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2026年1月19日

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令和7年11月静岡県の有効求人倍率1.06倍から考える中小企業採用の現実

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静岡県内の最近の雇用情勢(令和7年11月分)(静岡労働局)

この記事の概要

静岡県における令和7年11月の有効求人倍率は1.06倍となり、前月と同水準を維持しました。一見すると安定しているように見えるこの数値の裏側では、有効求人数と有効求職者数の双方が減少し、採用環境は静かに変化しています。本記事では、この有効求人倍率が示す本質的な意味を丁寧に読み解きながら、中小企業の採用担当者が今後どのような視点で採用活動を進めるべきかを具体的に解説します。統計データをそのまま読むのではなく、現場でどう活かすかという実務目線でまとめています。


令和7年11月の静岡県内の有効求人倍率は1.06倍となり、58か月連続で1倍台を維持しました。全国平均は1.18倍であり、静岡県は全国を0.12ポイント下回っています。この数値だけを見ると、極端な人手不足でもなく、急激な雇用悪化でもない、比較的落ち着いた雇用環境に見えるかもしれません。しかし、採用担当者にとって重要なのは倍率の数字そのものではなく、その内訳と背景です。

同月の有効求人数は58,882人で前月比1.2%減少し、有効求職者数も55,709人で前月比1.1%減少しました。求人と求職の双方が減っている状態で倍率が横ばいということは、労働市場全体の動きが鈍化していることを意味します。採用活動の現場感覚として「応募が減っている」「動く人が少ない」と感じている企業は多いはずですが、その感覚は統計とも一致しています。

中小企業の採用担当者がまず理解すべきなのは、有効求人倍率が1倍を超えている状態では、求職者が企業を選ぶ立場にあるという基本構造です。特に正社員の有効求人倍率は1.02倍と全国平均と同水準で推移しており、正社員採用においても決して楽観できる状況ではありません。一方で正社員の有効求人数は31,430人と前年同月を5か月連続で下回っており、企業側が採用に慎重になっている様子もうかがえます。

地域別に見ると、令和7年11月時点で東部は1.03倍、中部は1.19倍、西部は1.04倍となっています。中部地域だけがやや高い水準にあり、同じ静岡県内でも地域によって採用難易度が異なります。中小企業の採用担当者は、自社の所在地だけで判断するのではなく、通勤圏や周辺地域の倍率にも目を向ける必要があります。例えば中部地域で採用が難しい場合、東部や西部からの通勤可能性を前提とした募集条件を検討することで、応募母集団を広げる余地が生まれます。

職業別の有効求人倍率に目を向けると、保安、建設・採掘、介護関連の職業では高い水準が続いています。一方で事務職や運搬・清掃・包装などの職種では倍率が低く、応募が集まりやすい傾向があります。中小企業が総合職や事務職の採用で苦戦している場合、業務内容の切り出しや職務範囲の明確化によって、職種の見せ方を再設計することが有効です。現場では複数業務を担ってほしいという思いがあっても、求職者目線では業務が曖昧な求人は敬遠されがちです。

新規求人倍率は令和7年11月に1.87倍となり、前月から0.20ポイント低下しました。新規求人数は19,472人で前年同月比8.7%減少しています。この動きは、企業が新たな採用に踏み切るタイミングを慎重に見極めていることを示しています。中小企業の採用担当者にとって重要なのは、このような局面こそ採用計画を中長期で考えることです。採用を止めるのではなく、採用人数を絞りながらも継続的に情報発信を行い、企業認知を維持する姿勢が後の採用成功につながります。

産業別に見ると、建設業や宿泊業・飲食サービス業、サービス業では新規求人が増加していますが、製造業や卸売業・小売業、医療・福祉では減少しています。特に製造業では前年同月比で2桁減となる業種も見られ、先行き不透明感が影響していると考えられます。このような環境下では、賃金条件だけで勝負する採用は中小企業にとって現実的ではありません。働き方の柔軟性や教育体制、将来のキャリアイメージを具体的に伝えることが、応募者の不安を和らげる重要な要素になります。

また、新規求職者数は8,357人で前年同月比6.5%減少し、13か月連続で前年同月を下回っています。在職中の転職希望者も減少傾向にあり、「良い人がいれば動く」という層は確実に減っています。中小企業の採用担当者は、即戦力採用だけに固執せず、未経験者やポテンシャル人材を育成する視点を持つことが求められます。特に有効求人倍率が高止まりしている状況では、育成前提の採用戦略が中長期的な競争力につながります。

雇用保険のデータを見ると、事業主都合による離職者数は前年同月比で増加している一方、資格喪失者数全体は減少しています。これは一部の業種や企業で調整が進む一方、全体としては大きな雇用不安には至っていない状況を示しています。採用担当者としては、こうした局所的な人材流動が起きるタイミングを逃さず、早期に求人を出すことで、条件面で不利な中小企業でも採用のチャンスを得ることができます。

有効求人倍率は単なる景気指標ではなく、採用市場の温度感を測る重要なヒントです。1.06倍という数字は「採れない」と嘆くだけの材料ではなく、「どう採るか」を考える出発点になります。統計を正しく理解し、自社の採用活動に落とし込むことができるかどうかが、これからの中小企業の採用力を大きく左右すると言えるでしょう。

この記事の要点

  • 有効求人倍率1.06倍は安定ではなく停滞を含んだ数字である
  • 求人と求職が同時に減少しており人材の動きは鈍い
  • 地域や職種ごとの差を理解することが採用成功の前提になる
  • 即戦力偏重から育成前提への発想転換が必要
  • 有効求人倍率は採用戦略を考えるための実務指標である

⇒ 詳しくは静岡労働局のWEBサイトへ

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