2026年1月17日
労務・人事ニュース
令和7年11月の長崎県有効求人倍率1.04倍から考える中小企業採用戦略
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長崎県の雇用失業情勢(令和7年11月分)について(長崎労働局)
この記事の概要
令和7年11月の長崎県における有効求人倍率は1.04倍となり、前月から0.03ポイント低下しました。求人が求職を上回る状況は57か月連続で続いているものの、新規求人や主要産業の求人は減少傾向にあり、採用環境には明確な変化が見られます。本記事では、この最新データをもとに、中小企業の採用担当者が有効求人倍率をどのように読み取り、今後どのような採用活動を進めるべきかを、実務目線で詳しく解説します。
令和7年11月の長崎県の雇用情勢を見ると、有効求人倍率は1.04倍となり、前月の1.07倍から低下しました。この数値自体は全国平均の1.18倍を下回っており、全国的な人手不足の中では比較的落ち着いた水準に映ります。しかし、有効求人倍率が1倍を超えているという事実は、求職者1人に対して1件以上の求人が存在する状態が続いていることを意味しており、企業側にとって採用が容易な環境とは言えません。むしろ、倍率が緩やかに低下している今こそ、採用市場の質的変化を正確に理解することが重要になります。
月間有効求人数は23,351人で前月比1.6%減少し、月間有効求職者数は22,522人で前月比1.2%増加しました。求人が減り、求職者が増えるという動きは、採用市場が一時的に「企業優位」に傾きつつあるようにも見えますが、実態はそう単純ではありません。求職者の増加は、必ずしも即戦力人材の増加を意味せず、条件や働き方を慎重に選ぶ層が増えている可能性が高いと考えられます。
新規求人倍率は1.52倍となり、前月から0.20ポイントと大きく低下しました。新規求人数は7,966人で前月比4.4%減少し、新規求職者数は5,252人で前月比8.3%増加しています。特に注目すべきは、新規求人数が前年同月比でも17.0%減少し、10か月連続で前年を下回っている点です。これは、多くの企業が新たな採用に慎重になっていることを示しており、景気や物価上昇、人件費負担への警戒感が背景にあると読み取れます。
産業別に見ると、建設業は820人で前年同月比4.7%減少、製造業は698人で8.5%減少、運輸業・郵便業は422人で22.0%減少しました。宿泊業・飲食サービス業は346人で23.1%減少、医療・福祉は2,548人で20.7%減少しており、県内の主要産業の多くで求人が縮小しています。この状況は、中小企業にとって採用競争が緩和されたというよりも、採用そのものの難易度が変化していることを意味します。応募が集まりにくい中で、いかに自社を選んでもらうかが、これまで以上に問われています。
正社員の有効求人倍率は1.05倍となり、前年同月から0.08ポイント低下しました。53か月以上にわたり1倍台を維持していることから、正社員を希望する求職者に対しても、依然として企業側の求人が多い状態が続いています。ただし、この数値には派遣や契約社員を希望する求職者も含まれており、実感としては「条件が合う人材がなかなか見つからない」と感じている採用担当者も多いはずです。
こうしたデータを踏まえ、中小企業の採用担当者が有効求人倍率から読み取るべき最も重要なポイントは、「倍率が下がったから採用しやすくなる」と安易に判断しないことです。求人が減少している局面では、求職者はより慎重に企業を選ぶ傾向が強まります。賃金や休日といった条件面だけでなく、仕事内容の具体性や職場環境、将来のキャリアイメージを明確に伝えられない企業は、選択肢から外されやすくなります。
そのため、採用活動では求人票の書き方を見直すことが不可欠です。業務内容を抽象的にまとめるのではなく、1日の仕事の流れや、入社後に期待される役割を具体的に記載することで、ミスマッチを防ぎつつ応募の質を高めることができます。また、有効求人倍率が1倍前後で推移している地域では、採用時期の見極めも重要です。周囲の企業が採用を控えている今は、競合が少ない分、自社の魅力を丁寧に発信することで、思わぬ人材と出会える可能性もあります。
さらに、紹介件数や就職件数が前年同月比で減少している点も見逃せません。令和7年11月の就職件数は1,389件で、5か月連続の前年割れとなっています。これは、採用が決定するまでに時間がかかっていることを示しており、選考プロセスの長期化が応募離脱につながっている可能性があります。中小企業においては、選考フローを簡潔にし、面接回数を抑えるなど、スピード感のある対応が求められます。
有効求人倍率は、採用市場の「結果」を示す数字ですが、その裏側には企業行動や求職者心理の変化が反映されています。令和7年11月の長崎県のデータは、採用環境が一段落したのではなく、新たな局面に入ったことを示しています。中小企業の採用担当者は、この数字を冷静に読み解き、自社の採用活動を見直す材料として活用することで、限られた採用機会を確実に成果につなげることができるでしょう。
この記事の要点
- 令和7年11月の長崎県の有効求人倍率は1.04倍で前月から低下
- 求人は減少し求職者は増加するなど市場構造に変化が見られる
- 新規求人は前年同月比17.0%減で多くの産業が採用を抑制
- 正社員の有効求人倍率も1.05倍に低下し条件競争が激化
- 中小企業は求人票の質と選考スピードを重視すべき局面
- 倍率の上下ではなく背景にある求職者心理を読むことが重要
⇒ 詳しくは長崎労働局のWEBサイトへ


