2026年1月17日
労務・人事ニュース
令和7年11月の佐賀県有効求人倍率は1.16倍、中小企業の採用戦略に影響
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最終更新: 2026年1月17日 01:03
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最終更新: 2026年1月16日 10:09
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最終更新: 2026年1月16日 10:09
一般職業紹介状況<令和7年11月分>(佐賀労働局)
この記事の概要
佐賀県における令和7年11月の有効求人倍率は1.16倍と、全国平均の1.18倍をわずかに下回る水準で推移しています。新規求人倍率は1.72倍と前月から低下し、求職者の増加とともに中小企業にとって採用環境が一層厳しさを増しています。採用活動を行う担当者にとって、こうした有効求人倍率の推移を的確に読み解くことは、自社に合った人材を確保するための戦略立案に不可欠です。
佐賀労働局が発表した令和7年11月分の労働市場データによると、同月の有効求人倍率(季節調整値)は1.16倍で、前月と同水準を維持しました。この数値は全国平均の1.18倍をやや下回っており、九州・沖縄地方の平均1.07倍よりは高いものの、県内においても人手不足と求職者のバランスが依然として大きな課題となっていることを示しています。有効求人数は17,309人で前年同月比では10.7%減少しており、一方で有効求職者数は14,974人と、前年同月から0.8%の減少にとどまりました。求人数の減少幅が求職者数のそれを上回っていることから、企業側の採用意欲がやや後退している様子が見受けられます。
新規求人倍率については、同月1.72倍となり、前月から0.05ポイント低下しました。これは新規求職者数が8.7%増加した一方で、新規求人数の増加が5.8%にとどまったことによるもので、求職活動を始める人が増えている一方で、それに応える新たな求人の供給が追いついていない構図が読み取れます。新規求人数は5,857人で、前年同月比では11.7%もの減少となっており、とりわけ建設業や運輸業、宿泊・飲食サービス業、製造業、医療・福祉分野において前年を大きく下回る水準です。中小企業にとっては、これらの業種で人材確保が一段と難しくなっていると言えるでしょう。
こうした数字が示すのは、採用活動を進めるうえで、ただ求人を出すだけではなく、労働市場の変化や他社との競争環境を丁寧に把握しなければならないという現実です。中小企業は特に大手企業と比べて待遇や知名度で劣る傾向にあり、人材獲得競争において後手に回りやすい立場にあります。したがって、有効求人倍率という指標を単に「人手不足かどうか」を判断するためのものとしてではなく、「どの職種で、どの地域で、どれくらいの競争があるのか」を精緻に読み解くことが重要です。
例えば、佐賀県内の地域別データを見ると、鳥栖市では有効求人倍率が1.11倍と県平均を下回っているのに対し、伊万里市では1.53倍と高水準を示しています。これは地域によって人手不足の度合いや求職者の動向が異なることを意味しており、自社がどのエリアで採用活動を行っているのかに応じて戦略を調整する必要があります。
また、正社員に限った有効求人倍率は1.14倍と、前年同月の1.23倍から0.09ポイント低下しています。これは正社員採用における競争が緩和されたことを示しているようにも見えますが、実際には有効求人の減少が背景にあるため、採用難が解消されたとは言い切れません。むしろ、採用を見送る企業が増えていることが数字に現れている可能性が高く、今後さらに採用が困難になるリスクをはらんでいます。
こうした状況において中小企業の採用担当者が取るべきアクションとしては、まず自社の魅力を再確認し、それを求職者に対して分かりやすく、かつ他社との差別化ができる形で打ち出すことが欠かせません。待遇面で大手に劣る場合でも、職場の雰囲気や成長機会、地域密着型の安定性といった強みを前面に出すことで、求職者の関心を引くことができます。また、求人票の記載内容を見直し、情報の鮮度と具体性を高めることも効果的です。
加えて、求人情報の発信チャネルを多様化することも検討すべきポイントです。ハローワークの活用に加え、自社のウェブサイトやSNS、地域の就職フェアなどを通じて情報を発信し、より多くの求職者の目に留まる工夫が求められます。佐賀労働局によると、インターネット経由での直接応募を含めた就職件数は11月時点で908件に上っており、デジタル化が進む中で、ネットを活用した採用手法は今後ますます重要になると予想されます。
さらに、離職率の低減と職場定着率の向上に向けた取り組みも並行して行う必要があります。せっかく人材を採用できても、早期離職が発生してしまえば、採用にかけた時間とコストは無駄になってしまいます。教育研修体制やフォローアップ制度を整備し、従業員が長く働きやすい環境を構築することで、採用活動の成果をより確実なものとすることができます。
また、現在の労働市場においては、求人倍率の上下だけでなく、産業別・地域別・雇用形態別といった多角的な視点からの分析が不可欠です。佐賀県における今回のデータでも、宿泊業・飲食サービス業では前年同月比で約19.3%の求人減少が見られ、医療・福祉分野では約20.9%の減少と深刻な状況です。こうした業種では人材の確保が極めて困難となっているため、他業種と異なるアプローチが必要です。例えば、未経験者の受け入れ体制を整える、働き方に柔軟性を持たせるなどの工夫が重要となるでしょう。
最終的に、中小企業の採用担当者に求められるのは、「数字を読む力」と「実行に移す力」の両方です。有効求人倍率という統計データは、企業にとっての“気象予報”のようなものであり、適切に活用することで、採用活動の方向性を見誤ることなく進めることが可能になります。自社の置かれた採用環境を冷静に分析し、今できる最善の策を講じることで、採用競争において一歩先を行くことができるはずです。
この記事の要点
- 令和7年11月の佐賀県の有効求人倍率は1.16倍で全国平均を下回る
- 新規求人倍率は1.72倍で前月比で低下、採用競争が激化
- 業種別では建設業・医療福祉・製造業などで求人が大幅減少
- 地域別では伊万里市が1.53倍と高く、鳥栖市は1.11倍にとどまる
- 正社員の有効求人倍率も前年より減少し採用意欲がやや鈍化
- 求人票や情報発信の質向上と多様な採用チャネルの活用が重要
- 早期離職防止と定着率向上の取り組みも同時に行うべき
- 求人倍率を“採用戦略の指標”として読み解く力が担当者に求められる
⇒ 詳しくは佐賀労働局のWEBサイトへ


