングの難しさが続き、最低賃金引上げが企業の採用姿勢に影響を与えている。
東北の11月は、冬に向けた気温低下と物価上昇が生活と企業活動の双方に影響を与え、景気の先行きには温度差が生じている。通信業では客単価が上昇し、サービスエリアの拡大による加入者の増加に期待が高まった。特に年始に向けた加入促進キャンペーンが始まり、複数の通信事業者が2か月先の契約増を見込んでいる。ガソリンの暫定税率廃止が決定した影響により燃料コストが下がり始め、通信会社を含む営業車両を多数抱える企業ではプラス材料として受け止められている。
観光業では、鉄道会社の大型キャンペーン開始が見込まれ、観光名所では来客数増への期待が高まっている。都市型ホテルではインバウンドの先行予約が堅調で、マレーシアなど東南アジアからのチャーター便の動きが追い風となっている。観光型旅館でも、台湾からの宿泊客が予約の9割を占めている地域があり、日中関係の悪化による影響は限定的とみられている。年末年始に向けてイベントを多数抱える競艇場や遊園施設も、予約数の回復を期待している一方、熊の出没による外出控えが観光エリアの来訪者数の減少につながるとの懸念も挙がった。
消費動向は分野ごとの差が大きく、一般小売では医薬品店がインフルエンザ流行による検査キット需要を見込むなど堅調な分野もあるが、衣料品店は高齢者の来店頻度の減少に加え、光熱費上昇による買い控えが続いている。法人向け歳暮の受注は前年より早まる動きがあるものの、全体として高額商品の動きは鈍く、百貨店ではギフト需要減少も重なり厳しい冬となる見通しが示された。
スーパー業態では、経済対策や児童手当の増額が消費回復につながるとの期待はあるものの、物価高が続き、来客数の大幅な増加は見込めないという見方が多い。各店舗で買上点数は下落傾向にあり、1品あたりの平均単価だけが上昇する「価格だけ上がる消費」が続いている。節約志向がさらに強まるとみる店長も多く、正月明け以降の消費縮小を懸念する声は根強い。
コンビニエンスストアでは、食料品値上げの影響で売上金額は前年並みに維持される一方、来客数および買上点数は下降し、人口減少や天候悪化による冬季の集客難が状況をより厳しくする見通しとなった。ある店舗では、最低賃金引上げと光熱費増が経営を圧迫し「過去20年以上で最も厳しい冬になる」との声も聞かれ、固定費上昇に伴う収益悪化への不安が広がっている。
自動車業界では新車発売があっても販売増につながらず、中古車商談の増加が続くものの在庫不足が課題として残る。人気車種への注文集中で納期遅延が解消されず、サービス部門の冬物商材の売上も思うように伸びていない。寒冷地特有の除雪費用が家計を圧迫し、車関連支出が先送りされるケースも多く、販売現場では前年同月比の回復が期待しにくいとの見方が占めている。
飲食・サービスでは、年末需要で繁忙を迎える業態が多い中、レストランではクリスマスや忘年会の予約が例年より低調で、会社関係の宴会が減っている状況が続いている。美容室では物価高で来店頻度が低下し、売上確保に不安を抱える経営者も多い。ホテル業では日中関係の影響を受けにくい地域では安定した顧客動向が見込まれるが、春節期の予約減少が旅行代理店から報告されており、先行き不確実性は残る。
企業活動では、新政権の積極財政への期待が建設・ソフトウェア・製造の一部で高まっている。電気機械器具製造では1年以上先の注文相談が増えるなど明るい兆しもあり、輸送用機械器具では年明けからの受注増に期待が寄せられている。一方で金属製品や窯業などでは減産や受注減が報告され、冬場にかけて業況が悪化する懸念もみられた。また、不動産業では住宅ローン金利上昇が消費者の購入意欲を削ぎ、適正価格との乖離が業界全体の重荷となっている。
雇用環境では、有効求人数は前年より増加し求人意欲は一定程度回復しているものの、求職者数の伸びは鈍く、採用のミスマッチが一段と深刻化している。人材派遣会社からは「求人数は増えても求職者が集まらない」という声が相次ぎ、最低賃金引上げが中小企業の採用余力を縮小させ、求人掲載そのものを控える動きが報告されている。また、製造業・卸売業・小売業で物価高の影響が続く限り求人が増えにくいとの指摘もあり、地域労働市場の停滞感が強まっている。
総じて東北の先行きは、経済対策や最低賃金引上げによる消費押し上げ効果に期待が高まる一方、物価高や雪害、国際情勢といった要因が景況回復を抑制しており、業種間で明暗が分かれる構造が続いている。特に雇用分野では有効求人倍率の数字だけでは見えないミスマッチ拡大が顕著となり、企業は採用戦略の見直しと人件費負担の増加に向き合う難しい局面を迎えている。
この記事の要点
- 通信・観光業はキャンペーンやインバウンドで改善期待
- スーパーやコンビニでは物価高と節約志向が続き買上点数低下
- 自動車販売は新車伸び悩み、中古車需要も在庫不足で停滞
- 飲食業の予約は例年より低調で冬の売上に不透明感
- 企業では製造・ITの一部で受注増期待、建設は雪で停滞懸念
- 有効求人数は増加するが求職者不足で採用難が深刻化
- 最低賃金引上げで中小企業の求人抑制が加速
⇒ 詳しくは内閣府のWEBサイトへ


